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コール・マイ・ネーム  作者: 大原英一
第3章 ラッシュからのー?
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「そろそろ本題に入るよ。あなたはいま、ある場所へ向かっている。あの男が誘導している」

「タキオカさんのこと?」

「そう。あの男にはいま、アタシが見えていない。声も聞こえていない。ある術をつかってヤツの監視から逃れているの」

 ふと上空のタキオカを見た。たしかに様子がヘンだ。こちらを振り返ろうともしない。

 近くにこんなセクシー・ダイナマイトな女性がいたら、真っ先に寄ってきそうなものだ。もちろんアタシじゃない。アタシと併走するアスカさんのことだ。


「あの男の目的は、あなたをデモンズ・アイへ誘導すること」

「……どこって?」

「デモンズ・アイ。とてつもない霊力がはたらくと言われる場所よ。マジで千体ものモンスターが寄ってくるでしょうね」

「アタシを襲わせる、ってことですか」

「まあね。そうしてあなたの眠っている力を呼び覚まそうとしている。あなたを立派な悪魔に仕立てようと」

 俄かには信じられない。が、このヘンな世界へきてから、はじめて胸騒ぎがした。


「それを信じろと?」

「証拠をみせるわ」

 そう言ってアスカさんは指を弾いた。見ると彼女はカードのようなものを持っていた。まるで手品みたいだ。

「鏡よ。自分の顔をごらんなさい」

 アタシはおそるおそる、彼女がかざしているカード状のものを覗いた。鏡にはこれまで、さんざん裏切られている。


 そこに映っているのは紛れもなくアタシの顔だった。が、多少変化していた。どうして今まで気づかなかったのか。額にオデキみたいなものが、できていた。

 あわてて額に触れようとするアタシをアスカさんが制した。

「触っちゃダメ。下手に刺激するとマズいわ」

 アタシはちょっと泣きそうになった。

「これって例の、第三の目ですか……」

「アタシの言うことを聞いて。ヤツと同類になりたくなかったら」

 アスカさんの表情は真剣だった。

「時間がないから一度しか言わないよ。デモンズ・アイという場所は、中心部へ近づくにしたがって霊力が増しているの。ヤツの狙いは、まさにその中心へとあなたを引き込むこと。対するアタシの作戦は、こう。あなたの代わりにアタシが中心部へ入る」


「そんなことしたら、アスカさんが狙われるじゃないですか」

「心配してくれるのは、ありがたいけど、あなたを中心部へ近づけるわけにはいかないの。覚醒されたら元も子もないわ」

「アタシはどうすれば……」

「アタシがあなたをブン投げる」

「えっ」

「ハンマー投げの要領ね。中心からできるだけ遠ざける、だから、あなたはそこから、さらに遠くへ逃げるのよ」

「タキオカさんが追ってきます、きっと」

「できるだけヤツを食い止めるつもりだけど、その後の面倒までは見れないわ」


「タキオカさんと戦うつもりですか」

 アスカさんは頷いた。

「ヤツはデモンズ・アイに賭けている。邪魔しようとするアタシを全力で排除するはず」

 しばらく黙ったあとでアタシは聞いた。

「デモンズ・アイまで、あとどれくらいですか」

「地形からして、もうすぐのはず。アタシも実際にきたのは初だからね。ポイントが近づいたらきっとヤツはあなたに接触してくる、とアタシは睨んでいる。それか、なにかしらの兆候があなたに……」

 異変が起きたのは、まさにそのときだった。

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