第5話 <ウサギヒト族の里>
ウサギヒト族の里でのお話です。
獣人国に入って何日目かの夕方、
ネコヒト族の里で雑貨小物店に寄った後、曇天の中での移動を急ぎ、途中に遅めの昼休憩を挟みつつウサギヒト族の里に到着。
今夜も宿は自分達で探すからと断り、トラ車ギルド ウサギヒト族の里支店の前で解散した。
まだ夕食を取るには若干 早いし昼が遅かったからお腹は空いていないので街中をぶらぶらすることにした。服飾系を得意とする種族なだけあってそういった店が多く立ち並ぶ。
商人魂が疼くのかここでもフェルナンドが時々ふらっと店に立ち寄り商品を物色し戻ってくる。
女性陣、というよりナディアもディスプレイされている商品の前で立ち止まるから後ほど合流すれば良いかと判断しイヴァンを護衛に付けて別行動することにした。
残ったメンバーは喉が渇いたからたまに見かける飲食店で果実水が売っていたので購入。
一緒にフルーツジャムやフルーツピクルス、フルーツゼリー、ヴィーガンクッキーなども売られていたので購入し休憩スポットの広場で果実水を飲みながらクッキーを摘みまったりする。
セレーナが一緒のためアナスタシオ語で会話する。
L「お、このクッキー割りといけるな。」
T「果実水もたまにはいいな。すっきり爽やかな飲み心地だ。」
ゼリーを食べるセレーナに
L「美味いか?」
S「ああ、果物の味が濃くて美味しい」
シルビーも果実水をのんで満足そうだ。
その頃フェルナンドは
王国では見掛けない布地や小物、革製品を物色していくつかの店をまわり購入していた。
F(こうゆうタイプの柄の布地は王国にないよねー。小物も可愛い柄のからシンプルな柄、個性的な柄もあるし。幾つか買って商会に送るか。
あ、同じ小物でもさっきの店のが布地の色使いがいいのあったな。戻るか)
また別の店では、
F(お、この革製品カッコいいじゃーん。これ買って使おう。こっちの商品はメンズやカッコいい女性向けな感じでいいね。商会行きで。)
と、心の中でおしゃべりしながら購入する物を選んでいく。
一方、イヴァンは妹ナディアに連れ回されていた。
N「可愛い服がいっぱい!買いたいけど私には小さいから残念だわ」
それもそのはず。ウサギヒト族の女性の平均身長は120〜140cmである。162cmの レオーネには小さい。
N「きゃー、このポーチ可愛い!買っちゃおうかしら?でもあっちのも可愛いし、さっき見かけたハンカチやブックカバーも良かったし、この鞄も可愛い。シュシュも可愛いのあったしどれにしようか迷っちゃう!」
I「おい、素が丸出しだぞ」
N「いいじゃない、今 兄さんしか一緒にいないし」
I「ふっ、帝国の自宅で暮らしてたミーハーで明るい頃のナディアみたいだな、良かった。」
N「王国の方達が良くしてくれてるお陰だわ」
I「そうだな。俺も気持ち楽になったし、セレーナ様も少しずつ表情 豊かになって自分を取り戻しつつあるように見える。」
N「父上は大丈夫かしら?」
I「皇族の動きは気になるがきっと大丈夫さ。
ジョナス様なら無事コンパクトミラーを渡して下さる。そしたらまた父上と会話も出来るよ」
N「そうね」
商品を見ては悩みながらもその後ナディアは結局、財布の中身が許す限り幾つもの商品を購入した。
I「買い過ぎ(苦笑)」
N「だって後になってやっぱり買えば良かったって後悔したくないじゃない」
兄妹 水要らずの会話を挟みつつ買い物を楽しんだ。
*○*○*
それぞれの過ごし方をしたのち合流して今夜の宿を出す場所を探す。
中心地から離れ民家も少なくなったあたりでツリーハウスを出し中に入る。
夕食は肉が続いてるから魚介類が食べたいとなり、魚のムニエルと海鮮焼き、ガーリックバターを塗ったバゲット。
食べ終えてそれぞれシャワーも済ませた後、
今夜もセニート語講座をする。
お浚いをしてから童話を1話分読んでみる。
セレーナは勉強熱心で準備したノートに分からない単語を質問しながら先日のように、
絵→アナスタシオ語→セニート語で書いていく。
1時間以上かけて1話分読み上げたセレーナは満足気な様子だ。
その後 各々 思うように過ごして就寝した。
〜☀︎☆☀︎☆☀︎〜
朝、準備を済ませてトラ車ギルドへ向かう。
近くでは朝一が行われていて、大人が商品陳列や接客してる中、子供達が呼び込みをしている。
果実水を気に入ったセレーナと昨日は飲んでいない ナディアが買いに行きシルビーがさりげなく着いて行く。
全員が揃ったところでトラ車の前で今日の予定の打ち合わせをする。
布や革製品の製造しているところを見たいといい出したフェルナンドにナディアも話に乗り出すが、ウサギヒト族の作る商品は各自で布地を商品化させるか仲間寄りで連携や契約し作業工程別に商品化させているので生産工場があるわけではないらしい。
F「わーお!だからプリント生地が無いのかー。」
N「すごい!糸を紡いで製織し生地にして染色してから漸く縫って商品にしていってるのね。だから同じようでも少しずつ色やデザインが違って暖かみのあるものばかりだったんだわ。」
F「これは親父 案件だな。あの人、なんだかんだでスケジュールに追われて獣人国にはトラヒト族とクマヒト族の里にしか行ったことがないらしいし。自分が行ったこと無いとこに部下だけ行くのは狡い!って派遣すらしてないし。すげー勿体ねーことしてるー!昨日 買った商品と手紙を添えて早く送っとこ。ウサギヒト族と絶対 契約 取りたがる!」
L「ふーん、そんな力説することなのか?」
F.N「「することだよ(なの)!」」
L「お、おぅ」
F「あのねー、ルーカス。今どき手作業で糸から作るとこ王国にないよ!糸も生地も裁縫もぜーんぶ機械化させてるから!」
N「見て!このハンカチ!糸から手作りするから20日から一月はかかるわ!」
ルーカスはタジタジになり、
T「なんか2人、息ぴったりだな(苦笑)」
I「…言えてる」
「えー、ごほん。そういう訳でして技術秘匿もあるでしょうしご紹介出来ないのです。すみません」
N「いえ!その…こちらこそ何か熱くなっちゃいました。すみません」
F「事情は解ったから次の工程に行こう。」
そんな感じで話が進み各々トラ車に乗り込んで次の目的地であるトリヒト族の里に向けて出発するのだった。
お読みいただきありがとうございます。




