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魔王と勇者に好かれた者 [再修正しますm(_ _)m  作者: ヨベ キラセス
第一章 霧と監視に追われたもの
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***

「やあ」

「……おせーよ」

「おいおいそんな物言いでいいのかい?」

 霧が晴れた山で足跡でヤツだと分かったが、こちらが腕一本失ったことに対し、そいつは左腕を出血させて現れた。涼しげに。

「いやはや、まさか『魔王』と『勇者』を同時に相手にするとは思ってなかったよ。ほんと、相手が本調子じゃなくてよかった。こっちも本調子ではないからね」

「『魔王』? それなら俺もあったが」

「いやいや、あれは『魔王』なんかじゃないさ」

 言っている意味がわからない。俺は確かにあの日、髪色は若干違ったがあのガキが、俺らの魔王が「娘だ」と言っていた。

「お前、『金髪』意外に会ったか?」

「いや、ない」

『金髪』は見た事がない。長い髪と風貌の違った『青髪』の勇者は知ってるが。

「じゃあ知らないのさ。至極簡単な話だ」

 奴はクスクスと笑い、

「君が見たのは『依代』だ。『マオ』は確かに一般よりはかけ離れた力を持つが、『銀髪』と『金髪』には『勇者』、『魔王』の絶大的力を有す。それに対して、《『金髪』が具現化している時》あるいは《表に出たあと》のマオはただ《無属性》、ようはただの強化しかできないのさ」

「まて、でもあいつ剣に魔力を込めた時、色は具現化だったぞ!」

「……ほう、そりゃいいニュースだ」

 奴はさらにニヤつく。

「実は『マオ』が就任した少し前、予兆があったらしい。本来闇ですらない魔法すら黒ずんだとか」

「……近々暴走するってことか?」

「さあ、どうだか」

「おい!?」

 奴はヘラヘラ笑った。痛みをさも快感のように、傷口を撫でる。

「……誤算は二つ。そもそも魔王がこの地に降り立ったことだな」

「…もう一つは?」


 奴の言動は『はしゃぐ子供』のようだ。


「『平和ひらなご 湧磨ゆうま』と、今行動を共にしていること、かな?」

「……なぜ、あの男なんだ?」

 俺にはわからない。あの男は両極に立ち、両極に認められた、中身はただの人間。しかしこの男はどうもユウマに執着している様だ。

「あいつになんの価値がある。今見て確かに実力が跳ね上がっているが、ただ後ろに立つ『魔術師』だろ––––」

「黙れ」

 無詠唱の斬撃が俺のもう片方の腕をはねた。

「ぐ……あ…あアァァァァァア!!」

「黙れ」

 明らかに冷徹な目に変わる。またも無詠唱で両腕の痛みを消す。

「……なに、すんだよ!」

「黙れ」

 今度は口を塞がれる、魔法で。


「彼をそこらの『魔術師』でくくるな。彼は私が認めているんだ。彼の職は『魔導師』だと、認識を改めたまえ」


 そして再び無詠唱で、今度は両腕を生やし、口も動くようになった。

「…君はまだまだ私の補佐を頼むね」

 そう言い残し、霧のように霧散した。

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