冒険者、視線、受付嬢。
PV数が増える度に誰かに読まれていると思うと恥ずかしく感じています。
現在61話までストックがあり、一話書きあげる毎に一話投稿しようと考えています。 読んで下さった皆様に楽しんで頂ける様に書き進めてまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。
古びた木製のドアを押し開けて、中へ足を踏み入れるとそこは喧々囂々、併設された酒場で昼間から酒を呑む者、依頼の募集掲示板を注意深く眺める者、受付嬢を口説く者等、多様な者達で溢れ返っていた。
「……大盛況だね。」余りの光景に顔を引きつらせつつ、喧噪真っ只中の冒険者ギルドへ突入した。
「おい。見ろよ、ものすげぇ上玉だぜ。」酒場で呑んでいた、男の一人が、目敏く彼女を見つけ、連れ合いの男達に声を掛ける。ギルドの喧噪の中、至る所で同じような、やり取りが起こり一瞬の静寂が訪れた。
荒くれ者が多い冒険者にとって、否、男にとって、彼女は一層目を引く存在だった。
艶の有る長い黒髪、スラリと伸びた手足、切れ長の目。その姿を見た誰もが、視線を奪われていた。
そんな騒ぎなぞ、何処吹く風と受け流し、若い男と共に、受付の列に並ぶ姿もまた、絵になっていた。
「すいません。身分証の発行をお願いしたいのですが。受付は此方で合ってますか?」混雑しているにも関わらず、比較的早くに順番がやってきた。 受付に座る十七、十八歳位だろうか、若い女性の受付嬢に声を掛ける。
「こんにちは!冒険者ギルドへようこそ!身分証の発行ですね?冒険者登録も一緒に申請しますか?」受付嬢はまさに天真爛漫といった感じで、幼い印象が残る笑顔で応対してくれた。
「……冒険者登録ですか。それは何か義務だったり、何らかの制約が有る物ですか?」気持ちの良い接客に此方も丁寧に返す。ギルドのアイドル的存在なんだろうなと思いながら、重要な事項を質問していく。
「冒険者の義務は、本当の有事以外には基本的に有りません。例えば、街の存亡を揺るがす魔物の出現などが其れに当たります。依頼をこなさなければ罰則が有る等も特にありません。但し、受けた依頼をギルドへの報告無しに無断で破棄する、依頼主に害を及ぼす。この様な場合は罰則の対象となります。」
受付嬢は此方の質問に対して、実に誠実に答えてくれた。
「後は国の法律に準拠ですね。基本的には誠実に、且つ常識的に外れてなければ、罰則には至りません。……ただ、一つ注意点が有って、施設外での冒険者同士の揉め事等に関しては、ギルドとしては関知致しません。」受付嬢は告げると、至る所で彼女に下卑た目を向ける男共を一瞥した。
「……なるほど。良く解りました。それで登録するとどんな事が出来ますか?」受付嬢の優しさだろう。彼女に対する気遣いに感謝しつつ、改めてメリットを聞く事にした。
19話が抜けた状態で投稿してしまっていました。修正し投稿しております。




