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彼女の隣で、僕は眠る  作者: 粗川燕(あらかわつばめ)
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違和感、歴史、悪巧み。


 「悪事を企む……?」ソーマの断言に不穏な空気を感じながらも問う。

 「居るのですよ。私が生きていた200年前よりもっと、遥か昔から。この国を使って何か良からぬことをしようとしている者が。私はその者から、この街の皆を守り抜くために研究をしておりました。」



 「私が違和感に気づいたのは死ぬ十年ほど前でした。街を発展させ、国の役人や貴族等と、やり取りしていく内にこの国の成り立ち、歴史について学ぶ機会が有り、これも街の発展の助けになるやもと、王都の図書館で、歴史書を読み漁っていたのですよ。」ソーマは昔を思い出しながら続ける。


 「まず建国の時代、武に優れた青年が、この土地を支配し圧政を敷いていた皇帝を打ち倒し、初代王となって、この国が始まります。今からですと、凡そ四百年ほど前でしょうか。」そう言うとソーマは机の引き出しを示し、中から資料を出すように指示をした。


 「これが当時の資料です。初代王が立ち上がり、国が興る、そして発展する。自然な流れです。」そして次の資料を、二つ示すと指を差し、語る。

 「これが初代王に滅ぼされた帝国の成り立ちの資料、こちらが今の国の成り立ちの資料です。何か違和感を感じませんか?」その言葉に目を皿にして、二つの資料を読み比べる。



 「まさか……。殆ど同じ歴史を辿っている……?」自分の言葉に満足したかのように、ソーマは口を開く。

 「やはりずっと感じていたが、貴殿は聡明だ。理解が早い。」手離しで褒められ、咄嗟に謙遜しソーマに続きを促す。



 「そうです。この国だけじゃなく、建国前の帝国、更には遥か昔、九百年以上前から、国が入れ替わり、そしてその全てで、細かい違いはあれど殆ど同じ歴史を歩んでいます。」その言葉に得も言われぬ違和感を感じ、すっかり冷めた紅茶を流し込んだ。 


 

「確かに、九百年以上国の衰退、新興を繰り返し全てが、ほぼ同じ歴史を辿る。異常な事ではあります。」違和感はある。おかしいのにも納得は出来る、ただそのまま鵜呑みにするには、あまりに危険な情報なのは間違いなかった。出来る限りの反証をしていく。


 「事実は小説より奇なり。此のような言葉も有ります。確かに違和感が残る出来事ですが、単なる偶然というのも否定出来ないと思われます。統治については専門外なので解りませんが、時の為政者が優れた国の統治を模倣していった結果とも取れます。」


 「確かにマコト殿の言う通り、その様な事も有るでしょう。私もその様に最初は考えました。当然です。しかし先程マコト殿が述べた、時の為政者。此方を調べていて確信を持ったのですよ。」ソーマは更に資料を出し、根拠を示していく。





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