第5話 <アン・グラール城塞3>
今回もモンスター討伐のお話です。
アン・グラール城塞にある庭園の奥に佇む建屋。
室内に入ると、高い天井を始め柱や壁、床まで美しい装飾に施されている。
各部屋では、下女の服装を身に付けて雑巾らしき物を持って一生懸命に掃除をしている骸骨や、数人で固まりお喋りしている骸骨、部屋の隅の方で一方が片手を腰に反対の手の人差し指を天井に向けながら動かして向かい側の骸骨に話かけ、相手側は手を太腿の前で合わせてぺこぺこ頭を下げている骸骨。
などが見られる。
柱などの装飾に見惚れてときどき骸骨とぶつかり戦闘になる冒険者もいるが、基本的に骸骨の邪魔をしなければ向こうから攻撃を仕掛けてくることは無いらしい。
奥まで進むと塔が見えてくる。
ここは何代目かの皇帝が晩年、息子に幽閉されて、それ以降の生涯を過ごしたと言われている。
この塔からは幽閉された皇帝が嘗て愛した妻の為に建てた霊廟ジターン・マハルが見える。
塔や庭、回廊での戦いで気付いたが、戦闘で付けた柱や壁、床などの傷や庭の抉れた土などはいつの間にか修復されていて、建国当時の美しい装飾に施されている。モンスターにさえ会わなければゆっくりと見学したいお城だ。
一生懸命にせっせと働く骸骨になるべく接触しないように邪魔しないようにしながら物色じゃないアイテム探しあんどゲットしながら次へと向かう。
暫く歩くと、進行方向よりこちらに向かって何か叫びながら近づいて来る人、だった[グール]。
顔や手の皮膚の一部が爛れ服装は嘗てはそれなりのお金持ちが着てそうな物だが擦り切れてぼろぼろ。
F「ぎゃー、普通に見た目が怖いんですけどー!気持ち悪いんですけどー!!」
L「うっ、すげー腐乱shu...んんっ!!」
鼻を摘みながらきた道を戻るように逃げ惑うルーカス達。
L「トレバー!対策!!」
T「火!もしくは光!」
L「よし!サン・ライト!!」
ダメージを受け頭を抑えながら唸っている[グール]だが、
L「くっそ!初級じゃ浄化までいかないのかよ!」
F「近づくの嫌なんですけどー!」
I「フェルは遠距離 担当じゃん。」
F「あっ、そうでした。ってぇ、ことでー。リフレクト・クロス!」
フェルナンドの光銃撃 攻撃で浄化され動かなくなった[グール]
I「やるじゃん!」
F「やったね!」
T「ルーカス、さっさとその遺体を戦利品に変えてくれ。臭いが。」
L「.....分かった」
渋い顔をしながらラーマを振って戦利品にし不思議鞄に入れる。
F「ふんふんふん。うーん、まだ臭う気がするー。」
N「嘗ては人間だったことを思うと申し訳ないけど、それでも近寄りたくないわねー、この臭い。」
T「この先の塔の入口では、[ベルゼバブ]がいる。所謂 中ボス戦だ。そこの塔の近くに行けばセイフティ.・ゾーンがある。」
L「おし、さっさとこを抜けてセイフティ・ゾーンに行こうぜ。」
「「「「「賛成ー!」」」」」
ということで、探索を最小限にして塔を目指す。
それでも何回か建屋の守備兵である[骸骨兵士]や[骸骨魔法士]と戦闘になったり[グール]に出会して追いかけられて戦闘することもあり、目的地に着いた頃には昼になっていた。
セイフティ・ゾーン
幾つかの冒険者が虚な目で休憩していたり、顔面蒼白で倒れ込んでいたり、着いた臭いを消し去ろうと何度もクリーンを掛けたりしている。
香を焚いて浴びている者もいる。
気持ちは分かる。
ルーカス達も空いているスペースに座り込む。
麻痺した鼻の状態では食欲が湧く訳もなく、栄養補給の為に仕方なくシリアルバーを食べて一息ついた。
中ボス戦は順番待ちになり、ルーカス達は6番目。
あちこちで中ボス[ベルゼバブ]攻略の作戦会議が囁かれている。
ルーカス達も作戦会議に入った。
*○*○*
アン・グラール城塞 塔の前のセイフティ・ゾーン
。
この向こうはホールになっていて、ホール奥にある上への階段に繋がっている。階段の前には上階へと行かせまいと[ベルゼバブ]が通せんぼをしている。
他の冒険者達が中ボス戦に挑んでいる間は塔の中には入れない。
[ベルゼバブ] Cランク
特技:空間操作 針状の光弾を射出 剣技
弱点:火属性
戦利品:ベルゼバブの翅 (レアドロップ:執事のモノクル)
T「戦闘が始まると先ず、空間操作を使い空中から物が飛び出してくる攻撃を仕掛けてくる。」
L「近付けないからガードと遠距離攻撃だな。」
T「次に針状の光弾を射出してくる。」
I「ここもガードと遠距離だな。」
T「ここまでの間にセレーナには物理防御UPと物理攻撃UPを全員にかけてほしい。」
S「分かった」
F「おーし、前半頑張って攻撃しますかー。」
N「私も魔法攻撃ね」
T「光弾が終わったら近付けるが、剣技も得意としている。」
L「バフがかかったやつから近距離攻撃で応戦だな。」
T「攻撃パターンは3つの繰り返しで弱点は火属性だ。」
「「「「「了解!!」」」」」
執事服を身に纏い、異様に大きな目と嘴のように伸びている口をした老紳士風のハエ男。
近づくとゆっくりと浮かび上がり白のグローブをはめた手を広げて通せんぼうをしている。
塔の上階には自分が仕えた王族のプライベートルーム。侵入させまいと守っているのだ。
順番待ちをしながら作戦を立てて、ボス戦へと思いを馳せるルーカス達だった。
お読みいただきありがとうございます。




