番外編1 <シルビアの運動>
ルーカス達が森の中のモンスターを討伐している間に、散歩(?)に出るシルビアのお話です。
■□■□■
<saidシルビア>
王都を出て暫く経ち土柱様、水柱様との拝謁を終え、王国南部の州[インダレーナ]の北東部にある密林に来た。
密林に生息する[ブルータイガー]討伐のためルーカス達は密林の奥地へ。
別行動するため残ったシルビアは、
Sy([ブルータイガー]のような、妾との格の違いも解らぬ身の程を知らぬ大型のネコは遭遇すると、連れを無視して生意気にも妾に喧嘩を吹っかけてきよる。当然 返り討ちにし、どちらが格上なのかを解らせてやるがな。
さてルーカス達がいない今、ただ待ってるのも退屈じゃし暇つぶしに密林に生息しているネコ以外の奴等と遊んでこようかの。)
ここ[インダレーナ]は北から東にかけて[ガガシスナー川]が流れる。
大型のネコは子育て中の雌でない限り夜行性で昼間は寝てるし起きてても単独行動が基本。
Sy(奴等に見つかると面倒じゃから川の方へ向かうとしよう。
さて、退屈しのぎに何を狩ってやろうぞ)
足取り軽く適当に密林に足を踏み入れて直ぐ夜行性の筈のネコ(ライオンともいう)が生意気にも喧嘩を吹っかけてきたから、
Sy(風を纏わせた爪攻撃[斬鉄]で返り討ち喰らわしたったわ。
こんな密林入ってすぐのところをうろちょろしてるなど縄張り争いに負けた弱者よの、運動にも成らん。)
U^ェ^U U・x・U
Sy(どれ、川の方角はこっちじゃな)
暫く歩き川のほとりまできてヤゴやエビやサハギンなどを見つけたが無視。
Sy(Dランク前後の輩など妾の敵では無いわ。そうゆうのはルーカス達の相手じゃ。さて、)
暫く川沿いを走り
Sy(見つけた)
前方に見えるのは[軍団蟹]。
集団行動し獲物を狩る。奴等が見えたなら近くにいるはず。[軍団蟹]を統率する親玉。[将軍蟹]Aランク
Sy(肩慣らしにはこのくらいがちょうど良い。)
そろりそろりと近づいて見つけた一際 巨大な蟹[将軍蟹]眼掛けジャンプしながら[斬鉄]
Sy(チッ、既のところでハサミでガードしよったか。まぁ良い。ハサミの片側は省いた。)
ハサミの一部を無くし目を真っ赤にして怒る[将軍蟹]。将軍を守るために向かってくる[軍団蟹]を爪で一掃しながら迎え撃つ。
Sy「覚悟はよいな?」
骸となった[軍団蟹]をジャンプして飛び越え再び[将軍蟹]の左ハサミ下から右下に向けて[斬鉄]。
斜めにお腹を切り裂かれた[将軍蟹]は息絶える。
Sy(さて、[将軍蟹]は美味いからの。ちょっと味見じゃ。今は不思議鞄を持っておらぬからの。彼奴らへの土産に持っていくことは出来ぬが……うーん!旨旨じゃ!)
Sy(よし。肩慣らしも済んだことだし遊ぶとしようぞ。)
U^ェ^U U・x・U
再びルーカス達がいる場所とは別の方角の密林の奥地へ走り出す。途中、[赤茶バイソン]Aランクや[漆黒ヒョウ]Aランクと遊んでやり、道を憚った(インダレーナコブラ)Aランクを屠ると[キマイラ]Sランクに遭遇した。
Sy(いつ見ても奇怪な生き物よのぉ)
行手を阻み向かってくる[キマイラ]に
[斬鉄]を喰らわし互いに睨み合う。
獅子の頭と雌山羊の胴体から血を流しながらも威嚇してくる[キマイラ]
尾のヒドラが大きく口を開けブレスを吐こうとしている。
シルビアは体に風を纏わせる。
辺りは突風で枝葉や土が舞う。
「ガァオーーーー!!!」
と頭の獅子が雄叫びをし向かってくる[キマイラ]
Sy「その心意気や良し。」
と呟いて
Sy「エアー・ブラスト!」
走りながらジャンプして右・左・右と爪撃を[キマイラ]に喰らわし倒す。
地面に横たわる[キマイラ]に
Sy「若いの。血の気盛んだと早死にするぞ。修行を積んで出直すが良い。じゃあの」
と尻尾を一振りして次の遊び相手を探す。
残った[キマイラ]は
(あれがフェンリル、あれが聖獣の力。仲間内で漸くボスの座に着き、この密林の強者の一角に立ったと思ったがやはり上には上がいる。)
と一人反省をするのだった。
U^ェ^U U・x・U
[キマイラ]と一戦した場所から少し離れ密林の中でも少し開けた場所、北側を流れる[ガガシスナー川]のほとりに出たところで
[インダレーナモス]Sプラスランクに遭遇。
四つ足で歩き毛皮を纏った6メートルの巨体のゾウだ。
Sy(厄介なのに出会した。が、向こうも気付いている様子じゃし しょうがない。相手にするか。)
土属性を纏い睨み据えてくる[インダレーナモス]
シルビアも風を身体に纏って駆け出す。
走り抜けながら突風を起こし爪撃を繰り出す。
Sy「エアリアル・ドライブ!」
辺り一面に枝木や土が巻き上がりゾウに襲いかかるが
「パオーーーーーン!!」
と咆哮と鼻を下から上に振り上げて突風を収めた。その後 前足で地面を何度か蹴り再び咆哮をあげてから前足を持ち上げるゾウ
「プォーー!パオーーーーー!!」
地面が隆起して容赦無くシルビアの足場を崩す。それをジャンプしながら後ろに避け一旦 距離を置く。
Sy「むっ!妾を後退させるとは生意気な。
WAOOOーーーN!!」
シルビアが咆哮をあげると彼女の体長が一回り大きくなり、辺り一面に倒れた木々や土、草や石などを巻き上げ竜巻を起こす。
Sy「ウィンド・インパルス!!」
ゾウを中心にまるで洗濯機の中のようにぐるぐると周る植物達。
さすがにゾウの巨体を持ち上げることは出来なく足を踏ん張らせて耐えているが宙を舞う植物や石が容赦なくゾウへと降り注ぐ。枝や根の鋭い部分で無数の切り傷を作り太い幹や隆起させていた土や石などが落下しゾウを殴り付けていく。
ゾウは次第に立っていられなくなり膝を折り終いには横たわる。
竜巻が収まり地面に倒れたゾウの前に立ちシルビアは
Sy「タイムリミットじゃ。なかなか楽しめたぞよ。さらばじゃ」
と[インダレーナモス]に声かけし車へと引き換えす。
U^ェ^U U・x・U
残されたゾウはまだ立ち上がることが出来ずに体を震わせている。
弱者には優しくし同等には手厳しくがモットーな[インダレーナモス]。
弱肉強食のこの世の中で初めて敗北を味わい、
土に体を付け情け無い姿なゾウだが今、猛烈に打ち震えている。
数年前にこの密林の王者となり[インダレーナのボス]と仲間内や密林に生息している者達に言われている自分が1匹の黒犬に敗北したのだ。
自分を負かしたシルビアを思い打ち震えながら、
(ああ、漆黒様。どうかそのお美しいおみ足でオレを踏んで下さい。ああ、またあの真っ黒なつぶらな瞳で睨み付けられながら生意気だと罵られたい。そして、美しく磨がれた鋭い爪で削り痛ぶられたい)
敗北を知らなかった密林の若き王者は自分を負かした強者である相手に対し新しい思考の扉を開くのだった。
U^ェ^U U・x・U
退屈しのぎの運動を終え車への帰り道。
密林内を駆け抜けるシルビアは途中 言い知れない悪寒が走るのだった。
お読み頂きありがとうございます。




