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ステルラ  作者: 智織
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第6話 <ボス戦と水柱様2>

水柱様との拝謁のお話です。

[アン・グラール城塞]ボス戦闘後



息を整え、虹玉で手に入れた毒消し薬を飲む。

そこへ始めに[ナーガ]が現れた場所が淡青く光り、アクアマリンの髪にサファイアの瞳、水色のドレスを着た[女性]が現れた。


女性の脇には先程 倒したはずの[ナーガ]がおり、出入口側にいたはずのシルビアとジョナスもいつの間にか現れた女性の側に移動していた。

近づいてくるルーカス達をチラリと見てからシルビアは尻尾を一振り。低空飛行していたジョナスは[女性]に近づき、


jo「水様ー、どうでしたかー?コイツらの戦闘はー。」


『そうね。闘っていてナーちゃんはどう思ったの?』


「ワタシの水属性に対し火属性を使い連携もまずまずでしたワ。毒に対し耐性ある者もいるのも評価に当たるかと。あとワタシの魅力に抗えなかったのは一番の評価ですワ」


『ナーちゃん……。

そうね。序盤から男性陣がナーちゃんの[誘惑]魔法にやられて[魅了]されて動けなくなるのは失格ね。

シルビアの口出しも余分よ。


その後 体制を立て直して今 出来る最大限の攻撃で押したのはいいけど優勢になって油断もあったでしょう?


ナーちゃんに水球を投げさせる前にさっさと勝負を着けるべきだったわね。

耐性のある子もいたけど投げる前に対処していれば手に入れたアイテムを使わずに済ませられたわね。

まぁ、学園や家庭教師ではその辺りは教わらないかもだしもっと経験を積むしか無いかしら?


いい?君達!ボス戦でも初見モンスターでも大事なのは事前情報よ!

自分達が初挑戦する相手のことは事前に先輩 冒険者から情報を得なさい!下手したら死ぬわよ!


情報は時には何よりも価値のあるものだわ!


いい?相手の情報は盗み得るもの!自分の情報は秘匿するものよ!』


一気に捲し立てられてタジタジな一同。


『それと、男子達!女子の微笑みには必ずウラがあると思いなさい!今回の場合、ナーちゃんが登場して貴方達に話しかけて微笑んだ時点で[魅了]の罠に掛かったの!


シルビアが話しかけるまで動けなかったでしょう!綺麗な薔薇には棘が付き物よ!!

まっ、私ほど卓越した美人は棘なんか必要 無いけど!』


と微笑む水柱様。

自分達の失態に黙り込む男性陣。


Jo「ヒュー、流石 水柱様!この止まらないマシンガントーク痺れるぜ!どっかのヘビなんかよりよっぽど引き寄せられる魅力的なお方だぜ!」

「ちょっとジョナス!ワタシをヘビ呼ばわりしないデ!ワタシは[ナーギニー]ヨ!冒険者共は[ナーガ]などと言うけどナーガは男!ワタシは女ヨ![ナーギニー]!」


Jo「相変わらず煩いヘビだぜ!呼び名なんてどうでもいいじゃねーか!」

「そこのハト!直りなさイ!名前は大事ヨ!」

Jo「オレっちを鳩 呼ばわりすんじゃねー!」


『ふふっ。相変わらず仲が良いわね』


L「あの…、あ。申し遅れました。

セニート王国 第一王子ルーカス・フレデリック・ハワードです。ナーガ…、ナーギニーも水柱様の眷属で宜しいのですよね?」


『そうよ。あら、紹介が未だだったわね。

私が水柱よ。それとナー君、ちょっと出て来て!』


と水柱様の声に反応しナーギニーのすぐ近くで黄緑色に光だしデカいカーキ色の上半身は人間で下半身は蛇の男が出て来た。

「水様、お呼びで?」

水柱様はにっこり微笑んでからルーカス達に手の平を向けて


『ふふっ、この王国の次代を担う子達よ。ちょっと経験値足りなくて危なっかしいところがあるけどナーちゃんやジョナス、シルビアが認めてる子達よ。』


ルーカスに目を向ける水柱様と緑蛇と紫蛇。


『ルーカス君、ナー君こと[ナーガ]とナーちゃんこと[ナーギニー]よ。ここ[アン・グラール城塞]の管理(ボス)をしてるから悪者に見られがちだけど、豊穣と安産の信仰対象よ。


ジョー君、ジェンちゃんと共に私の眷属よ。

よろしくね』


L「よろしくお願いします」


姿勢を正し礼をとるルーカスを見て[ナーガ]は

「主ら弱すぎる。こんなので王国は大丈夫か?」

Jo「ムッ!ルーカスはトリスタンの野朗のせいで!」


「どんな不足の事態にも備え動くが王族だろう。

リカルドも甘い奴よ。

弟の首輪は緩く息子の教育は中途半端。


小僧!主は守られるだけの子供時代は終わったのだ。


学ぶ機会を得られなかったなら今すぐ身に付けろ。多少動けるようだが其れだけでは国は成り立たん。王族という肩書きだけでは民は着いて来んぞ。」


ナーガに厳しい言葉を投げかけられ、否定出来ず拳を握り俯くルーカス。


どっかの漫画やアニメ、フィクション映画なら神様とやらからチート能力を授かって都合のいい物語のような展開に出来るのだろう。現実はそんな自分にとって甘い事態になる訳がない。


『はいナー君、そこまでよ。


だから言ってるじゃない。この子達には経験値が足りないって。


新たな事に直面したらどうすればベストを尽くせるか考える。

考えて分からない事は経験者に聞く。


分からない事を聞くのは恥では無いわ。


そして挑戦してみるのも大事よ。


もしそこで失敗したと思ったら直ぐにやり直すこと。

失敗を恐れて挑戦を諦めてしまうより後悔が少しで済むわ。


ナー君だって偉そうなこと言ってるけど人間だった時、


「水様!そろそろ次の挑戦者へと交代しませんと日が暮れてしまいます!次は俺が闘りましょう」


そう?じゃあルーカス君、旅の続きを頑張ってね。ナーちゃん、城塞入口まで見送ってあげて。最後に例のものをよろしくね。』


「承りましたワ。さ、行きまショウ」

と言ってナーギニーは蛇から女性になり出入口へと向かう。


L「水柱様、ナーガ、貴重なお言葉ありがとうございます。では、失礼致します。」

ルーカス達は一礼し去っていく。

閉まった扉の内側で


『あらー、素直で可愛い子達じゃなーい』


「俺には世間知らずな童なだけですがね」

と両手を頬に当て笑顔な水柱様と腕を組み悪態をつきながらもデレるナーガがいた。


外へ出て少し歩いたところでナーギニーは立ち止まりルーカス達を見る。


「ワタシのダーリンがあなた達にキツイことを言ったわネ。ごめんなさいネ。ただ彼はあなた達の成長を期待しているワ。じゃなきゃダメの一言で済ます人だもノ。頑張っテ。ワタシも応援してるワ。」


戦闘のときと話し方の違うナーギニーは

「水柱様からヨ、中身を確認シテ」

といって小袋をルーカスに渡す。


中には水の精霊石と掌(てのひら)に収まる蓋と本体で二つ折りの薄い水色をしたコンパクトミラーが二つ入っていた。


「精霊石の使い方は大丈夫よネ?


コンパクトミラーは、フタを開いてミラーに向かって話しかけると喋った内容が録音されて対のミラーで聞けるようになっているワ。


で、フタの中央に付いている小さな魔石。今は魔石が空だから透明。使う人間が魔石に触れて魔力を流すと水色になり魔力登録されてその人間しか使えないようになっているワ。


で、魔石が水色のときはミラー、青色の時は録音されたメッセージがある状態、藍色のときは相手がミラーを開いている状態ヨ。


つまり相手と繋がり直に会話が出来るワ。

当然 周りの音も拾うから使う場所は考えてネ。


後ミラーに映る姿はあくまで目の前にいる使う人間の顔と背景だけどネ。

あなた達、手紙や電話に変わる連絡手段を欲してるでショウ?


そこの鳩がもう一羽いたらよかったんだけどネ。その代わりヨ。後はそこの鳩に目的地つまりミラーを渡したい相手の元まで運ばせればいいワ。鳩!しっかり運びなサイ!

じゃあ、ワタシはここデ。旅、ガンバッテネ。」

と言ってナーギニーは去っていく。


Jo「鳩、鳩うるせー!蛇女ー!」

夕陽が真っ赤に染まる中、ルーカス達は水柱様と蛇ボス達に感謝し、ジョナスは羽根をバサバサさせながら叫ぶのだった。


お読みいただきありがとうございます。

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