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正しい答え -03


急く足を、できるだけ音を立てないように早足で進みながら広場の横の小道を抜けて先を急ぐ。


──と、視界の片隅にラウドが談笑しているのが目に入った。思わず足が止まる。


ラウドにも一言伝えた方が良いだろう。そう思い前を走るマルクに声をかける。


「待って、ラウド様に一言お伝えしなきゃ。」


しかしマルクは足を止めることなく言う。


「旦那様にはのちほど私から伝えておきます!」


急かすように言いながらバレッタの腕を引く。その力は妙に強かった。


「ちょっと、マルク…。」


「急いで!!」


半分引きずられるような姿勢で馬車止めまで向かいながら、バレッタはふと気づいた。周囲は既にパーティーが始まっているせいか、人の気配がない。


「…ねえ、マルク、どうしてイリスは一緒じゃないの?」


「イリス様は手が離せないようです。私がご案内します。」


「でも…。」


なおもたたらを踏むように引っ張る腕に、ようやく違和感を抱く。



(おかしい。)



「ねえ、あなたトラッド家の執事よね?なぜあなた以外の従者はいないの?」


ビビも違和感に気がついたようだ。立ち止まり訝しげにマルクに問いかける。


「……。」


マルクは歩みをピタリと止めたが何も発しない。


「ねえ、ちょっとマルク?」


窺い知ることができないマルクの顔を覗き込もうと、正面に回りこもうとした瞬間、くるりとマルクが振り返り、そのまま掴んだ手を引き寄せるようにして、口元に布を押し当てられる。


すぐに甘い、強烈な匂いが鼻腔を擽る。


「っ…!」


振り払うようにして身体をねじるが、バレッタより頭一つ分以上高い男の力には敵わない。そのうちにくらりと意識が飛びかける。


「きゃっ…」


小さな叫び声に必死に後ろを振り返ると別の男が背後から襲い掛かり、ビビが頭を押さえて倒れているのが見えた。


「ビビ…!!」


大声を上げようとして、腹部に強い刺激が走ったかと思うと、そのまま意識は暗闇の中へと落ちていった。



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