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コール・マイ・ネーム  作者: 大原英一
第3章 ラッシュからのー?
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 上空にいるタキオカが突然振り返った。と同時に発光した。

 一瞬なにが起きたか、わからなかった。気づけば地面のあちこちが割れ、白煙をあげていた。 

 ある程度視界がクリアになったと思ったら、少し離れた場所でアスカさんが倒れていた。アタシは急いで駆け寄った。

「に、逃げて……早く」

 彼女は息も絶え絶えだった。どうして……なぜ、こんなことに。


「バカな女です」

 見上げると、すぐ近くにタキオカがいた。

「その女は、ただのコソ泥ですよ」彼は続けた。「貴女がこれから手に入れようとしているものを、横取りするつもりだったんです」

「タキオカさん、彼女の存在に気づいてたの?」

「いいえ」

 彼は鼻で笑った。腹立つわー。

「コソ泥の姿がいま見えたから、撃退したまでです」

 すると途中までは見えてなかったということか。そんなアタシの考えを見透かしたように彼は言った。

「どんな小賢しい手をつかったかしりませんが、ここら一帯ではすべて無効です」

「じゃあ、ここが……」

 彼はわざとらしく手を広げて言った。

「ようこそ、デモンズ・アイへ」


「タキオカさん、あなたの目的は何なの」

 彼はニヤニヤしながら答えた。

「人材派遣ですよ」

「どういうこと?」

「人材を教育し、魔界へ送る。それがオレの仕事です」

「なんでアタシが……」

「さてそれは。調達したのはオレじゃありません、オオカワさんです」

 オオカワという男はいったい何なの? タキオカともアスカさんとも繋がっている。だがタキオカとアスカさんは対立しているようだ。

 考えを整理している暇はなかった。とりあえず意思表示をしなければ。

「イヤです。アタシは悪魔になんか、なりません」

「もう遅いですよ。周りを見てください」

 思わず息をのんだ。いつの間にやら、ものすごい数のモンスターたちが周囲をおおっていた。


怪物ヤツらが貴女を、このデモンズ・アイの中心へと押し込んでくれるでしょう……ぐっ、」

 突然タキオカの身体がのけ反った。見ると、彼の額に何かが刺さっている。

 鏡だった。さっきアスカさんが見せてくれた、カード状の。ということは……

 振り返ると、満身創痍の彼女が立っていた。あの状態からタキオカに一矢報いたのか。


「いくよ、舞っちんぐ……」

「その怪我で?」

「いましか、ない」

 耳をつんざくようなタキオカの咆哮。急所を突かれた彼は、無暗に周囲を攻撃している。ついに悪魔の本性が現われたらしい。

 無数のモンスターたちが迫りくるなか、アスカさんがアタシの腕をつかんだ。そのままジャイアント・スウィングよろしく回転しはじめた。

 ものすごい回転だ。アタシの足先に触れた十数体のモンスターが吹き飛んだ。

「アスカさん、ありがとう」

「がんばって逃げるのよ。じゃあね」

 彼女の表情は痛々しかったが、美しかった。

 彼女が手を離すと、アタシのからだはデモンズ・アイから遠ざかって行った。

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