道具、料理、初めての野営。
「ここまでは私の話ばっかりだったから、その荷物の少なさの理由を教えて貰うわよ。ただの準備不足なら指導するからそのつもりで居なさい。」余裕綽綽と云った此方の様子にセラは釘を刺してきた。
「まぁ見ていてくださいよ。まずはこれです。」そう言って取り出したのは80センチ四方の布の塊に見える物。そのまま使うことで実演する。
「これをこうして、こうすると……!」地面に置き、取っ手を引き上げると4人用のテントが一瞬にして立ち上がる。
「……何よこれ!」初めて見たワンタッチ式テントにセラが驚いている。この表情が見たくて今まで隠していたのだ。とても気持ちが良かった。
「自作した折り畳み式のテントですね。他にもまだまだ有りますよ。」そう言ってバッグから次々と取り出す、簡易コンロに始まり、調理器具、照明等これでもかと現代キャンプ用品を披露した。
「……どれもこれも初めて見る物ばかりね。一体どうしたの?」驚きの連続に疲れたのか、セラはそれ以上の疑問は持たなかった。
「先程も言いましたが、セラさんの話を元に全部錬金術で自作しました。材料さえ揃えば何時でも作れますよ。セラさんのも作りましょうか?」数々の便利グッズに目を輝かせていたセラに告げると、食い気味に欲しい!と、せがまれたので、王都についてからもう一セット作ることにした。
「マコト君錬金術師だったのね。確かに後衛だわね。」セラがジョブについて勘違いしているが、否定はせず曖昧に笑っておく。
「じゃあご飯は私が作るわね!」そう息巻いているエリが心配になり、自分も手伝う事を伝え二人で作る事にした。晩御飯は定番のカレーを作り、初めて口にしたセラがお代わりを要求していた所を見て、成功だったなと満足した。
「じゃあ夜番だけど、大体一刻づつ交代にするとして順番はどうしようか?」初めてのカレーに舌鼓を打ったセラが後片付けをしながら切り出す。
「それなら最初は私がやるわ!マコトは後衛で体力も無いし、セラさんは一番の戦力なんだから先に休むべきよ!」寝不足の僕を気遣った彼女がそう提案し、セラが承認する。
「そうね。では最初はエリちゃん、次に私、その次がマコト君にしましょうか。」夜番の注意事項をセラがエリに教え、緊急時や、何か動きが有ったらすぐに起こす事を念入りに指導してからテントに入る。
「ありがとね、エリ。」そう彼女に伝えると良いのよ、と笑いそれに此方も軽く微笑みで返して、テントに向かう。
テントに入って横になると、移動の疲れと寝不足も相まってすぐに眠気が来た。忘れずにアラームをセットしセラと共に深く眠りに就いた。




