戦慄 1
「ユウカ!!」
前方に笑顔の麻央が、学校裏山に向かう優華に声をかける。振り返る彼女は少しいやそうで麻央が少したじろぎ、ユウカの目は次いでカナコに向く。こころなしか獅子の影が見える。
「.........カナコ、なんで?」
「む、無理ですって!」
後方では私と、暗い顔のカナコがついてきていた。そしてユウカは私に目を合わせ、そんな私はその隣の人物に驚いた。
「あら、サトシも一緒だったのね」
「ああ、ハジメとユウマの指示でな」
と迷彩柄の防弾服と、無数の手榴弾。
サトシの異名は『人型戦車』。メインが89mm口径型『スーパーバズーカ』だが、弾の持ち歩き等を考えて今日は手榴弾をその分だけ多めに所持している。
それでもすでに半分はなくなっているようで、サバイバルナイフを右手に握られていた。
「......状況は?」
「あっちでユウマたちがいる。傘木さんいわく『元凶は山頂付近』だって」
私はユウカを見ると、彼女は頷く。
「じゃ、行こうか!」
とユウカの前に出ようとした麻央を―――。
シュッ、と『細剣』が麻央の顔すれすれに突き付けられた。
「ちょ―――」
乗り出そうとしたけど、ユウカの眼光に動けなくなる。冷徹な瞳に、氷漬けられるように。
「.........柴田くん、先行って」
「...カナコ、カスミ。先行って」
互いに促され、何とか金縛りが解けた私とカナコは渋々、サトシは気にせず先に向かって霧の中に消えた。
残ったのはユウカと二人。




