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分岐した道の先で -08
その全てが嘘だったとは思えない、思いたくない。
「だったらなんなんだよ!…いいじゃないか!少しくらい俺が幸せになって何が悪い!!」
「だからその叶え方を考えなさいと言っているの!!」
「うるさい!お前に関係ないだろ!!」
「関係あるわ!!どれだけあなたに怖い思いをさせられたと思ってるの!!それにビビを殴ったことだって許さない!!!」
2人の激しい応酬に周囲はぽかんと口を開けて見つめる。
何度か応酬を繰り返し、ハアハアと荒い息を吐いて双方が口を噤むと、周囲は水を打ったように静まり返った。
(しまった、)
ようやく周囲の状況を把握し、バレッタはサッと血の気が引く。
ラウドの前でさえこんなに声を荒らげて話したことは無い。
「ふっ……!」
しかし、おろおろとするバレッタをみて小さな笑い声が聞こえた。
──声の主を振り返ると、それはラウドだった。
口元を片手で抑え、立てた膝に腕を置きながら体を揺らしている。
「ははっ!そうか、そうだった!!!!」
ラウドの笑い声は徐々に大きくなり、1人空気を壊すように声を響かせる。
「ラ、ラウド様…?」
バレッタがおずおずと話しかけると、ラウドは浮かんだ涙を拭いながらわらう。
──そして、
「あぁ、君はそういう子だったねバレッタ。」
そう言って、綺麗な顔に幼げな笑みを浮かべて微笑んだ。




