第3話 <クレアの教え>
ルーカスの叔母さんとの再会とカレーを食べるお話です。
※一部、変更があります。
王国 最西部エルサーラ州から数日かけて車、ラクダ、列車で走り抜け水柱様のいるインダレーナ州の主要都市に着いた夕方。
インダレーナ州知事邸に入り、州知事夫妻への挨拶と仲間の紹介を済まして食事の席に着いた。
世界 広しといえどもこれを嫌いな人はほぼほぼいないだろう。
持病や宗教上の問題で食べられない人は別だが。
作る人、場所によって入れる具材、合わせるスパイスの種類や量で少しずつ違う味わいになる奥深い食べ物。
そう、みんな大好き!であろうカレーだ。
F「何、このナン!モッチモチー!」
L「相変わらず義叔父さんとこのタンドリーチキンうま!」
I「こんなうまいカレー初めてだ!」
T「こっちのグリーンカレーもいけるぞ!」
N「ラッシーすごい美味しい」
など食欲の止まらない様子。
当然、礼儀に則り右手で食す。
一通り食べ終わりチャイで〆(締め)る。
まさに理想的なフルコース。
*○*○*
再び先程の客室に戻り、ルーカス達と知事夫妻のみ入り後はお茶の準備をして人払い。
「さて、ルーちゃん。ここにいるのはこのメンバーだけよ。大丈夫。他に目も耳もないわ。聞かせてくれる?リーライズで出会った帝国の子達の話。」
ルーカスは流石クレア叔母さんだと舌を巻く。
ルーカスはシルビアに目配せをし頷くのを見て、セレーナにつけられていた[偽りの腕輪]に関しては隠して、其れ以外の叔父であるトリスタンが帝国へ持ち掛けた話、帝国の反応、反皇族派の行動。の説明をした。
帝国民のこの三人は帝国陸軍大将が自分の子供達と小さい頃から知っている幼馴染であるセレーナを帝国に使い潰されない為と、叔父トリスタンが帝国に持ち掛けた話を王国へ伝える為に派遣したと説明し、父王へ相談したら王宮に来るより自分達と行動した方が良いと言われ一緒にいると説明する。
「なるほどねー。でも君達、今は王国内だけどそのうち海外に行くのよね?」
L「あぁ。水柱様と風柱様に会ってから南下する予定だ。」
「帝国にいる柱様方のところもお伺いするのよね?」
L「いずれな」
「帝国から来た子達も一緒に行くの?」
L「……まぁ、一緒に行くことになるだろうな。」
クレアは帝国組の子を見て
「君達、変装や認識阻害魔法使えるの?」
「「「!!!」」」
「それじゃあ捕まってしまうのが落ちよ。」
「「「………………」」」
「分かったわ。明日、朝食後にまたこの部屋にいらっしゃいな。大丈夫。悪い様にはしないわ。可愛いルーちゃんのお友達の為ですもの。」
と、ウィンクをする叔母さんに就寝の挨拶をして解散となった。
部屋に残った知事夫妻は、
「どう思う?」
「言ってることに嘘は無いだろう。ただ全ての情報も話してないってところか。」
「そうよね」
「何か考えがあるのか?」
「まず、シルビアが受け入れるかと、後は帝国の子達がマスターするか次第ね。」
「なるほど、カメレオンクレア様の腕の見せどころだな。」
〜☀︎☆☀︎☆☀︎〜
翌朝。朝食後の客室。
「ルーちゃん、ちょっと認識阻害かけてくれる?」
言われて実行すると、眼鏡をかけてから認識阻害の魔法で髪色と瞳の色を茶色に変えた姿になった。
「甘いわね、ルーちゃん。まんまじゃない。私がやって見せるから見ててね。」
「「「!!!???」」」
「どうかしら?」
L「見た目だけじゃなく声まで違げー!」
元の姿に戻ったクレアは
「認識阻害魔法をかけるには変装とメイク、後イメージが大切よ。自分だと分からない様にしたいんだから当然よね。
そこでイメージを膨らませる為に一度 実際に変装とメイクをして写真に収める。
別パターンの認識阻害魔法をかける場合もあるから写真で残しておくとよりイメージをリアルに思い出せるでしょう?
声は外国映画の吹替えやアニメの声を吹き込んでいる声優さんて演じるキャラクターにより声を変えるでしょう?それを参考にしてね。これを見て。」
テーブルに一枚の写真を置いて皆で覗くと先程の認識阻害魔法を掛けたクレアの老婆の姿が写っていた。背が曲がり顔や首、手に皺があり白髪で目の色も藍色から薄いグレーになり違う。
「という事で、別室に色々準備してあるから変身してみましょう。」
別室に入るとそこには男女に分かれて様々な服や小道具などがあり、知事邸スタッフが並んでいた。
クレアは服を物色しながら(今の帝国に観光旅行しようと思う人はいないだろうから、ここはシンプルに冒険者に扮しておく方が無難かしら?)と考えを纏めて
「よし、とりあえず髪型 髪色、身長 体型、あと目の色や種族などを変えて冒険者になっとく?」
とルーカス達の方へ振り向きながらクレアは言う。
N「えっと、他はともかく身長って変えられるのでしょうか?」
「ええ、変えられるわ。
要は自分だと分からないように変装してから写真を撮って、写した画像に少し手を加えてから写真を完成させて、その写真に写る自分をイメージしながら認識阻害をかける。変身したい自分の姿の見本があるとイメージしやすいでしょう?
但し、飛ぶことは出来ないからトリヒト族と、非戦闘民族のウサギヒト族、トロール族は避けた方がいいわ。」
N「分かりました。よろしくお願いします。」
「はい。じゃあそれぞれなってみたい見た目に着替えてちょうだい」
と、控えているスタッフに声をかけて変装開始。其々の役に合うように服や小道具を選び別室にて着替えとメイクを施す。
知事婦人のいる部屋に戻り、
ルーカス(フォレストナイト(黒濃緑)髪 インディゴ眼 ) =>茶色のウィッグと黒目のカラーコンタクトを使用して、黄色と黒色の模様が特徴の耳と尻尾を付けたトラヒト族。
フェルナンド(ベネチアンブロンド髪 常盤色眼) => 髪と眼の色を茶色にしてフェルナンドにはない左目の横にほくろを付けたメイク。尖った耳とふさふさの尻尾を持つキツネヒト族。
トレバー(オンブレブロンド髪 シーブルー眼) => 赤髪にし瞳は変わらないが今より少し大人っぽく髪型を纏めて銀縁眼鏡をかけたヒト族。
イヴァン(プラチナブロンド髪 スチールグレー眼)=> トレバーと兄弟設定で赤髪の纏め髪シーブルー眼をしたヒト族。
セレーナ(ダークブロンド(焦茶)髪 琥珀眼) => 薄金髪薄茶眼。尖った耳、口下右側にほくろがあるエルフ。
ナディア(ホワイトブロンド髪 スカイグレー眼)=>赤茶色の髪と黄色と青色のオッドアイ。赤茶色と白い部分がある尖った耳と尻尾を持つネコヒト族。
「いいじゃない、いいじゃなーい」
「おっ、ルーカスとフェルナンド君と女性陣は結構変わったね。此れなら一見分からないよ。」
「で、問題はシルビアあなたよ。」
Sy「妾がなんじゃ?」
クレアを見据えるシルビア。
「あなたの大きさは目立つわ。ルーちゃんの肩に乗って移動出来るくらい小さくなれないの?出来たら毛色も違う方が良いわね。」
挑発する様な言い方をするクレア。
Sy「妾に戯言の真似をせよと吐かすか!」
歯を剥き出しにして唸る。
「トリスタン兄様と帝国の目を欺きたいのよね?だったらトラヒト族のルーちゃんが大きな黒犬をテイマーするのはおかしいわ。小さな姿でペットとして一緒に旅をするもしくはヒト族の姿のトレバー君かイヴァン君のテイマーね」
Sy「………」
苦虫を噛み潰したような顔付きになり、子犬サイズになるシルビア。
Sy「毛色は変えぬぞ」
不貞腐れるシルビアと満足顔のクレア。
「あらー。可愛いじゃなーい」
Sy「喧しいわ!噛むぞ!」
牙を剥き出しにしてクレアを威嚇しながらも仔犬サイズなので微笑ましい感じに見える。
フンッと鼻を鳴らし部屋の隅に行き完全 不貞寝状態なシルビア。
「さて、準備は出来たから今の姿を写真に撮って」
F「はーい!僕が撮りまーす」
「あら、じゃあお願いするわね」
と一人ずつと集合写真を撮る。
「さ、じゃあ着替えて元の姿に戻ってね。あとは、撮った画像の加工と、認識阻害魔法を使えるのはルーちゃんと他にいる?」
其々姿を戻してから、各種族の身長、体型、肌色などへと加工をする。
それから、認識阻害魔法を使えるのはルーカスの他には誰もいないことからルーカスと知事夫妻で五人に魔法を伝授する。
五人が出来る様になった頃、
「必要なら別パターンも自分達でやってみてね。魔法事態は同じだから後は自分がやるキャラクター作りね。変装しなくてもイメージ出来ればそれで良いんだけど割と自分の別人姿って細部まで想像するの難しいのよね。」
と話を締めくくる。
控えめのノック音がして、
「皆様、お昼の食事の準備が出来ましたので食堂へどうぞ」
と、執事の案内で移動する。
ランチはキーマカレー。昨晩のカレーとはまた違う見た目とスパイスでの味付けに大満足。この後はインダレーナの湊町まで移動予定だ。
出発準備をしてホールに集まり知事夫妻にハグして挨拶。
L「叔父さん、クレア叔母さん、色々とありがとな」
「可愛いルーちゃんの為だもの。喜んでお手伝いするわ。じゃあ、旅の続きを楽しんで。そうそう、君達、認識阻害で偽装するときは名前の呼び方も変えた方が良いわよ。自分達で考えてみて。またね。」
「気を付けて行けよ。またな。」
車に乗り知事邸をあとにしてインダレーナの湊町に向かうルーカス達。
旅はまだまだ続く。
お読みいただきありがとうございます。
※話の内容は変更していませんが、
物語の今後の流れ的に、変装姿を商人一行から獣人 亜人を含めた冒険者一行へと変えました。
以後、変装姿はヒト族 獣人族 亜人族 混合の冒険者一行でよろしくお願いします。




