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ステルラ  作者: 智織
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幕間2-2 <ある大人達の世間話2>

今回も幕間話です。

よろしくお願いします。

■□■□■


<said:水柱様と眷属達>


今日も大人気、[アン・グラール城塞]


普段、ここの中ボスだとかラスボスとかモンスターと言われているベルゼバブ、彼の主人の幽閉されて[霊廟ジターン・マハル]を眺める日々の皇帝、蛇夫婦のナーガとナーギニー、そして水柱様であるウンディーネ。

中央大陸が1つの国に纏まるより前からこの土地に住む元人間も含む精霊達と精霊王様。


約25年ぶりにきたこの大陸の次代の王の候補であるルーカス達との戦闘(対面)をしてそれぞれ印象に残っていることを晩餐しながら話している。


彼らに飲食は必要ないのだが、所謂 退屈凌ぎの嗜好という事で。ワインやウィスキー、地ビールを片手に話は弾み、


『みんな、セニートの次代の若者ルーカス君達はどうだった?』


「毎回 思いますが戦闘経験が甘いですな。リカルドは剣を振り回すだけの脳筋でしたがパワーがあった。アルバロは魔法を得意とした戦術で我を翻弄してましたな。」

「モウー、先代達と比べちゃダメヨゥー。ワタシの魅力に抗えなくてポーっとしちゃってて可愛かったじゃなイ。」


「それが一番 許せぬ」

「アラー、ヤキモチー?ウフフ」


水柱様の質問に応えるナーガとナーギニー。続いてベルゼバブと皇帝も応える。


「僭越ながら、私目(わたしめ)の時はわたしめの戦闘パターンを把握してお仲間様と連携を成してございました。」

「わしは窓の方を向いているので何とも。ただルールを守って部屋の入口で祈りを捧げてくれたのは分かりましたぞ。」


『そうねー、ナー君の言う通り経験が浅いところは見受けられるわ。ナーちゃん意見も一理あるわね。先代や他の冒険者と比べちゃダメよ。


それぞれ戦闘スタイルが有るし其れこそ経験値の差やベルゼバブの言うようにあらかじめ戦闘パターンを把握するという事前情報を手に入れてから挑むのも大切だわ。私は見てて感心したのは、皇帝も言った通りルールを守った事かしら。言っちゃ何だけど、皇帝には刃を向けないルールなのに戦闘を始める冒険者が多いじゃない?』


「ルールに従えない血の気の多い若造が増えてますぞ。お陰でベッドに入ったまま剣で対抗、もしくは起き上がって激しい戦闘になる時も有りますぞ。」

「お労しい」


「ま、女の子達が動けるようになってからは連携して頑張ってたわネ。」

「フン!ナーギニーのバブルトキシンを避けたのだけは認めてやる」

「モウー!素直じゃないわネ。」


水柱様の言葉に対して、皇帝、ベルゼバブ、ナーギニー、ナーガと言葉が続く。


『ふふふ。相変わらず仲が良いわね。それよりも、リカルドの弟が悪さを働きそうよ。また戦争を始めて自然を荒らそうとしてるわ。


シルビー曰く帝国から来た子に[偽りの腕輪]が嵌められてたそうじゃない。今どき電波で世界中 何処でも繋がるのに敢えてそういった機能が搭載されてない腕時計を準備させてリカルドも無理させるわよね。


土の奴がボヤいてたわ。


(GPS機能 以外を全て詰め込んだ腕時計を3つ準備して欲しいなどと面倒くさいモン注文しおって。


1つ10年分、向こう30年分の酒で仕方ないから引き受けてやったけぇ!腕時計を使ってる倅や童共は親父の気遣いに気付いてない様じゃがのぅ!)

ってね』


「帝国から来たコ達もそういった機能の無い物しか持って無さそうだったわネ。使っている機器がある意味、時代の逆行をしているワ。帝国の皇族もリカルドの弟も罪ネー。」


ルーカス達の身に付ける腕時計の話をする水柱様とナーギニー。そして録音や会話の出来るコンパクトミラーの話になり、


「水様の作られたコンパクトミラーも流石の代物です。」

「あれはわしも欲しいくらいですぞ。[霊廟ジターン・マハル]に眠る妻とミラー越しに会話出来たら楽しそうですわい。」


「夜な夜な会いに行ってるじゃなイ。」

「夜な夜な会いに行ってるな。」

「夜な夜な会いに行ってますな。」


『夜な夜な会いに行ってるわね。来る時もあるし。』

「え、あ、それは、その...。」


などと皆んなに揶揄われてしまう皇帝。


『ふふふ、良いのよ。生前は不自由でしたでしょうけど今はね。』


「コンパクトミラーはハトが帝国まで無事 届けますヨ。」


『ジョー君、ハトの身体じゃ帝国まで距離あるけど頑張ってほしわ。』


「ついでに帝国の情報収集くらいしてこんとな。」

「そのくらいハトでも出来るでショー。」

「ハトもやる時はやりますぞ。」

「ジョナス殿は口が達者でいらっしゃいますから、余分なおしゃべりは控えて頂けるのを祈っております。」

「ダイジョウブヨー!帝国って言っても会うのは味方でショ。」

「敵に見つかるようなヘマしないと良いがな。」


『ナー君、フラグ立てちゃダメよ。』


帝国までミラーを届ける任務を担う事になったジョナスに対して、ナーガ、ナーギニー、皇帝と応えていきベルゼバブは不安視しているところもある様だがナーギニーは何だかんだとジョナスを信じている様子。ナーガの言葉に対して水柱様のツッコミが入る。そして、


「それにしても、いつの時代も戦争なんぞは無くなりませんな。」

「あなたもしてたじゃなイ。人間は好きねー、センソウ。」

「別に戦争が好きな訳じゃ有りませんぞ。」

「じゃあ、何でするノ?センソウ。」


「思想の違いや、権力維持、金儲け、色々ですぞ。」

「時代が変わってもやる事は変わらぬ。ほんと人間は阿呆だな。」


戦争に関して皇帝とナーギニーが話出しナーガも心に思っている事を言葉に出す。


『他の生き物より知恵が働く分、思慮深いし欲深い。自然破壊や戦争をしたがる一部の人間 以外の一般市民を巻き込まずに自分達だけで勝手にやってれば良いのにとは思うわねー。


破壊された自然が元に戻るのにどれだけの時間を要するとか、そこに住んでいた動植物達がどうなるとか、一般市民への迷惑やアフターケアを考えて無いんだから。罪は重いわね。だからその分、罰も重い。』


「そこは自業自得だな。」

「東国の言葉で言う因果応報ってやつネ。」

「わしも後継者争いで幽閉された身ですし。」

「お労しい」


最もな意見を言われる水柱様に対してナーガ、ナーギニーも応えて、皇帝は自身の経験を話し、ベルゼバブは皇帝へ労りの言葉を告げる。



『人間って本当に罪ね。


一つしかないこのステルラで全ての生き物が共存せざるを得ないのだから、共栄して行けばいいのにどうして自分だけはもっといい思いをしたいなんて欲を出すのかしら。


思想の違いがあるのはしょうがないけど、権力維持や金儲けは分からないわ。


そうゆう結局は自分の事しか考えてない輩がいるから疲弊するのよ、その他の人間が!生き物達が!大地が!自然が!!


で、戦争後に場所にもよるだろうけど、生き残った人間で第一産業からやり直ししてるのでしょう、馬鹿馬鹿しいわね。』


自然そのものの水柱様の言葉に、ナーガ、ナーギニー、皇帝、ベルゼバブが応えていく。


「機械化が進み便利になったとはいえ、戦争が関係しなくても第一産業に尽きたがらない輩が増えて後継者問題もある聞くな。」

「エー!恩恵には授かってるのに自分達ではやらないノー!」

「昔は8割以上の人間が農業や漁業などに携わっていましたぞ。」

「適材適所もあるとはいえ嘆かわしいものです。」


『新しく冒険者ギルドみたいなのを作って、ギルド職員が武器の扱いや魔法の使い方を教えるみたいに農業や漁業などの生産や加工の仕方を教えて、登録者が手の空いてる時に採取や討伐しに行くみたいにそういった産業への手助けをして、国が戦争資金や己の懐に入れる金の一部でも報酬に回したら後継者不足とかの問題は減らせれるのかしらねー。』


水柱様のアイディアに対してナーギニー、ナーガが応え、皇帝は思うこともあるようで、


「良いわネ、生産者は人手が増えて、消費者は体験する事で食料の有り難みが分かって、全ての人にきちんと食料を行き渡らせて餓死者を減らしたうえで食べ残しなどのゴミも減らせるかもしれないワ。」


「戦争に使う金も減らせるな。」

「それじゃあ、権力維持や金儲けがっ.....……」


『何、言ってるの。皇帝!


権力者こそ率先して関わらなきゃ!椅子にふんぞり返ってるだけじゃ妊婦顔負けに腹が出て病気引き起こすのが落ちよ!


それじゃあ、民は着いてこないわ。


せめて一生懸命 働く民に報酬ばら撒くくらいしないと。


自分達だけが良い思いをして民を蔑ろにしていたら、民は疲弊していくだけだわ。そういう国は決まって滅ぶ。歴史が物語ってるじゃない。


国が滅んだら、自分達も貧乏になって飢えで死を待つばかりになるのに。それとも勝手をした自分達だけは誰かが助けてくれるとでも思うの?』


大変 威厳のある水柱様の意見に皇帝は、


「いつ、どこの話をしておいでで?」


『今の時代でいうと、帝国かしら?セニート王国内の一部もそうね。南大陸や西大陸にもそういう国があったかしら?


あら?結構 世界的にやばいわね。』


「何とも。いつの時代も我ら人間はもどかしい生き物ですぞ。」


『あら、それで締めくくるの?』


「水様には敵いませんぞ。」

「お労しい」


と、会話は尽きないが大人達の議論は、時に次代を思い語っているものである。


行き着く想いは、いつだって[平和]である。

お読みいただきありがとうございます。


次回は、ミリーネポール州知事夫妻と州の東街にある冒険者ギルドマスターのお話です。

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