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魔王と勇者に好かれた者 [再修正しますm(_ _)m  作者: ヨベ キラセス
第一章 霧と監視に追われたもの
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夜戦と、女子会 1

「......」

「......」

「......」


「......おいユウマ、なんかカスミが困ってるんだが」

 俺としては願ったりかなったりだが、後方を見ることにする。


「......」

「......」

「......」


 うん、確かに異様だな。更識の右にマオ、そのまた右に......勇者一行最年少、僧侶の『カナコ』がいた。そういえばフルネーム聞いたことないな。

「......監視の監視、だよ。あいつ、お目付けなしでどうなるかわからねーからな。しばらくマオには更識の家に泊めることにしたんだよ」

「まあ、そうだな」

 一応昨夜のことを報告しているため、沢上は特に文句を言わない。


 ユウカから話を聞くに、どうもあの後更識個人を狙った何者かがいたといい、『マオでないマオ』が片付けたと聞く。一応本人に鎌をかけるが、嘘が得意な奴じゃないため知らないとわかった今はこれ以上かかわらないようにさせることにした。

 しかし現状更識が狙われている可能性を考えるとほっておけない。しかし優華には知った以上協力はしてもらうと逆に約束され、仕方なく麻央には「更識の監視にうってつけだから」と選考理由を告げて渋々納得させた。

 しかしこれには二重の監視をつけている。更識は意外と面倒見がよく、一度約束したことは順守する。だから麻央は力面で、そして更識には非干渉を促す役を。つまり互いを見張るような構成にする。

 だが本当に二人でうまくいくかって言うと、不安だった。


 そこで話はカナコに向く。彼女は一行の最年少ながらコミュ障ユウカ、おどおど参謀ハンサ、脳筋ギンキをうまく仲を取り持った少女だ。社交性の高さはだれもが認め、今回の件もユウカが推薦してくれたほどだ。

 さっそくカナコには、年齢を偽っているがB組に転入してもらい、今日こうして一緒にいる。

 手続き? ......そういえば言わなかったが、二人とも別々に『お嬢様』だ。


 優華は『幸畑製薬』を、優華たち一行メンバーや、一緒に来た王都の騎士や農民が働いて、現在は業界トップの利益を誇る。ま、ポーションを薄めるだけで医療界隈では革新的薬品になるのだから当たり前だ。

 そしてその中心にはカナコがいた。彼女は僧侶であり......。


 とにもかくにも、提供する技術や商品は今、他の人が担当していて手が空いていたため頼んでみたが、彼女自身乗り気だったのでトントンで進んでいく。

 学校側はというと、実は金や権力で入ろうとしても門前払いされると聞かされていて、俺を学校に誘ってきたときのアドレスにダメもとで送ると、なんかあっさり入れた。丑三つ時だったのに。



 そして今日、『謎の美少女』で学校内は湧きたち、下校時まで人だかりがあったのを覚えている。

 そして今、麻央と一緒に歩いているのだから注目は上がることで、まあ頑張ってほしい。

 それにしてもだが、どうしてか前を歩く俺に視線が二つ感じる。ジト目で、麻央と更識の強い視線が。

 やめろって、カナコ困ってるじゃんか。


「......ぶ~~」

「きょうび聞かんなそれ」

「あなたのもね」

 と分かれ道に立つ俺たちはそれぞれ分かれるが、麻央がまだ何か言いたげだ。

「......明日、弁当多めに作っとくよ」

「......一声」

 どこで覚えた? 俺は麻央が納得する材料を考え、

「...デザートにゼリー」

「もう一声」

「バイト変わる」

「困るから別」

 バイト減って困るって、こいつもお嬢様のくせに。

「...一回だけ、あくまで健全に、一緒に寝てやる」

「じゃあねユウマ! また明日!!」

 アイツ超はしゃいで帰りやがった!? しまった失敗した!!

「......ハァ、行くか」

「...ユウマって、他の男子に刺されないか心配だよ」

 このイケメンには言われたくないと思いつつ、

「刺されるより生きて喰われるほうが痛いぞ。気を引き締めろよ」

「ああ、わかってるさ」

 と咄嗟に構えられるようにポケットに突っ込み、右手に拳銃を握った沢上が、映えそうな怒りの無表情で歩く。

「まったく迷惑だな。お前にはしばらく休むバイトの埋め合わせをさせるからな」

「ああ構わないさ......カスミがこれ以上危ないことをしなければ」

 どうやら見誤ってたかもしれないな。俺は柴田はともかく更識が一番おっかないと思ったが、こりゃ下手すると沢上が一番危険かもしれない。

 ひとまずギンキとルシファー、その仲間に優華、柴田が巡回している。

「拳銃なら目を狙え。顔ならある程度魔法関係なくきくからな」

「...ああ」

「そして深追いするな。スマホで近い奴につながるからそいつ来るまで逃げろ」

「わかってる」

 柴田にも告げた二つの忠告を終えると、太陽が沈んでいた。



 長い夜が始まりそうだ、そう誰もが思ったことだろう。

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