第2話 <移動と王国南部インダレーナ州5>
インダレーナ州に到着したお話です。
快適な列車の旅の中、
昼食を終えてラウンジでセニート語の勉強会。
T「あと2時間程でインダレーナ州の主要都市駅に到着する。そこから州知事邸までは車で1時間ほどの距離だ。」
N「水柱様の棲む街。どんなところかしら?」
F「雰囲気はジプトーエ州やイスカミール州と似ているよねー。」
L「ああ。」
その後もセニート語の勉強会は続く。
「まもなく終着駅に到着します。ーーー。」
とアナウンスが流れたところで、黒猫のスキンフルと白猫のシェンクスがラウンジを通りかかる。
L「おっ、乗客に別れの挨拶 周りか?」
T「彼らのおかげで快適な列車旅だったな。」
F「寝台列車のアイドル達、ありがとうねー」
寝台列車の旅の間、何度も見かけたレイルウェイ・キャットは済まし顔をして今日も列車内を見回り中。仕事に忠実で賢い猫達である。
快適な列車の旅を終えて、下車する一同。
列車は、新たなお客を乗せて発車するのだった。
インダレーナ州。
王国内でも一際 人口の多い街。
エキゾチックな雰囲気の人々と街並み。
褐色肌の人が多いので比較的 肌の白いルーカス達は目立っている。
人が多い中で車を出すことが出来ないので、駅構内のインフォメーションでこの人数で乗れる小型バスの手配をして州知事邸まで連れてってもらうことにした。
沢山の歩行者に呼び込みをする店員、自転車やバイクを使ったタクシー。
時々 街中を闊歩する牛とすれ違いながら活気溢れる街並みを潜抜けて行く。
F「いつ来てもここは賑やかだねー。」
T「多様性に満ちて社交的な人が多いな。」
N「どうしてこんなにたくさんの牛がいるの?」
T「ここインダレーナ州が王国の一都市になるよりも前、破壊と再生を司る神[シヴァ]が乗り物にしていたのが牛で神聖視され崇拝されている。」
L「そ。だからこの地域では牛を傷付けることも食べるのも禁止。」
I「同じ国でも地域によって違う文化があって面白いな。」
L「肌の色も文化も考え方も違うから衝突する時もあるが、中央大陸大戦の歴史を学ぶと、お互いに対立するよりも違う部分を認め合って共存した方が良いという気持ちになる。」
F「そうそう。牛肉は食べられないけど、この地ならではの美味しい食べ物もいっぱい有るしねー。」
T「スパイスをふんだんに使った料理だな」
I「!!! ここもかぁ。」
N「どうしたの?兄さん」
I「スパイス料理って美味いんだけど、俺の体質には合わないのか腹が緩くなってな。」
N「あー、それは〜〜〜。」
と会話をしながらイヴァンに同情の目を向けるナディア。
幾つかの長閑な田舎道や町中を走り抜け州知事邸に向かう一行。主要都市に着いた頃には夕方に差し掛かっていた。
インダレーナ州知事の邸
白の大理石で玉葱型の丸屋根に薄いピンク色の城壁が特徴である。
到着し車を止めると、見覚えのある白髪で黒縁眼鏡を掛けた妙齢な執事と数名が立っている。
「ようこそお越し下さいました。ルーカス様、お久しゅうございます。
お連れ様方もどうぞ。旦那様、奥様がお待ちでございます。
ささっ、どうぞこちらへ。」
客室へ案内され、執事がノックをし返答を聞いて扉を開く。
室内にいた日に焼けた肌に銀髪藍目の婦人が、
「久しぶり〜、ルーちゃん!まぁ、すっかりいい男になっちゃってぇ。」
と言いながら近づいてきてハグをする。
L「クレア叔母さん、久しぶり。相変わらず綺麗だね。」
「ルーカス!また一段とデカくなったな。元気にしていたか?」
L「義叔父さんも久しぶり。」
と浅黒い肌に焦茶色髪と目をしたイケおじと挨拶しながらハグ。
セニート王国民の親しい間柄の挨拶だ。
L「紹介するよ。トレバーは分かるよね?あと、チャップス商会のフェルナンドにリーライズ州で会ってから一緒に行動しているイヴァン、ナディア、セレーナだ。」
「まぁ、可愛らしい子達。立ち話もなんだわ。あなた」
「ああ、食事の準備が出来てる。取り敢えず食事をしようではないか。」
L「タンドリーチキンとラッシーある?」
「もちろんよ」
L「やった!」
と会話しながら食堂へ移動するのだった。
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