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エデン外伝  作者: ko-da
『戦いの後始末』

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9/12

攻略法

地面を転がったエデンは、なんとか顔を上げた。

全身に鈍い痛みが走る。リミットナイトで防御したおかげで致命的な一撃は免れたものの、先ほどの攻撃は想像以上に重かった。

「くっ……!」

エデンは起き上がろうとした。

だが、身体が動かない。

先ほどと同じだった。手足に力を込めても、身体はまるで石になったかのように動かなかった。

(やっぱり動けない……! このままじゃ……!)

顔を上げると、エイリエアがすぐそこまで迫っていた。

長い胴体をうねらせ、無数の腕を地面につきながら、エデンへと近づいてくる。目を覆っていた手は引き剥がされたままで、露出した目が真っすぐにエデンを捉えていた。

「敵……いる……!」

エイリエアが叫ぶ。

一本の腕が振り上げられた。

エデンは動けない。避けることもできず、ただ迫りくる攻撃を見つめるしかなかった。

(どうすればいい……!)

そのとき、頭の中にケイの声が響いた。

『リミットナイトで防御し続けるしかないだろう……』

エデンは歯を食いしばった。

『動きを封じるとは、厄介な力だ』

ケイの言う通りだった。身体の自由を奪われる。しかも、相手が攻撃してくる間も、その拘束は解けない。

相手の能力が続く限り、エデンは防御することしかできないのか。

そんな考えが頭をよぎった瞬間、エイリエアの身体に変化が起きた。

「……?」

エイリエアの顔を見つめていたエデンは、その異変に気づいた。

引き剥がされたはずの、目を覆っていた手。

その付け根から、新たな手がゆっくりと形作られ始めていた。

指が伸び、手のひらが形成され、やがて元の形を取り戻していく。再生した手は顔の前へと移動し、露出していた目を再び覆い隠した。

その瞬間だった。

「……動ける!」

エデンの身体に自由が戻った。

指先が動く。腕に力が入る。地面を踏みしめる足にも、ようやく感覚が戻ってきた。

エイリエアの目が隠されたことで、能力の効果が途切れたのだろうか。

詳しい仕組みは分からない。だが、今は考えている暇などなかった。

エイリエアの腕が、再びエデンへと迫っていた。

「間に合え……!」

エデンは即座に能力を切り替えた。

全身を覆っていた黒い鎧が消え去る。

リミットナイトを解除すると同時に、エデンはリミットフォースを発動した。

身体の内側から力が湧き上がる。

迫りくる腕が、目の前まで迫っていた。

エデンは拳を握りしめ、真正面から踏み込んだ。

「うおおおおっ!」

拳が腕を捉える。

次の瞬間、凄まじい衝撃が森に響き渡った。

リミットフォースによって強化された一撃が、エイリエアの腕を打ち砕いた。

破壊された腕が力を失い、エイリエアの身体が大きくよろめく。

「グアアアアアッ!!」

絶叫が森の中に響き渡った。

エデンは拳を引き、すぐさま距離を取る。

身体の自由を取り戻したとはいえ、まだ状況は危険なままだ。エイリエアの目が再び露出すれば、また動きを封じられる可能性がある。

エデンは相手の顔を警戒しながら、構えを取り直した。

(目を隠している間なら、動ける……!)

まだ確証はない。それでも、今の現象から考えれば、そう判断するしかなかった。

エイリエアは失った腕の方へ身体をよじらせながら、残された無数の腕を動かしている。

「敵……敵……!」

その声を聞きながら、エデンは拳に力を込めた。

ここで倒れれば、次はない。相手の能力を見極め、突破口を見つけなければならない。

エデンは迫りくるエイリエアを見据え、再び戦闘態勢に入った。

エイリエアは、破壊された腕を震わせながら、残された腕を動かしていた。

「敵……いる……!」

その声とともに、顔を覆っていた手が再び動き始める。

別の腕が手首を掴み、無理やり引き剥がそうとしていた。

エデンはその動きを見て、すぐに身構えた。

(また目を出すつもりか……!)

先ほどと同じことが起きれば、再び身体の自由を奪われる。リミットナイトで攻撃を防ぐことはできても、動けない状態では反撃の機会を失ってしまう。

どうすればいい。そう考えた直後、エデンの目の前を何かが横切った。

硬い音を立てて、地面に鉄の板が突き立った。

「……え?」

突然のことに、エデンは一瞬だけ目を丸くした。鉄の板はエデンの身体を覆い隠すほどの大きさがあり、エイリエアとの間を遮るように立っていた。

エデンが横を見ると、そこにはドロイがいた。ドロイはエイリエアを警戒しながら、エデンへ向かって声を張り上げる。

「エデンさん! おそらく、やつは目で見ている間、相手の動きを封じる能力を持っています!」

エデンは鉄の板とエイリエアを交互に見た。

「目で見ている間……?」


「はい! 先ほど私たちも、あの目が露出した瞬間に動けなくなりました。しかし、やつの視線を遮れば、能力の影響を受けずに済むはずです!」

ドロイは自分の前にも鉄の板を立てていた。

鉄鋼製作によって作り出した板が、エイリエアの視線を遮る壁となっている。ドロイはその陰から様子をうかがい、エイリエアの動きに注意を払っていた。

少し離れた場所では、亜爆と亜炭も木の幹の後ろに身を隠していた。二人ともエイリエアの顔を直接見ないよう、木を盾にしている。

「なるほど……!」

エデンは状況を理解した。

エイリエアの目が露出したとき、自分たちは一斉に動けなくなった。そして、目を覆う手が再生した途端、再び身体を動かせるようになった。

さらに、今は鉄の板に身を隠している。

少なくとも、視線を遮ることが対策になる可能性は高い。

「助かりました、ドロイさん!」

エデンは鉄の板の陰から声を返した。

「いえ!まだ確実とは言い切れません。くれぐれも気を付けてください!」


「分かりました!」

エデンは板の陰で拳を握り直した。

先ほどまでは、目を露出されるだけで身動きが取れなくなっていた。だが、視線を遮ることができれば、少なくとも一方的に攻撃される状況は避けられるかもしれない。

エイリエアは、打ち砕かれた腕を再生しつつ、なおも顔を覆う手を引き剥がそうともがいていた。

「敵……どこ……!」

その声が森に響く。

エデンは鉄の板越しに相手の気配を探りながら、次の行動を考えた。

今度こそ、あの厄介な能力を突破する。

そのためには、ドロイたちと連携して攻撃の機会を作る必要があった。

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