俺とヤンデレと枢機卿5
キメラ達がやって来たのは駅で停まった列車の近くだった。
停車中は加護の力が弱まってしまうようだ。
(アルメリア……ロベルタ枢機卿が考案したって言ってたな)
ジャスミンたちの話から聖女のような子を想像していたのに、やや癖のある話し方からロリババアのような印象を受けた。
もしかしたら、実年齢は俺たちよりも上なのかもしれないと思ってしまう。
考え事をしながら救護室を出ると、アルメリアと鉢合わせた。
赤い法衣の少女枢機卿はニッと笑う。
「ドゥーン・アントラット」
フルネームで呼ばれた。
そう言えば、アルメリアにはまだちゃんと挨拶をしていなかったような気がする。
彼女からの自己紹介は聞いたのだが、俺は名乗っていないはずだ。
「お前の疑問に答えてやろうと思ってな。ああ、わたしのことはメリアとでも呼んでくれ。敬称はいらん」
アルメリアは若干めんどくさそうに言う。
その口ぶりから偉そうに振る舞っている訳ではなさそうだ。
――素であの話し方なのか?
それはそれでどうかと思う。
癖のあるキャラクターも、ゲームの世界のようだ。
「ついてこい。貴賓室に案内してやろう」
この列車には特別室まであるらしい。
預言者とも言われているアルメリアの話が何なのか、少し気になったのでついていく。
先頭車両、運転席のすぐ横にその部屋はあった。
一両目の車両の一部を改装しているようだ。
豪奢なテーブルにソファー、応接セットが並んでいる。
「適当に座ってくれ。楽にしていい」
アルメリアは一人掛けのソファーに腰を下ろし、俺に向かってそう言った。
言われた通り、空いているソファーに座る。
だが、楽にしろと言われてもこれから何の話があるのかわからないので緊張が解けない。
「なに、畏まることはない。いくらわたしが聖教会の枢機卿とは言え、それだけだ」
そんなことを言われると逆に固まってしまう。
そもそも、何で俺が個別に呼ばれたのかがわからないのだ。




