憎む理由とは
[武都リョクリン 神水流道場]
7月14 8:00
昨日とおなじく歩法から修行を開始する
「おはよう弟子よ」
「押忍!!師匠!!」
学校の授業でやった柔道のすり足に近い、ようは常に足を地につけ
一定に保つ動作だ、あの人の構えを思い出す膝でタイミングを取っていた
「やはりできるじゃないですか」
「ああ、才能とかじゃなくあっちの世界で似たようなのを学ぶ機会がありまして」
「今日はギルドへ?」
「はい剣の修行ですね」
「そうですか、やる事だけ先に伝えておきます」
ランニング、掌底打ち、蹴り、極め、投げ、受身はないらしい自主錬かな
「我が流派は、打ち、極め、投げそして気の打ち込みです
多少この中で変化はありますが対人の場合はこれが基本と思ってください」
「相手とのタイミング、呼吸のあわせもありますがそれはまたいずれ」
巴投げ後の膝落としと背負い後の肘落としはやっちゃいけない
どちらも丁度頭に落とせる
初日はぼろぼろだった為歩法しかやってない、オラクルさんはすごいと実感した
かわりに気功で直されたが、神聖魔法ほどの力はないらしい
それと俺の最適化がおわってないせいもあるとか
結局この体術をどこまでやるかだが、基礎を一通り学んで
一人でこなせるようになる所までだ、俺が望むのはやっぱあれだしな
「師匠質問いいですか?」
「なんです」
「なぜ勇者を憎んでたのか根本の原因は?」
「・・・・」
なにか考えこんでいる
「才能があるから憎いじゃわかりませんよね」
「ええ」
「アナタから私はどう見えますか?」
ふんふん質問自体意味がわからない
「わかりませんよね勇者であり男性であるあなたには」
そっち系か
「今の発言で多少理解しました」
「面白いですね、おっしゃってみて」
「女性であるから、武門の子として劣っているとか、低く見られるとか
筋力がないとか、それに合わせて勇者は才能の塊だと」
「今思うと勝手な思い込みだったんだと思います
女性であるから、劣っているまあそれはそうでしょう
そういう風に出来てしまっているのですから」
「差別とかはされてないんですが、期待に答えなきゃと
自分を勝手に追い込んで、憧れであった勇者という存在をいつしか憎んでいた」
「時間と共に憎んでいる事だけが残ってしまった」
人間なんてわからないものだ、そして理由もまた劇的なものじゃない
わかるのはちょっとしたきっかけで、人は簡単に歪んでしまう事
嫉妬をしたことなんてあったかなぁ?
野球と勉強でそんな余裕なかった気がする、武門の子というのは色々あるのだろう
「浸透系ですからカミズルは筋力あんまりいらないんですよ」
「あ、ああそうですね、投げも相手の力を最大限応用した物だったし」
「あれそれだと女性の方が向いてるんじゃ???」
「え?」
勇者と拳士はぽかーんとする
「あなたと組み手をした夜おもいだしたの、勇者の物語りに憧れていた事
そういう存在になりたかった事、純粋だった事
多分あなたが色々言っていた事がきっかけだったんだと思う」
「あなたが門の前で礼をしたときに思い出すべきでした」
恥ずかしいあの時投げかけた言葉のほとんどがボール球とか
暴投してたらどうなってたか、拳で語るにはまだまだ先は長そうだ
いつか拳だけで
決意を新たにする勇者
12:00
午前の練習が終わり昼をごちそうになる、そうそうご飯はちょっと和食ぽいのがでるのだ
転移者がいるし、ここの名前から察するに、まあそういう事なんだろうと済ました
昼を終えて、少し考える
もしヴラドさんのような相手が次に来た場合どうするか
もちろん完全な敵として考えた場合、打つ手はない
例えば金剛浸透掌底を使えても、ヴラドさんレベルには無意味だろう
魔法もダメ、剣技もダメというか剣技は中級職のものだ、覚えられるのか?
「なにを難しい顔してるのです弟子よ、余に話してごらん」
キャラが固まってない発言をしている、返すべきか否か
「ヴラドさんの事なんですが、いやヴラドさんレベルの相手に襲われた場合の話です」
「打つ手が抗う手がないんです」
「ふむ、よきにはからえ?」
なんか違うし、急にどうしたんだろう
「勇者でなければ手はあったと言えますね」
「それに閉じ込められたら、それこそ何も出来ない」
キャラ発掘は諦めたらしい
「まああなたの場合、勇者じゃなくてもやらないと思いますが」
「どんな手です?」
「逃げる」
盲点だった、RPGにもある、こうげき、技、防御、魔法、どうぐ、にげる
「なるほどなるほど、確かに出来ませんね、勇者が逃げたら誰が立ち向かうのか」
それに逃げ切れないあのレベルからは
「でしょう、そんな勇者はこの場で絶命してもらいます」
「とはいえ糸口は見えました、師匠ありがとうございます」
「???」
師匠は考え込んでいた、さて賢者タイムで要相談だなぁ
午後の修行を早めに終わり王都へ帰還する、天馬の翼
「言ってみなさい」
タネ明かしはまだしない
ところで拳士や武道家の技は流派のなのかその職の技なのかコレガワカラナイ
[冒険者ギルド地下円形闘技場]
16:55
「おう来たなリュウ・・・・ぼろぼろだな」
「素行が悪いって奴です」
違うけどね、しかし予想通りギルドマスターのテリーさんか
「あ、うん、すまんなあいつくらいしかいなくてな」
「問題ないです」
「ちょっとまて、そのままだとあれだから神聖魔法使い呼んでくる」
ほどなくして剣修行は開始された
「めんどくせーから、実践形式でやる適当に覚えろ」
「・・・・押忍」
まずは自由に打ち込めと言われて、次に防御してみろと言われ
最後は両方だ
「あれだな、正直迷ってんだ、リュウにはあれがあるだろ
変に教えてあれがダメにならないかってな」
あれとはバッティングの事だろう、別の事を覚えたからと言って
バッティングフォームは崩れやしない、あっちにいた時から崩れてた場合は別として
とっぴなフォームではなし基本中の基本のフォームだ
「いや、大丈夫ですよ崩れるような物じゃないので」
それにフォームのせいで使えるのはヴラドらんの時みたいに
あまりにも限定的すぎる状況下でだ
「そうなのか、ならいいか」
「構えだな基本からやろうか?なんか知ってる構えあったらやってみろ」
居合いと、基本ぽい構えは知ってる刀の握りも
「そりゃ刀の構えか」
「そうです、子供の頃に憧れで真似してて、それなりの歳になって握りも覚えました」
バットと違い刀は中間を空ける、斬った場合衝撃で柄の頭が持ち上がるんだろう
刀の振りにも関係してるとか
さすがはソードマスター、刀をしってるのかそれとも侍に会った事があるのか?
「リュウは叩きつけだとおもったが、斬るのか参ったな」
「ちょっと待ってろ、刀探してくる」
あるのか
「あ、いや」
静止も聞かずマスターは1Fにあがっていく
「勇者リュウだったな?」
急に声を掛けられた、静かに俺とマスターを見ていた人だ
「はい、リュウ・オミナエですよろしくお願いします」
「お、おう、俺はハイウォーリアー、グリム・ソダンだ」
ハイウォーリアー上級職だったかな
「ザクからお前の話を聞いてな、なんつーか興味本位でわるいんだが
話をしてみたくてな」
「ザクさんのお知り合い、なるほど?」
「こっちの暮らしはどうだい、不便してねぇか?」
あ、いい人ぽい
「ええ大変良くして貰ってまして、さっきまでボロボロでした」
「HAHAHA、なんだいけるやつだったか」
「おかげさまで、これといって不便な事はありませんね、宿もいいですし」
「ならいい、とはいえ勇者よあんまり気張りすぎるな
がんばりてぇのはわかるが、わけぇんだ少しくらいサボれ」
多分あの5つの言葉をいいたいのだろう
動き、学び、遊び、食べて、休む、武の神と称えられていた人の言葉
心の師匠シリーズの一人でもある
「はい、そうします」
「珍しいなグリムが新人に声掛けるなんて」
どうやらマスターが戻ったらしい
「ふん、抜けた奴が多いからしかたないだろう
マスターがもっと活入れろってんだ」
「それに比べてこいつは、ちとがんばりすぎだと思ってな」
「さすがにびっくりしたぜ、ここにきたときのざまは」
ああボロボロだったもんなぁ
「違いねぇ、ほっときゃそのうちやる気で満ち溢れるだろ
勇者様効果でな」
「今回は同意しとくぜ、なんせザクのやろうがやる気だしてやがったからな」
「で、話はおわりか、終わりなら年寄りはお引取り願おう」
「ギルドマスターよ、俺の記憶違いじゃなきゃあんたの方が上だぜ」
「記憶違いだろ?」
「45だろあんた」
「帰れ」
「はいはい」
「ザクさんによろしくお伝えください」
「必要ねーよ、よろしくやってるからな」
そういい残しグリムさんは帰っていった
「さて勇者刀だ」
「あのですね、それなんですが大剣をお願いしたいんです」
「ああわかったが、軽く振ってみな」
刀を渡され人形的の前で居合いの構え
ハッ、どうやら斬れた事は斬れたがまあそれだけだった、刃が欠けた
「ちょっと期待してたんだが、安物だったか、それはな
この世界のドワーフが見よう見真似で打った刀だ」
あっちで刀はオーパーツと言われていたがドワーフでも再現できないのか?
「ドワーフの国にいけばもっといい奴があると思うんだが、ないものはしょうがねぇな」
ふむ、ドワーフの国に行く事があれば試してみようか
「大剣だったな、また待っててくれ」
「押忍!!」
武器はとりあえず大剣にした本命は片手剣と盾だ
その後、片手剣と盾が本命と説明して
簡単に型をならい、実戦形式の修行を22時くらいまで行った
[宿自室]
22:15
なんか久々な気がする貰っていた鐘を鳴らす
「音がしない」
「呼んだかのう」




