第20話 <環境保護地区1>
冒険者らしく荒野でモンスター討伐をするお話です。
荒野ならではの生き物達が出てきます。
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エルサーラ州に入りエルサーラ州知事邸でニ晩お世話になった翌朝、朝早くに朝食を頂き邸を出る。
[環境保護地区]前まで車で移動し、パーキングに止める。この先は車では行けない。
専用の乗り物に乗って移動する。
保護地区に入る為の手続きをし出発である。
専用の乗り物。
[カオンリン]である。
直に乗り風を感じながら。または専用の乗り物に乗り[カオンリン]に引いてもらうことも。つまり[カオンリン]は砂漠バージョンの犬ソリである。
犬ソリと言っても箱型なのでどちらかというと犬が引く犬車と言った方が正解だ。
走行中に舞う砂は、風魔法で蹴散らすのでノープロブレム。
[カオンリン] はその昔、この地区では厄介物とされ絶滅にまで追い込まれた体長約2メートル、時速約60キロメートルほどで走る焦茶 深緑 赤茶の三色の斑模様が特徴の犬科のモンスターだ。
シルビア曰く
Sy「家畜を荒らすわ、狩が下手くそで他種の狩った餌を横取りするわの嫌われ者じゃ。
その昔、妾に滅ぼされたく無くば妾に従うが良い。
人間を乗せて保護地区内を走れ。さすれば命と餌の保証はしてやろうぞ。」
と話をつけ、それ以来ここ六十年ほど管理者や冒険者を乗せて保護地区内をパトロールするのが仕事。違反すればシルビーにより手痛い制裁が降るらしい。
見渡す限りの荒地。
地面はひび割れ草とところどころ細い木が生えている。舗装道路なんてものはない。
場所により電波も届かないので地図と方位磁石を頼りに、途中でクエストをこなしながら今日の宿泊地であるエリアを目指す。
各2名ずつ3台に別れて[カオンリン]率いるソリに乗って荒地を走っていると、
幾つかの子育てをしている小動物やのんびり草を食べる草食の生き物、狩中の肉食の生き物を見かけたりする。
[カオンリン]ソリの乗り心地は普段から管理者を乗せてるだけあってなかなかだった。
こうして保護地区の生き物を眺めながら進んでいくと、地面に凹と穴の空いている場所に来た。
穴から顔を覗かせるモンスター[キラー土竜]を見て止まる。
[キラー土竜]は成猫ほどの大きさで、あちこちに穴を開けて土の中に生息する昆虫や小型の爬虫類などを餌にする。 見える範囲内で穴が十数個。そこから顔を出したり引っ込めたりしている。
まさに、土竜叩きの図のようだ。
L「トレバー作戦は?」
T「[キラー土竜]は変わった強い匂いと煙を嫌う。穴は中で全て繋がってるから穴の一つ以外を塞ぎ煙を穴に入れ誘き出せられれば良いのだが…」
I「ナディア、吸血虫除けの香球 余って無かったか?」
N「有るわよ。」
L「お、それ使えそうじゃん。」
誘き出す穴を一箇所決め、それ以外の穴を魔法が使える皆で手分けして土魔法で埋めて火をつけた香球を穴へ入れる。
予想通り、残した穴から出て来た[キラー土竜]計11匹。
S「サンダー!」
N「サンダー!」
T「雷光突き・襲雷!」
I「雷鳴の轟き・迅雷!」
など次々と攻撃して討伐した後、ラーマで素材に変えて不思議鞄へ。
そこから少し行き大きな岩の側で[大蠍]と遭遇。
30センチ前後ほどの大きさで、尾を立て鋏を鳴らしながら威嚇している。同時に仲間を呼んでいる合図で、しばらくすると仲間が近寄ってきた。
T「気を付けろ!尻尾の毒にヤラレれば意識障害を起こし下手したら死ぬ!!」
N「雷魔法で先に感電させるのは?」
T「やってみよう」
N「セレーナ様」
S「分かっている」
S.N「「サンダー!」」
人間なら強めの静電気を受けたほどの初級雷魔法だ。
身体の体格差か魔法の加減か事切れて黒焦げである。
L「5匹か。ま、次見かけたらまた…」
F「そだねー、次行こー」
と若干 真っ黒焦げな大蠍に同情しながら素材にし鞄にしまう。
どの道 討伐するのだ。結果オーライである。
再び[カオンリン]に乗って移動していたら、
jo「モンスターが近づいてくるぜ」
の声に[イェルモキャット]が何かから逃げているのを見かけ、様子見でゆっくり走り暫くすると草が生い茂っている間の地面から振動が伝わってきて直ぐ近くで
「ボコッ!ボコボコッ凸凸!!」
と土が盛り上がって巨大なムカデモンスターが顔を出した。
F「ウッワー!!気っ持ち悪ーーー!!!」
L「あぁ、猫が逃げたくなる気持ちがわかるな!」
T「おい!構えろ、来るぞ!」
全長5メートルはあるムカデが頭部を持ち上げ3メートル程の高さから無数の足を動かし体液?涎?を垂らしながら見下ろしてくる。その数2体。
獲物を逃したムカデは苛立ってる様子で構えている。
I「コイツは身体中に生えてる棘を飛ばし刺さると麻痺する!あと、口から粘液を吐いてくるぞ!粘液は匂いがキツい上に粘ついて動きを鈍くさせてくる!避けろ!!」
言われた側から口をモゴモゴさせて粘液を吐かれ、何度か避ける。
L「ヒート・レイド!」
T「火炎突き・火炎流し!」
I「炎の絆・鬼火!」
前衛は死角に入って火技を使い焼き斬りつけるも棘が刺さらないように攻撃するためと体が大きい分 削りが浅いから致命傷には至らない。
F「フレイム・ラピッド!」
遠距離攻撃担当のフェルナンドが何度も銃を撃ち込むがこちらも致命傷を与えるほどには至らない。
N「少し離れて!」
ナディアの声掛けでキャタピラーから距離を取り、
S「ストーム!」
風魔法でキャタピラーを囲うように砂嵐を作り、
N「ロック・ビート!」
土魔法で礫を砂嵐の中に打ちつけ徐々に体力を削り倒した。
ラーマで素材にして鞄に入れ、[クリーン]で、かいた汗と着いた砂埃 粘液 等を綺麗にし、少し離れた場所で小休憩して水分補給。
『聖獣の妾が手助けしたらお主等の成長に繋がらん』
と言い、基本、討伐中は少し離れた場所から見ているシルビア。
Sy「お主ら、女子に負けとりゃせんか?」と手痛い意見である。
皆で
F「さっきのさー、猫がムカデに追い掛けられてるのって何か違和感あるんですけどー。」
L「言われてみれば生態系 無視になるか。猫もあんな棘まみれのやつ食うとも思えんが。」
と話していると、[大蠍]を追いかける[イェルモキャット]を発見。
蠍6体、猫10匹はいる。
いち早く動いたのはセレーナ。
S「エア・カッター!」
風魔法のを放ち、体の一部に傷を負わせて動きを鈍くする。今のうちにと前衛が走る。
L「ヒート・レイド!」
T「火炎突き・火炎流し!」
E「炎の絆・鬼火!」
蠍は尻尾の毒、猫は動きが早く鋭い爪攻撃が厄介な特長の相手だが難なく討伐出来た。
魔法と前衛のきれいな連携を取る事が出来た。
L「今のやり方、良かったな。サンキュー、セレーナ。」
S「いや、構わない」
短い会話を交わしモンスターを素材にして小休憩終わりである。
その後は昼休憩場所までひたすら移動した。
途中全長3メートルはあるでかい蜘蛛に追いかけられ倒せなくは無い。が、見るのも嫌で
『ギィヤァーーーーーー!!!!!!』
と叫びながら一目散に逃げ出すルーカスとフェルナンド。
T「あ、待てルーカス!」
と言いながら2人を追うトレバー。
帝国民3人もモンスター相手に背を向け走るルーカス達に呆気に取られながらも追いかける。
何とか撒いて目的地に到着した。
jo「ケタケタケタケタ。かっこ悪ー!」
Sy「はぁー!情けないのー、此れも修行。次は挑戦するのじゃぞ。」
ルーカス達を翼で差し爆笑するジョナスと大きく溜息を吐き首を振るシルビー。
L.F「「面目ない」」
T(俺、とばっちりだょ)
と項垂れる3人。
巨大蜘蛛を巻き、遺跡の側で泉が湧いており、草花が風に揺れて綺麗な場所で休憩。
ここまで頑張って走ったのは[カオンリン]である。なのに何故か妙に疲れた一同。
知事が持たせてくれた弁当のスパイシーフライドチキンとあっさり塩味フライドポテト、フルーツジュースを食し、疲れと空腹を満たすのだった。
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