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愛おしい記憶 -07

ーーーーーーーーーーーーーーー

そんな日々が続く中、いつものように屋敷を抜け出していた時、嫌な話が耳に飛び込んできた。


「──あぁ、まただろ?」


「ここらにも来てるらしいぜ。族共はこの町には入って来れないと思ったんだがな。」


思わず立ち止まり、人々が立ち話をする内容に耳を傾ける。


「金目的か?」


「どうだか…。どうも子供ばかり狙ってるらしい。」


「うちのやつにも言い聞かせないとなぁ。」


ひやりと背筋に冷たいものが流れる。自分たちには関係ないことだと一蹴してしまえたらどんなに良かったか。





──その鉢合わせは思ったよりも早くやってきた。


「ずいぶんと見目がいいな。」


近道をしようといつも通る通りを1本挟んだ小道を足早にかけていた時、行く手を阻むように男たちが立ち塞がる。


「最近ここらでよく見かけるぜ。毛色が違うから一発でわかる。。」


「…何が目的だ。」


じりりと身体を後退させて距離を取る。


「大それたもんじゃねえよ。ただちょーっと俺たちの生活の足しになってもらうだけだ。」


2人の男はにやにやとした笑みを浮かべながら交互に話す。男たちの身なりからするに、先日町の人が話していた賊だろう。


ラウドは1人で逃げおおせる自信があった。


中等部に上がる前とはいえ、剣の扱いはその辺の大人たちよりも上手かったし、実際男たちの見た目からもあまり俊敏な動きが得意ではないのも見て取れた。



─しかし、男たちが次に告げた言葉に意識が全て持っていかれた。


「あぁもうひとり良さそうなのがいるよな?髪の長い、目のでけぇガキが。」


「いい表情するよな。変態共が喜びそうな面してる。友達か?」


「…手ぇだすな。」


喉の奥から自分でも信じられないほど低い声が出る。特徴から男たちがバレッタのことを言っているのは明白だった。頭が沸騰しそうなほどグラグラと熱くなる。


「おぉ怖ぇ怖ぇ。ま、今日のところはお前一人で十分だ!!」


飛び出してきた男たちの手を払い除けて、跨ぐらを潜り背中から蹴りを入れる。


でかい図体の男たちはそれだけで前に詰んのめりそうになり、たたらを踏む。


「おい、ふざけやがって!!」


「…っ!!」


男ががむしゃらに振りかざした刃が頬をかすめ、ちりっと痛みが走る。


しかしそのまま目の前にあったバケツや簡易棚をなぎ倒し、通路を塞いでいく。


「くそっ!!逃げやがった!!」


背後で男たちが吠える。


すぐにその場を立ちさればいい─だが、塞いだ物を退けてこちらに向かってこようとする男たちの顔をじっくりと見つめる。─絶対にこの顔を忘れるものか。


後ずさりながら、男たちの顔の特徴をしっかりと頭に焼き付けて、ラウドはそのままたまり場へと向かった。


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