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第12話 カラダが勝手に
「ホントに?」
「ホント」
灯台に走りながら質問する。
ここからでは反対側がみえない。
仮にもし本当ならマズいかも。反対側は昇降用のはしごや、切り欠き階段がなく、海岸は延々と急峻な崖が続いていて、灯台まわりを逆側に回り込もうにも離岸流という、沖に潮の流れが向いているので、泳ぎが得意なひとでも、逆らって泳ぎ切るのは難しいかもしれない。
護岸に到着して護岸沿いを灯台向けに走りながら海面をみると本当にひとが溺れている。
──っていうか。
「美紅ッ!」
「太陽ッ助け……」
ウソだろ……。
泳ぎ疲れて海面に沈む。ちょっとおかしい。力を抜いて立ち泳ぎをすれば、美紅ならこんな簡単に溺れるはずがないのに?
カラダが勝手に動いた。
気が付いたら、海に飛び込んでいる自分がいた。
美紅。
なッ!? だからだったのか。
足になにか絡まっている。釣り糸?
ということは、かなり大きな魚が釣れて、足に絡まった?
美紅が下に沈んでいくということは、沖に走らず根に潜るタイプの魚か……。
くそッ刃物類を持ってない。
美紅の手を引っ張り、海面に出ようとするが、かなり力が強く、浮き上がろうとするチカラよりも下に潜ろうとするチカラの方が勝ってどんどん沈んでいく。
ダメだ息が……。
──あれは?
朦朧としていく意識の中で光をみた。




