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ステルラ  作者: 智織
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第3章 風柱 編 第1話 <獣人国、入国>

第三章 風柱編スタートとなります。

よろしくお願いします。

ミリーネポール州知事邸で一晩お世話になった翌日、獣人国へ入国するため国境線のある森が存在する東町の冒険者ギルドでギルドマスターの話を聞いた後モーテルで一泊し、森の入り口に来た。


〜☀︎☆☀︎☆☀︎〜


いざ森の中へ。

整備された道を2キロほど歩くとミリーネポール州知事婦人であるアリーヤ伯母さんが焦土化した国境線のところまで来た。

建屋が両サイドにあり真ん中にはゲート。そこ以外は国境線に沿って壁が築かれている。


ゲートや壁に沿って所々に警備兵がいる。

出入国の手続きをして国境線を踏み越え更に2キロほど獣人国側にある森を徒歩で抜けると時刻は昼時ということで、まずは腹拵え。


トラヒト族の里の最初の町をぶらつき飲食店を探す。店といっても屋台っぽい出店が多く近くには飲食 出来るように幾つもの簡易的なテーブルや椅子が設置されている。そこで一際 賑わっているお店を発見した。


肉の焼ける香ばしい匂いが漂ってくる。

店近くのテーブルでは昼間から酒を飲み美味そうに串焼き肉を味わっているトラヒト族を見て、何の肉を食べているのか気になったので店の前までいってみると店主が


「ん?何だ兄ちゃん達。人族が何用だ?」

L「いや、俺達 旅してて、さっき入国したばかりで先ずは腹拵えと思って前を通りかかったらいい匂いがして何の肉を焼いてんのか気になったんだ」

「何だ、そうゆうことか。じゃあ一度食ってみろよ。これはシカこっちはイノシシでこれはガウル(野生牛)人族でいうジビエってやつだ。」

L「おっ、じゃあ1人各種1本ずつの計21本くれよ。」

「今からやくからそっちの席で待ちな」


通貨はフィラも使えるらしが、入国手続きの時に両替して獣人国内で共通に使われている通貨で支払いをした。


近くの席で酒盛りしてる3人組のトラヒト族が

「おい人族。旅してるって聞こえたけど何処まで行く予定なんだ?」

L「獣人国の各国を周ろうと思っている」

T「トラ車を手配したいんだが、何処に行けばいいか分かるか?」


F「あっ、出来たら景色の良いお薦めの場所もあったら教えてくれる案内人も紹介してほしいなー。」

「そうか。じゃお前達がメシ食ったらトラ車ギルドまで案内してやらー」

F「わお、助かるー」

以外にもセニート語が通じる。


L「串焼きのおっちゃん、こっちの席の人達に今 飲んでる酒一杯ずつ追加で支払いは俺たちで。」

「兄ちゃん分かってるじゃねーか、がははは」

などの話をしていると

「肉、焼けたぜー」

と声がかかり、実食。


L「先ずはやっぱ食べ慣れてる牛(ガウル)からか?……もぐもぐ、何か噛みごたえすげーな。でも美味い」

F「だよねー、肉食べてるー!って感じー」

N「味付けのバランスもいいわねー」

I「こっちのイノシシ肉も絡んでるスパイスソースが臭みを取ってて美味い。」

T「シカの薄切り肉焼きもタレのバランスが絶妙だな。」


ルーカスはセレーナに分るようにセニート語のゆっくりな言い方で

L「肉、どう?美味い?」

S「……もぐもぐ、美味い」

とセニート語で返事をした。

意味が通じたと分るようにルーカスは親指を立ててセレーナも立てる。


F「おぉー、セレーナちゃんのセニート語始めて聞いたー。記念に一枚、撮りまーす」

とカメラを構えてる。

セレーナはフェルナンドの言葉が早くて聞き取れなかったが、しぐさで写真を撮ることは分かりカメラの方へ顔を向ける。

F「はいチーズ!いいねー」




肉を味わったランチを終わらせてトラヒト族にトラ車ギルドまで案内してもらう。


先程の店からそれほど離れてない場所にありトラヒト族と一緒にギルドに入って行く。

獣人族やドワーフ、エルフなどの亜人族にはそれぞれの言語があるが世界共通語でもあるセニート語を話せる者も中にはいるらしい。


受付まで行き案内してくれたトラヒト族が受付嬢に

「よぉ、お疲れさん。こっちの人族が我等 獣人国を一周りしたいんだとよ。二台ほど準備出来るか?」


「分かったわ。こんにちは、人族さん。一周りしたいという事は商人、には見えないわね。どのように周りたいのかしら。」

T「ここから東へ向かってから北上し取り敢えずイヌヒト族のところまで連れてってほしい」

「あら、うちより北の脳筋族のとこはいいのかしら?」

L「おたく等の相性が良くないことは[ミリーネポール州知事]に聞いたからな。イヌヒト族のところまででいいよ」

「あの里長の知り合い?あなた達、何者?」


訝しげな表情で聞いてくる受付嬢に

L「知り合いっつうか、俺は州知事夫妻の甥にあたる」

「「「!!!!」」」

ギルド内のトラヒト族達の空気が変わる。


L「あぁ、そう言えば獣人国で何か困ったことが起きたら見せろってコレ預かってたわ」

上質な封筒に入ったメッセージカードを渡し中を確認する受付嬢。そこには


(はーい、獣人族、亜人族の皆さん。

私の可愛い甥っ子、ルーカス君が風柱様に御目通りする為に獣人国を一周りする旅をしているの。

何か困っていたら手助けしてあげてね。

ミリーネポール州知事婦人 アリーヤ)


ガタッ、ドサッ、ブルブルブル


「ほ、本物………」


誰かの呟きが聞こえて辺りは何処かにぶつけたような音や尻もちを着いた音、体を震わせる者達がいた。

「た…たた、大変、失礼しました!今すぐ!トラ車を二台手配致しますーーー!」


T「ああ、それと各国に詳しい案内人も頼む」

F「あと景色いいところ知ってる人もねー」

「はいーーーーー!!!」


慌ただしく動くギルド職員の中で

L「なぁ、クエストどうする?」

F「ここでこれじゃあ、冒険者ギルドも一緒じゃない?」

T「頼める雰囲気じゃ無さそうだが。」

L「だな。んじゃゆっくり観光させてもらいますか」




一方、ギルドの奥側では受付嬢が50歳代に差し掛かっただろうギルド長に報告し

「何!? あのミリーネポール州知事婦人の甥が来てトラ車の手配と案内人を付けろだと?! 本物か!?」


「ま、間違い有りません!州知事婦人 直筆のサインとミリーネポール州知事印の付いたカードを見せてきたのを確認しました!」


「粗相して婦人のご機嫌を損ねたら不味い!今すぐトラ車2台に護衛も出来るベテラン御者2名、道中 何かあっては堪らんから腕の立つ護衛をもう2名、あと案内としてオレが行く!すぐに手配を!」

とアタフタ、バタバタする。




受付嬢が持ち場に戻り後ろからギルド長らしきトラヒト族が着いてきている。


「いらっしゃいませ。当ギルドをご利用頂きあ有難う御座います。[ミリーネポール州知事婦人]の甥子様と伺いました。


私、当ギルドでギルド長を努めておりますガンナーと申します。イヌヒト族の里までの道中の案内は私が勤めさせて頂きます。

ただ今、トラ車を準備中で御座います。もう少々お時間 下さい。」


L「ああ、世話んなる。トレバー」

T「支払いはどのようにすれば?」

「東周りでイヌヒト族のところまでと伺っております。急がれますか?それともごゆっくり?」


トレバーはルーカスに目配せして、頷くルーカス。

T「せっかくだからゆっくり周りたい。各種族の里に1〜2泊はしたいと思う。」


「さようで御座いますか。」

ギルド長は受付嬢に目配せをして

「イヌヒト族の里にある当ギルドまでの道のりとトラ車二台、案内人の私と道中の御者2名 護衛2名 計5名付けさせて頂きます。各里を1〜2泊し、その他トラの食費などの経費等で此方の見積りとなります。」


受付嬢の差し出す見積表を見て金額がセニート国のフィラで記入されていて妥当な金額が書かれている。

が、昼に食べた肉串焼きの値段をみてもトラヒト族の里の方が物価は安そうだが。


ルーカス達の金額に納得いってなそうな表情を目にしたギルド長が見積表を見て、

「ば、馬鹿!計算間違いだ!」

と言ってギルド長は見積表を見ながら算盤を使い計算する。


「大変 失礼 致しました。此方が見積りになります。」

と差し出され先程よりも1.5割ほど安い金額が書かれている。トレバーとルーカスは再び目配せし合いこの見積りで納得する。


T「了解した。支払いの方法は?」

「はい。前金として見積り合計金額の3割ほど先に頂戴し、道中 何事も無ければ目的地 到着後に残りを。モンスター等に出会し対処するなどのトラブルが出た場合は、プラスアルファで頂くこととなっております」


ルーカスと再度 目配せし合いお互いに頷いてから前金の支払いを済ませるトレバー。

その間に準備が整い、御者 護衛の紹介をされてトラ車に乗り込む。


トラ車は御者席に2名、車内は基本的に4人乗りで計6人乗り。

なので王国人組と帝国人組に分かれて移動する事にした。シルビアはトラ(大型猫)と相性が良くないので車を引くトラの目になるべく映らないようにしながら女性陣の護衛と称して帝国人組のトラ車に乗る。

案内人のガンナーはルーカス達の方に乗り出発。


ゆっくり周るとは言ったがトラヒト族の里は観光スポットらしき所は無いらしいので川を挟んだ東隣のネコヒト族の里を目指すことにした。

お読みいただきありがとうございます。

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