第4話 <インダレーナの湊町>
お買い物と冒険者ギルドでのやり取りのお話です。
ルーカスの叔母が住む知事邸を後にして湊町を目指す。
車内では6人が変装した姿のデータとプリントアウトした写真を回し見して知事邸で起きた話をする。
I「服装や髪型、メイク次第で人って随分変わるんだな。」
F「ルーカスのこの写真姿みたいな商人いるしねー」
T「さすが諜報に長けたインダレーナの知事とクレア様だな。実際、こうやって変装してイメージ作りしてから認識阻害魔法掛けて諜報活動しているのだろうな。」
L「確かに。俺、今まで何となくでやってたから、王子かな?似てるよね?なんて遠回しに聞こえてたんだよな。」
F「それにしてもルーちゃん。って随分可愛く呼ばれてるねー」
L「うるさい!お前はクレア叔母さんか?」
F「ううん?違うよ。ルーちゃん。あっ、ルーお父様ー。」
L「殴るぞ」
F「え?わー、やめて!ごめんなさい」
と戯れるルーカスとフェルナンド。
T「くっくっ、『ルーちゃん』と呼ぶかは別として偽装名は考えた方がいいかもな。」
I「そうだな。商人家族と護衛と秘書だったな。」
F「俺とトレバーとイヴァンは要らないでしょ。息子と護衛A護衛Bだしナディアも秘書だから名前呼びはしないよねー。」
T「一応はあった方がいいんじゃないか?」
L「んじゃ、トレバーはバート、イヴァンはヴァン、フェルはナンド、ナディアはディアでいんじゃないか?名前から変え過ぎると分からなくなる。」
F「いいねー。じゃあルーカスは…」
T「ルード旦那様はどうだ?」
L「おっ、悪くねーな」
F「じゃセレーナはー」
L「セレナ?レナのがいいか?んでシルビアがシル?」
Su「妾は汁などではないわ!」
L「んじゃルビーだな。ん?お?」
首に掛けたネックレスがもぞもぞしてジョナスが飛び出してくる。
jo「ちょっとー!オレっちの事忘れ過ぎじゃねー?いつ出してくれるか待ってたのによー。もう中は退屈で退屈で。」
ルーカスの顔の横で翼をバサバサして訴えるジョナス。
jo「話は中で聞かしてもらってたぜ。何か面白そうなことやってたな。オレっちは?」
L「そのままでいんじゃね?世界中のその辺にいるし。」
jo「馬鹿言ってんじゃねーよ!気品溢れるこの純白の翼を持つオレっちとその辺の鳩を一緒にすんじゃねー!!」
L「お、おぅ。」
jo「面白そーじゃん変装。オレっちもしたい」
Sy「全身を黒にして嘴も黒色にすれば良い。」
jo「黒か。カッコ良さそう。で、嘴も黒色…ってそれカラスじゃねーか!」
Sy「諜報と伝達を生業にしてるお主じゃ。ちょうど良かろう?」
jo「あんな真っ黒な存在、冗談じゃないやい!」
キラッとシルビアが片足を上げて爪が光に反射する。
Sy「お主、今 黒色を悪う言うたか?」
jo「あっ、いや、その… 分ったよー。カラスはいやだからこのままでいる。」
スティールの凄みにたじたじになるジョナス。
T「そろそろ湊町に着く。」
会話しているうちに到着しPAで車を止める。
T「さて、どうする?」
L「[保護地区]での討伐完了報告と次の依頼。俺とトレバーでいいだろう。ナディア食材とか足りてるか?」
N「少し買い足したいものはあるわ。」
L「んじゃ、そっち4人で行動しててくれ。終わったら電話するから車に集合でよろしく。」
「「「「「了解」」」」」
トレバーは財布から硬貨を出して小ケースに入れてナディアに渡し解散する。
*○*○*
ギルドに報告に向かうルーカス、トレバー、シルビア、ジョナス。
さっそく認識阻害魔法をかけて商人と護衛に扮している。クレアの伝授のお陰か今のところ騒がれていない。
T「水柱様は遺跡の中の一室にいらっしゃるのですよね?」
Sy「そうじゃ。観光スポットで有名な[ジターン・マハル]では無い冒険者が行くモンスターが棲み着いてる[アン・グラール城塞]じゃけどな。」
L「なるほど。んじゃ、そこの依頼も受けるか。」
ギルドに着き、依頼のパネルを見る。
[ベルゼバブの翅C 2枚 アン・グラール城塞]
[ブルームース:水の魔石D 10個 アン・グラール城塞]
[レッドムース:火の魔石 D 10個 アン・グラール城塞]
[アン・グラールスパイダーの糸E 20束 アン・グラール城塞]
[コカトリスの羽根6羽.嘴3個 D アン・グラール城塞]
[迷子の魔法士:ぼろぼろのローブC 5着 アン・グラール城塞]
[骸骨騎士:錆びた剣.ひび割れの盾C 各4個 アン・グラール城塞]
[吸血草の花びらD 30枚 アン・グラール城塞]
L「[アン・グラール城塞]は、こんなところか?
T「妥当だな」
L「おっ、[リタッグ草原]のコイツらもいんじゃね?」
[ ブルータイガーの牙B 1匹 インダレーナの森]
[グラール・マングースの毛皮C 2匹 リタッグ草原]
[モウモーの角C 3頭 リタッグ草原]
[暴れ孔雀の尾羽根C 3羽 インダレーナの森]
T「ブルータイガーは厳しくないか?」
L「単独ならいけると思うけど。複数だとヤバそうだけどな。」
T「報酬いいし単独狙いで挑戦してみるか」
L「決まりで」
パネルの写真を撮ってカウンターに行き受付に別室での対応をお願いし案内してもらう。個室に入って素顔を晒し騒がれないように人差し指を口に当てて依頼をかける。
[環境保護地区]での討伐完了報告と精算後、先ほど決めた新たな討伐を発注し、再度 認識阻害魔法をかけて車に戻る。ギルドの受付担当以外には終始 王子とバレずに移動出来た。
*○*○*
その頃 買い出し組。
エルサーラもだが、この地方というより中央大陸南部の人々は褐色肌でノリの良い人が多いので白肌の四人組は目立っていた。
「ヒュー、綺麗な姉ちゃん連れてるじゃねーの!」
F「でしょう?」
「兄ちゃん!悪い大人に連れ去られないよう可愛い姉ちゃんしっかり護衛しろよ!」
F「はーい!頑張りまーす!」
「あら、お兄さんいい男。ちょっとうちの店、覗いてかない?」
F「え?何が売ってるのー?」
I「おい、フェルナンド!」
話しかけられては返事をするフェルナンドに周りを警戒するイヴァン。
F「大丈夫だよー。この辺の人達はノリが良いだけで悪い人達じゃ無いから。」
I「だからって」
F「あ、ごめんねー、今から行くとこあるからまたねー」
とイヴァンに引き摺られながら店員に手を振りフェルナンド達は目的地に向かう。
市場に到着し物色し始める。肉や野菜はもちろん港町ならではの魚介類、さすがインダレーナ、スパイスも多種多様だ。
F「ここ離れたら暫くカレー食べらんないからスパイス買って作ろうよ」
N「え?わたし何をどう組合せたらいいか知らないわ」
F「そ?じゃあ、おじさーん!カレー作りに使えるスパイス適当に選んでくんない?あとお薦めのレシピあったら欲しいなぁ」
「何だ兄ちゃん、隣りの姉ちゃんにカレーご馳走して男を上げようってか!?」
N「えっ?違っ...」
F「そそ!そうなんだよねー。頼むよー」
「かー、若いって奴は!よし!レシピはサービスでくれてやる。その代わりスパイス沢山買ってってくれ!」
F「はいはーい!」
などのやり取りをし諸々買う。買い出し用の不思議鞄を預かって無かったので袋を購入して入れ結構な荷物を抱えて車に戻るのだった。
*○*○*
同じ様なタイミングで集まり車に乗り込むとき、イヴァンが
I「なぁ、トレバーばかりが運転って大変だろう。俺、変わるよ。交通ルールは帝国も変わんないし運転操作も他の車と変わらないよな?」
T「変わらないがいいのか?」
I「おぅ、やってみたい」
T「ルーカス」
L「んじゃ、時々二人で交代頼む」
T.I「「分かった」」
運転席に乗ったイヴァンは地図を開いて、
Sy「この辺にエリアが有るが、遺跡探索に冒険者は多い。エリアも埋まっているだろう。」
爪を少しずらしてエリアから少し離れた林を指す。
Sy「この辺まで行け。」
イヴァンは頷き車を発進させる。
問題無く目的地に着いたが、途中から雨が降ってきていたので急いで車をしまい家を出して中に入る。
玄関で濡れた服を生活魔法[ドライ]で乾かして奥に移動する。
ナディアとイヴァンが食事の準備をし残ったメンバーはダイニングでセレーナのセニート語レッスン。
戦闘をすること以外では誰かの補助が無ければ生活出来ていなかったセレーナは腕輪が外れてから少しずつ自分でやれる事が増えていたが、仲間の話す言葉がほぼ解らずレオーネに取り敢えず挨拶からと習ってはいるものの皆の会話に参加出来ていなかった。
新しいことを知るたびに心が温かくなっている事に気付いたセレーナはセニート語も頑張って早く覚えて皆と会話がしたいと思い始めていた。
因みに夕食は、鶏肉のハーブ焼き、卵と野菜スープ、サラダ、ご飯。食後は皆でチャイを飲みながら夜は更けていくのだった。
お読みいただきありがとうございます。
(冒険者ギルドでの発注)
モンスターor素材名、ランク(F〜S)、討伐or採取個数、討伐or採取する大まかな場所。
※本来は、場所の後に報酬価格が書いてあるけど省略。素材の状態により価格変動有りのため大凡の目安単価。




