安らかに眠れ
[武都リョクリン 神水流道場]
7月13 8:00
勇者は治療と修行が開始される為もどらずにいた
「ハァハァハァ、ハッハッ」
ガツン
ごろごろごろごろと頭を抱え、のたうち廻る勇者
「なんですかそれは」
拳士ホクトは近づいてすぐに、勇者へ持っていたバットを振り下ろしていた
「なんていうか漢のロマン?」
勇者が行っていたのは、超有名寺の風景である
「とりあえず、開始します」
「基礎の歩法はおぼえましたか?」
「いやまだ2日目開始したとこでしょ?」
「勇者なら覚えて当然でしょ?」
「あそんでますよね、憎んでた相手に対して」
ガツン、あっーーーーー
「もう憎んでませんから、失礼ですねあなた師匠を尊敬しなさい」
「サスガハ1ジノブキスバラシイ」
転がってる勇者の上をバットがブゥンブゥンと通り過ぎる
「ゴホンでは歩法から開始します」
そういう事なのか、なるほどなるほど素行が悪い
初めはわからなかった、丁寧な人だと思ってた手癖がわるすぎる、死ぬぞこれ
「押忍!!おねがいします」
「その礼はいいですね」
この作法も代々鮮麗された動きといえるかもしれない
ホクト師匠?の動きを観察する、足の運び、手の位置、呼吸の仕方
足の運びと連動して手の位置が変わる
ガツン、アッーーーーー
なぜ殴った意味がわからない、なんだなぜだ・・・・
「それではやってみてください」
開始の合図かよ
「師匠・・・お願いします頭はやめましょう死んでしまいます」
ガツン アッーーーーー
「わかりました」
そこで勇者は思う、明日剣修行の為に帰れなかったら終わってたと
「シツモンデス師匠この道場ではそういう指導方法なんですか?」
「いえ、そんな危ない事はしませんよ当然でしょう?いくら鍛えてても
頭は死んでしまうでしょう?」
はああああああ?
「じゃあやめま「せん」」
被された
「頭はやめますから」
ガツン アッーーーーーー
脛の骨だ
「イイコエデナキマスネ」
何か聞こえた
「と、遊んでばかりはいけませんね、さあ歩法をやってみてください」
その後2時間ほど勇者のアッーーーーという叫びは続いた
[武都リョクリン、門前]
10:05
「それでは軽くランニングに行きましょう」
バットは回収してバットケースに入れて担いでる
「師匠どのくらい走りますペース配分がわからないので」
「5kmくらいですかね、軽く流して体をほぐしましょう
まだ最適化済んでないのでしょう?」
「ええまだらしいです」
「多少モンスターも出るかもしれませんが、適当にあしらってください」
「・・・・・・・・・・?」
剣ないよ拳で?え?は?
「えーと拳で?」
「それ以外なにが?拳の修行でしょう?」
そういうものか?そうだな拳の修行だしな
「それではランニング開始します」
疑問は解決しないままついていく
街道?を走り出して10分くらいで前に人を見かける
30代くらいの人かなナイスミドル、着てる服は豪華に見える
「まって」
「やあ、こんにちは修行かな?」
「ええまあ、そうですね」
師匠がなぜか警戒態勢に入っている
「何が目的?」
「何のことかね?」
師匠は俺を見てハッとするがその瞬間には倒れこんだ
「おや寝てしまったのかい、まあいい私の名はヴラド・ツェペシュという」
ついその名で無意識に呟いてしまった、有名すぎるドラキュラの元になった人物の名
「吸血鬼・・・」
「さすがは、いやさすがだ、名前を聞いてもよろしいか?」
警戒し考えはしたが無意味かもしれない、おとなしく名乗ろう
たまに見る真名をつかったどうたらな力は、日本人には意味ないだろう
「リュウ・オミナエ、勇者だ」
「確信しているようなので、言っておこう」
「ヴラド・ツェペシュ、吸血鬼をやらせてもらっている」
デイウォーカーいやこちらはまた違うかもしれない
「我が城に招待しよう」
ヴラドがそう言った途端に景色は変わっていた転移だろう
[???ヴラドの城]
10:18
ヴラドは中央王座ともいう場所に座っていた
「俺になにか?」
「ふむ、堂々としたものだね」
そういった途端立ち上がり、剣を投げてよこす
「一つ勝負をしてくれないかね」
疑問系ではないこれは命令だ
「吸血鬼が俺と?」
「そういう趣味には見えないが、拒否権はないらしい」
「いいね君」
すぅううううううふぅううううう、覚えたてでもないが呼吸法とも
ただの深呼吸ともいえる、形だけのものを行う
「こい蝙蝠やろう」
「ははっ」
まったく見えなかった、頬から血が出ていた剣で斬られたらしい
ヴラドはまた王座に座っていた
「ヴラド・ツェペシュ、安い挑発に乗るようには思えなかったが意外と
低位なのかい?」
吸血鬼は笑顔だ
「私の動きは見えたかね?」
「いや、まったく」
まだかますべきじゃない、ハッタリは、この場はあの人だ軽口が得意な悪魔狩り
「そのわりに、余裕そうだが?」
「はっ!!見えない相手に、魔法も気も使えない余裕なんてどこに?」
「ふむ」
「それより質問くらいいいか?」
「ああ、構わないとも、だがくだらない内容はやめてくれたまえよ?
手が滑ってしまうかもしれない」
わざとらしくおどけてみせる
「あんたはどうすれば殺せる?」
「実力はこの通り、わかりきってるルールくらい譲歩してくれてもいいんじゃないか?」
「正論だな、よかろう、ここだ心臓を突けば私は殺せる」
「おいおいおい嘘はよくない、よくないな、子供でも知ってる吸血鬼はそれじゃ滅びない」
「それにだ、ヴラド・ツェペシュあんたはこういったんだぜ」
「我が城に招待すると」
「つまり俺はゲストって事だ、ハン、ならそれなりのオモテナシを受けてもいいはずだ」
「ほう、いや失礼した私とした事が礼を欠くとは」
「いやいやわかって貰えればそれで問題ない、ヴラド公」
わざとらしくとてもわざとらしく、ドラマでみた西洋の挨拶をする
「そうだね、一度だけ一度だけだ、勇者殿の攻撃を受けて上げよう」
「これ以上の譲歩はない、いいかね2度は言わない」
「公の寛大なお心に感謝します」
その言葉と共に目の前に移動していたヴラド、ヴラドは一度だけと2度言ったなぜ拘る
そしてこの茶番に付き合う理由、偶然あの街道にいた?
どうやって知った、俺がリョクリンにいると
回収していたバットを取り出しながら考えをめぐらせる
「終わらせようヴラド・ツェペシュ公」
吸血鬼はハッとする、がらりと変わる勇者の雰囲気
「悪いが、真芯で捉えるのは腐るほどやってきた」
今回博打は心臓の事だけだと思える
嘘だと言った事に訂正を入れなかったそれだけだし、それ以上でもある
力は発揮された心臓を狙った一撃で心臓を中心に爆ぜた
普通の人なら終わっていただろう
「聞いてもいいかね勇者殿、なぜ心臓を」
「あなたの言葉を信じた」
すでに両腕はない、心臓は捉えたがどうやら嘘だったらしい
綺麗に切れたのか痛みはない後から来るタイプだろう
焼けるように痛みだし、痛みでもだえ苦しむ
ヴラドは剣の血を綺麗に拭き取っている
いつの間にか膝をついていた、眼がかすむ血を流しすぎたらしい
「・・・・」
「馬鹿だね君は」
「あなたは訂正しなかった、だから信じたんです」
「・・・・」
「じい、いるかね?」
「こちらに旦那様」
「勇者殿の治療を」
「かしこまりました」
執事らしき人にポーション?を掛けられ腕が繋がる
何かを警戒してる?
「それは、嘘をついてしまった詫びと思って欲しい、いや詫びにもならないか」
「勇者殿すまなかったね」
「だがやめるわけにもいかないのでね」
どうやら今の所予想はあっているか・・・
勝機はひとつ、カウンターだ合わせればいい、見えはしないがその攻撃は正確だ
見えない球を感で打ち返すより簡単だ、俺ピッチャーなんだけどな
「ひとつ聞いてもらえます?」
「言ってみたまえ」
「心臓、どうせやるならここを一思いにお願いします簡単でしょ?」
右手で心臓を叩く、ここだこの一手は重要だ
「・・・いいだろう、このコインが落ちたら開始といこう」
全神経をコインに集中する
チャリン
音が聞こえたと同時にヴラド公は消える
消えたのに合わせてバックステップしバットを振りぬく
手ごたえは有った、有ったがそれで倒せる相手じゃない
それでも若干の動きの乱れを感じたのは、これまで意味が有った事を物語ってる
「ふむ、君とここに来てからのやりとりを考えてみたのだが」
爆ぜた腹の部分は直っていく
「ギリギリだね」
「まあそうでしょうね」
「後は頭なんですが、ダメでしょうね」
「ああ無理だね、我々はそんな外傷で滅っせれるほどやわじゃない」
さあて、うれしいようなうれしくないような頭は狙わなくてよくなった
ついでに、なにか別の方法が必要だという情報を得られたが
どうにかなるのか?この一手で見極めよう
「さて、コインを投げるのはさっきと同じだが、同じ手はいけないよ?」
「ええ、当たり前ですそんな愚かな事はしない、あなたも愚かな存在じゃない
人を超えた存在だ、その生命力には敬意を表する」
「生命力だけじゃない、あなたの戦闘能力はとてもすばらしい
強いてのはそれだけで憧れる、羨ましい限りです」
「そしてとても、寛大だ、俺の我がままをすんなり受け入れてくれた
高貴なる者とはアナタみたいな人を言うのでしょうね
これで終わりかと思うととても残念だ」
「素敵な招待をありがとうございました」
「・・・・」
ヴラドが今感じてるのは高揚感
「さあ、コインを投げてくださいそして、出来れば全力でお願いします
強者・吸血鬼ヴラド・ツェペシュ公!!」
死に行くものの眼ではない、切り札があるわけでもない
何をしても無駄そういう状況だ、ただわかるのはそんな相手に
圧倒されているという感覚、その眼は先になにを見出してるのか
まあいい今は勇者殿にのせられてみようではないか
「 I'll chisel your grave-stone,Sleep well」
最終ラウンドだ、コインは宙に舞う
勇者はその瞬間武器を投げ捨てていた、そして心臓をささげるように
手を広げる超越者は、冷や汗をかいてる事だろう
「いつからだい?」
「確証はなかったんですがね」
「ギリギリだったね」
「そうですね、軽く刺さってますもんね」
手を引き執事に命令をくだす
「じい、ランチを我が城の最大を持って用意せよ」
「かしこまりました」
「タネ明かしはしてくれないのかい?」
「それなら公、目的を聞かせてもらってませんが?」
「oh」
ネイティブ
「賢者殿だ、彼から頼まれてね少し痛い目にあわせてくれと」
「まいったね、痛い目にあったのはこちらだったよ」
「じっちゃんが?」
「すこし、調子に乗ってるといわれたんだが
ここに来た当初の様子は納得だったんだが、本質は違うあれは演技だった
畏怖すら覚えるよ終わってみて、あの短い間に良く組み立てたね」
「どう考えても0%だ君の勝つ確立は
少ない手段の中私の弱点を絞りこもうとした」
「心臓狙い、私を信じていたという言葉、一度見ただけで合わせたあれ」
「思い返すと、どれも一度きりの綱渡りだね」
「心臓狙いはまあ、本当だったらそれで終わり、違ったら嘘だと指摘できる
なんせあの時点じゃ情報が何もありませんでしたから、やってみるしかない」
「不死がどういった者なのかわからない、だから核のような物を想像した
それさえ破壊できればとも考えてましたが」
「信じたという言葉は勇者能力込みですね
これは俺の世界であなたと同じ名の、吸血鬼と言われた人を思い出した事でとった手です」
「ほう、興味をそそるね」
「その人は領民にはとても慕われていた人だったそうです
敵には容赦なかったようですが」
「私と重ねた?」
「あなたの接し方で多少の希望はありました、話は聞いてくれるそれだけあれば十分だった」
「最後のは博打のようで博打ではない、そういう事を幼少からやっていた為ですかね」
「なんだいその狂人の所業は?」
「競技のひとつです、これくらいの球を打つ、見えないなら見えないで
シミュレートし、練習して経験と感で打つんですよ」
「そして心臓を指定し受け入れられた、予想通りなら
動きが鈍るはずと保険もかけて」
「しかしがんばってみたものの、ダメでしたね」
「あとは再生できなくなるまで攻撃し続けるくらいしか思いつかなくて」
「もちろん攻撃をあて続ける案は実行不可能その前にこっちが終わる」
「実力差はわかっていたのに、勝てると?」
「いえ勝てる勝てないではなく、楽しもうとしたですかね?」
「超越者とのちょっとしたダンスを」
「やめてくれたまえ勇者の力でおだてるのは、それはとても効く、とても」
「あなたは強い!!」
「HAHAHA、かなわないな君には」
「完敗だよ、いや完璧なダンスだったよ勇者リュウ」
「ならまたお相手願えますか、ヴラド公?」
「簡便願いたい、こんなに疲れたのは久々でね、ひやひやしっ放しだったよ」
「俺の血でも飲みます?」
「結構血は別にいらないからね」
「じゃあ今日のは引き分けって事で、嘘を信じた詫びとして」
「そこで持ってくるかい、まあいい好きにしてくれたまえ」
「じゃあ再戦はいつか、俺にも挑戦権はあるでしょう?」
次は俺から招待しよう
「関わるんじゃなかったよ」
「一つだけアドバイスしとくがね、低級な吸血鬼にあったら
様子を見てあまりしゃべらない方がいい、彼らは短気だからね」
「覚えておきます」
「そうだ初めに渡した剣だがね、あれで斬ればそれなりに効果あったんだよ?」
「君がそっち出してね、さすがに焦っちゃったよ」
ああうん、そういう事もあったんだなぁ、だがその焦りも一役かっていたのだろう
「あとは転移魔法とはね普通望まなければ、そうそう巻き込めない
君は望んでいたのだね」
「私や賢者殿ほどだと強制はできるがね」
その後昼をご馳走になり他愛ない雑談をして、元いた場所に送られて別れた
「ホクト師匠との組み手に、ヴラドさんとの戦闘、このままじゃ限界がすぐに来るな・・・」
寝てるホクト師匠をおこし、カクカクシカジカをやって
納得してくれた所で、頭をアッーーーーされた
「こういうのも悪くないね」
確立は0%・・・
本当にそうだっただろうか、負けた時にしかわからぬだろうな
「勝つ負けるではなく楽しもうか、いくら勇者といえどそれは狂人だろう」
「HAHAHAHAHA」
いつ以来であろうこんなにも楽しい時間は
認めてしまったが為に大笑いをし、ワイングラスを傾ける超越者
「まいったねこちらの領域に連れ込んだと思っていたが
最初からあちらの領域だった、笑うしかないな」
「ふむ、ヴラドもダメかのうどうしたらいいじゃろうか」
左腕関連修正、もうひと山いれようとしましたが
ぶさいくにしかならず断念
どうしても使いたかったが速かった気もする
貴様の墓は私の手で名を刻んでやろう、安らかに眠るがよい
「俺にも挑戦権はあるでしょう」「次は俺からダンスを誘います」かで迷ったけど
ダンスって言葉を使いすぎるとオシャレ感がなくなると感じてやめ
挑戦て言葉のほうが目指してる人的に相応しいと判断




