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愛おしい記憶 -05


「ラス!やっと来た!はやくはやく!」


「わっ!ちょっと!!」


たまり場に行くと、既にルートやバレッタ達が集まっていた。バレッタがラウドの手を引いて中に促す。


「へぇ、あなたがラスね。私はリナ!」


「よろしく、リナ。」


「ほらほら!今日は時間が無いの!ラスも早く手伝って!」


リナと言われた少女が大量の花を片手に抱えながら挨拶をしているあいだに、バレッタは右に左に駆け回りみんなに花を配っている。


「はい!これはラスの分!お祭りまでにみんなお花を準備するから今日のうちに売っちゃいましょ!」


バレッタから手渡されたのは青い小さな花弁が集まった美しい花だ。


「お祭りって、みんな花を買うの?」


「うん、大切な人にお花をあげるためにね。みんな交換するのよ。」


そう言ってにっこりと笑うバレッタはピンクの花束を片手に楽しそうに言う。


ふわりと揺れた髪と花のコントラストがとても綺麗だった。


「ウチは花屋なの。いつもバレッタはこうして手伝ってくれるからうちの親は大助かり。」


リナも笑って言う。


「これでまたクッキーを作ろう!今日中に売り切れば間に合うもの!」


気合を入れたバレッタの掛け声に集まった子供たちが次々に声を出し、それぞれに散っていく。


「12時過ぎまで街を歩いて、戻ってきたらみんなでお昼を食べましょ!」


無意識にその姿を目で追いかけていたことに、バレッタと目が合いハッと気がつく。


にこりと笑った笑顔がまぶしい。花を抱え直したバレッタは手を振り去っていく。


1人残されたラウドも周囲の子供たちと同じようにたまり場から出て花を売る。


最初はおっかなびっくりだった接客も、花を求める町の人々と会話をしていくうちに板に着いてくる。


(こんなにも素敵な町だったんだな。)


花を片手に手を振り去っていく客に、おずおずと振った手を中途半端な位置で彷徨わせながらラウドは思う。


はじめて知るこの町の側面に、ラウドの心は高なっていた。




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