第2章 水柱 編 第1話<移動と王国南部インダレーナ州>
今回より第二章 水柱編の始まりです。
よろしくお願いします。
「○○○」は誰かのセリフ
(○○○)は誰かの心の声、もしくは思念や念話でのセリフとなっています。
[試練の旅]に出て始めの目的地である土柱様に会い、ドワーフ族や巨人族との交流を終えいろいろと考えることもあり睡眠不足気味なルーカス。
〜☀︎☆☀︎☆☀︎〜
各々、気持ちの整理をつけて迎えた朝、軽く朝食を取りながら今日の予定を決める。
ホログラムで地図画面を開き今いるリュドー州、を海沿いに東に向けて走り、ジプトーエ州、イスカミール州、をひたすら東へ進み、川を渡って更に南下しつつ東へ向かい幾つかの州を抜けた先にある南のこの州が、水柱様が住むインダレーナ州だ。そこの主要都市までは5日ほどかかる。
L「インダレーナには親父の上の妹であるクレア叔母さんが嫁いでいるから州知事邸に世話になろうと思う。近いうちに連絡しとく。」
話が纏ったところで出発の準備をしてエリアを出る。
車は海沿いを南下しながら東へ。外に見る海はやっぱり広かった。車内では、
F「わぁー!久しぶりの海ー!ねぇねー、何処かで写真撮らなーい?」
T「どこかいいスポットがあればな」
L「この辺はよく知らないなぁ。インダレーナの叔母さんとこの港町は綺麗なとこだけどな。」
I「王国は色んな感じのところがあって面白いな。飯も美味いとこ多いし街も各州で其々 特徴がある。」
L「王国、広いからな。色んな人種いるし地域によっては気候も様々だしな。飯は、何代か前の国王がグルメな人でな。[試練の旅]で世界中 回ったとき気に入った店メモって帰国後 当時の国内の調理師を目指してる若い奴にメモした店へ修行に行かせたらしい。お陰で王都は世界中の飲食店が集まってんぞ。」
I「へぇ、そうゆうのいいな。俺も次からメモろうかな。」
F「ねぇねー、ルーカス。叔母さんてどんな人ー?」
L「一言で言えば明るい人だな。めちゃくちゃ情報通だしな。」
F「おぉー!何か凄そうな人ー」
L「どうやって情報集めてんのか知らないけど何かとやたら詳しいんだよ。噂話から機密、国王と王妃の当時のデートコースまで。」
F「えー!怖〜っ。内緒話 出来ないねー」
T「今から向かうインダレーナの州知事邸は諜報に長けた方が多い。州知事婦人も第二王女だった当時に王女で有りながら諜報部に所属しご活躍をされていたしな。」
L「そ。そこで今の旦那と出会って結婚。」
などの話をしてインダレーナを目指す。
*○*○*
T「そろそろ昼休憩にしないか?」
L.F「「賛成ー」」
という事で、ランチ出来る場所とパーキングを探して車を止める。海から吹く風で潮の香りを感じながら店を探す。
しばらく歩くと魚介類や肉の焼けた香ばしい匂いと賑わっている店を見かけた。
L「うまそうだな」
F「うん。ここ行くしかないっしょ」
少し並んでから空いたテラス席に座り、
バルック・エクメーイ(通称 鯖サンド)を始め、
ムール貝とバターライスを合わせたミディエ・ドルマ、彩りの良いサラダのチョバン・サラタス、ケバブとキョフテは外せない。
しょっぱいヨーグルトのアイランにも挑戦しドンドゥルマで〆(締め)る。
F「何この肉!ヤバくなーい?」
I「当たり前にうまいな!」
L「こっちのキョフテもラム肉にスパイスが効いててなかなかいけるぞ。」
N「このミディエ・ドルマ、ライスに貝の旨みが合わさって気に入ったわ」
T「ここのバルック・エクメーイは魚の臭みもなくていいな」
L「リュドー州と言えばこのアイス、ドンドゥルマだよな。」
などの会話も楽しみながらランチを終える。
*○*○*
その後、パーキングに戻る途中に小さな教会でクッキーを売っている子供達を見かける。
気になったセレーナは教会の方へと近づいて行き、
「クッキーいかがですかー?」
「プレーンとココアとナッツ入りの三種類あります。」
子供達の様子をじっと見ているセレーナを見てルーカスは
L「おし、たまには教会入って祈っとくか。
君達ー!、帰りに買わせてもらうからよろしくなー。」
と話しかけて教会に入って行く。
中には小さな女神像が置いてあり神父とシスターがいた。
ルーカス達はあっさりとお祈りを済ませるが、
イヴァンとナディア、セレーナの3人は長くお祈りをしている。
その間に、シスターに子供達のことを聞くと今日は学校は休日だが、働く親のため学童保育所を兼ねてる教会なので預かっている。
時々、クッキーなどのお菓子を焼いて市民との交流活動をしている。と答えた。
お祈りを終え外に出た一同。
やはり子供達を見ているだけのセレーナにルーカスは、トレバーから数枚のコインを受け取りセレーナにアナスタシオ語とセニート語で話しかける。
L「セレーナ、並んでいる三種類のクッキー 一袋ずつ持って(これ下さい)と言ってコインを渡せばいい」
と言ってコインを渡す。
S「これ、下さい?」
L「そう。行っておいで」
セレーナは子供達に向かって行きクッキーを購入し戻ってくる。
皆でサムズアップをして迎えセレーナも親指を立てて車に戻る。
初めて自分で買い物が出来たセレーナは嬉しそうだった。
*○*○*
再び車はインダレーナ州に向けて走り出す。車内では教会で何を祈っていたのかの質問タイム。
F「ねぇねー、皆 何お祈りしたのー?、俺はねー、カメラの腕前が上がりますように だよ」
T「この先も無事旅が出来ますように だな」
L「俺もそれだな」
F「イヴァン達はー?何か長く祈ってたよねー」
I「父上が無事でありますように。とか帝国に平和が訪れますようになどいろいろと」
N「わたしも一緒」
F「あ、何かごめん。そりゃ、気になるよね」
I「いや、いいんだ。父上達の事は気掛かりだが、帝国から逃げてる身だし。偽名使ったとしても手紙は出せないし電話も盗聴されるだろう。」
L「実際、今の帝国の現状ってどうなんだ?」
I「父上から聞いた話では、もともと痩せてる土地が多いから作物が育ちにくいんだが、各地に住む人々を軍人にするため帝都に召集され農民が減り、更に作物の収穫量が減った。
魔力量の多い子供にも武器を持たせ訓練の毎日。
その他、魔力量の少ない人や働くことの出来なくなった老人は税が払えず家を失った。」
N「父上を始め反皇族派の人達が弱い立場の人に手を差し伸べて施しはしてるけど追いついてないのが現状よ」
T「手紙や電話以外で何か帝国のお父上殿と連絡方法があればいいのにな。」
ルーカス達の会話を聞きながら後部席で体を丸め寝たふりをしながらシルビアは思案する。
L「セレーナは教会で何を祈ってたんだ?」
アナスタシオ語で質問するルーカスにセレーナは
S「罪の無い民を私がこれ以上傷付けない様に祈った。それとセニート語が理解できるようにと。」
L「そっか。あ、セニート語なら俺達が教えてやるよ。後、セレーナが罪の無い民に手を出そうとしたら俺が必ず止める。」
F「あれ?ルーカス、何 自分だけカッコいいこと言っちゃってんのー?そこは(俺たちが止める)でしょう?」
L「え?あぁ、そうだな」
S「さっきの子供達と同じように教会前でクッキーを渡してた事があるんだ。飢える民に少しでも何かしたくて両親と一緒に配っていた。数少ない思い出だ。」
L「素晴らしいご両親だな」
S「ああ」
思案していたシルビアはジョナスに思念を送る。
Sy(のぅ、ジョナス。)
jo(どしたー?)
Sy(電話でも手紙でもない連絡方法、お主なら出来るだろう?)
jo(出来るけど帝国の情報をどうやって集めるのさ。オレっちルーカスと離れられないぜ。ジェンナもリカルドから離れられないし。)
Sy(そこなんだが、数日中には水柱様のところに行くだろうから、帝国で諜報出来る者をお主から水柱様に頼めぬか)
jo(えー、それ水柱様 絶対に面白がって実行する案件じゃーん)
Sy(おぉ そうか。では頼むぞ。それと、)
jo(まだ、あるのかよぉ)
Sy(インダレーナ州ではお主、一旦 ブローチに戻れ。インダレーナ州知事婦人クレアも[試練の旅]に出たから妾の事は知っているが、その時は諜報や城との連絡が今回や2代目の時と違い普通に出来たからな。クレアはお主とジェンナの事、知らぬのだろう?利用するとは思わぬが秘密を知る者は最小限が良い。)
jo(……分かったよぉ)
Sy(頼むぞ)
黄昏時、水柱様の住むところまでを数日掛けて車はインダレーナ州に向かい進むのだった。
お読みいただきありがとうございます。
※物語の構成上、あえてお祈りの内容を互いに発表しています。




