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赤ずきんと呼ばれた狩人と森の少女  作者: ariya
2章

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5.イーファ湖


 海?


 ジルケの案内の元やってきたイーファ湖をみてディルクはそう感想を漏らした。

 森の中に湖があったのは地図で把握していた。しかし、向こう岸まで見えなくなる程の大きさとは思ってもいなかったのだ。

「このあたりにも狼だけでなく水生物の化け物も出るから気を付けて」

 そうジルケが注意していると突然水面からざばっと大きな巨体が現れていた。巨大な魚で大きな口を開けていた。鳥たちは一斉に飛び上がり逃げるが、その何匹かは逃げ切れずぱくりと閉じた口の中に閉ざされた。鱗は緑色と青のコントラストの美しい色合いであった。しかし、一瞬開いた口からはぎらぎらととがった歯が見えあれと対峙するのは遠慮したいところだった。

「あー、あれは湖の主だよ。あれの狩りの邪魔さえしなければ人間には危害は加えない」

 ジルケがそう説明し、戦わずに済むことを知りディルクはほっとした。

「肝据わっていると思ったけど、主には臆病なんだな」

「そりゃねぇ………規格外の大きさで水の中だからね」

 実はディルクは泳げないのだ。そのため水上戦は避けたいところである。だが、ここでばれてしまったら後でなんと揶揄されるか知れず適当に誤魔化した。

「岩がたくさん並んでいるところによく狼が出没するんだ」

 岩陰に隠れ急に襲い掛かってくるため人はその岩周辺に近づこうとはしない。この湖も釣りのしがいがありそうであるが、主の狩りの邪魔になる為村ではここでの漁業はしない方針としているのだ。

 言われる通り岩がたくさん並んでいる場所に狼たちが棲みついていた。ディルクたちの気配を察した狼たちは牙をちらつかせ威嚇をする。

 ジルケは呪文を切りながらいつでも炎攻撃を編み出せるようにしていた。ディルクも短剣の柄から手を放そうとしない。

「ここの狼たちは用心深いな」

「そりゃ、主様といざこざ起こさずにすごせただけあって知能は他のところよりあるかもね」

 だからどう出るか注意が必要である。

 岩の間を探りながらようやく目当てのものを見つけた。スーリィ洞窟にもあった同じ陣であった。

「2つめ発見!」

 ジルケは歓喜の声をあげた。ディルクはその陣をメモ帳に書き写した。


「陣の場所は把握したんだ。早々に村に戻ろう」


 狼がいつ襲ってくるとも限らない。ディルクは警戒を怠らず村へ引き返した。

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