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魔王と勇者に好かれた者 [再修正しますm(_ _)m  作者: ヨベ キラセス
第一章 霧と監視に追われたもの
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霧中 3

「よっ、だいぶ派手にやられたんだな」

 スーツをボロボロにした彼女に声をかける。凛とした立ち振る舞いが、先程の怪我を完治させているのをアピールしているようだ。

「は、そのままくたばればよかったのにな」

「ふん、貴様には言われたくない」

 後方のギンキもかなり派手にやられていたが、負ける状態ではなかったし、今は彼女同様完治している。

「全く、お前ら連携しろよ……やれば楽勝だったろ?」

「「いやだね(ですね)」」

 見事にハモった二人は互いを見つめ、そっぽ向く。

「……で、更識はどうした?」

「帰しましたよ、話終わってすぐに。この地の人間には荷が重いでしょうから」

「追加情報は?」

「……首謀者はこちら側、それもこの地に『転生』したと言っています」

「マジか。俺着いた時にはもういなかったんだよなー」

「それと、『リーフ・ベイン』が暗躍していると––––」


 と顔を上げて言葉を失った。あのギンキさえ後退りするほどに、その『気』は重く、黒く、暗く……。


「……アイツもこっちにいるってことか?」


「はい……確実に」

「ああ、俺も見た……」

 彼の表情を見ることもできず再び頭を下げる。おそらくかなり恐ろしいことだろう。汗が流れ、息がし難くい。

 それほどまでに『リーフ』はユウマの逆鱗に触れすぎた唯一の人間なのだから。


「……わかった。悪い取り乱して」

 その『気』を発した彼は我に返り、ようやく再び上げた目に映すのは、いつも通りの彼の澄まし顔だった。

「よし、ひとまず首謀者の確保を第一の目標にしよう。お前ら顔見てんだから、写真とか身辺調査は任せていいのか?」

「はい、そこは問題ありません」

「ああ、俺もだ。だがいいのか? ユウカ達には知らせなくて」

 すると、去るように歩き出した彼が無表情で振り返る。

「……アイツらは関わらせるな。約束守れないなら頼らない」

「……分かってるって。だから頼ってくれ」

「おう、ちょー頼りにしてるぜ!」

 とニヤッと笑った彼は河川を後にした。



 彼が頼らなくなる、それが恐ろしいことを知っている。彼は何でも一人でこなすことができる、基本やらないだけで。

 一度だけ、彼は誰にも頼らないで一人で世界を敵にした男だ。そしてその結果……二人の少女が涙を流した。

「……もう、マオ様を泣かせないためにも」

「……ああ、そこは確実に利害が一致するよ」

 もう見えない彼の背中を見つめ、今再び現れた黒幕に、怒りを堪えきれずにいた。

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