夜戦と、女子会 3
「転生者?」
「そう。『あの事件』とは別でな」
火の玉をオークに浴びせながら、拳銃で額ど真ん中を的確に狙うハジメに話す。てかこいつ、話しながら的確に狙うからこえーよ。こいつチート使いか? 『自動照準』て名前ついてそうだなチートに。
「カナコは《転生者》。そして『あの事件』の被害者たちは《召喚者》。違いわかるよな?」
「言葉のニュアンスではな。《転生》ってことは『死んで別世界で生まれ変わる』ってことでいいのか?」
「ああ、その解釈でいい。俺らはとんだバカ集団に勝手に召喚されたが、カナコは神によって転生したんだ。ようは《神の使者》だな」
実際彼女はのちに、古の《六王円卓議会》の人間、エルフ、竜族、獣族、魚族、そして魔族の王たちのまとめ役の《神子》となるが......纏まるきっかけとなった『とある議題』の解決によって現在は再び解散している。
「もっとも、神が何かって聞かれれば誰も答えられないほどに不透明だがな。事実、神崇拝側の『異端審問会』は結局世界の敵として最後は壊滅した、つもりだったしな」
「そうか。まあ大変だったんだな」
とオークを倒し続ける俺に、ハジメは弾を込めなおす。
「......しかしキリがね-な」
十数匹倒しなお、それ以上のオークが霧から現れる。
「なあユウマ、これが霧の幻って線は無いのか?」
「それ、俺もさっきから考えていた」
余りにきりがない。そして何となくだが実態を感じない。しかし奴らの腕力、握られた時の握力は本物に変わりない。だから幻覚等の霧ではないだろう。なら......。
「......さすがに疲れるな」
こんなのに手間取れば被害は増える。もう、今日中に決着をつけないと。
「......遠距離じゃ、効率なんて上がらねーか」
俺は魔法を放つのをやめた。
「......なあハジメ」
「なんだいユウマ?」
額に汗を流す色男に、俺は笑みを送る。
「魔法使いが、ほかの分野にかかわったらどうなると思うよ?」
「...は?」
撃つことを止めこちらに『?』を送るハジメをしり目に、俺は勢いよく『手を合わせた』。




