第六話 その11 ブランド
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俺の檄に対して一瞬であったが周囲の人間がざわついた気がした。いや明確に俺の叫びに注目する視線が感じられたのだ。
天令の勇者、その影響力は俺が考えてるよりかなり大きかった。あんなのただの乱発SSRレッテル貼りだと思っていたが、この状況、あんなんでも希望なのだろうか?いやこんな状況だからこそあんなものでも希望の光なのかもしれない。
この際、天令の真否等どうでもいい、とにかくここに居る奴等で何とかしなければならない。それだけは間違いないのだ。周囲の人間に僅かだが覇気が宿った様に感じるのだ。
(そうか!)
こいつらは考えてみたら前面に出て逃げ惑っている俺を普通の青年としか思っていなかったのだ。あの少年だけがふれ回ってくれてはいたが、俺が天令を受けている事は恐らく完全には伝わってなかったのだ。先程、俺が大声で檄を飛ばした事で天令の勇者は、今この場でグソクに対抗する明確な旗印となったのかもしれない。
(いける!?)
行けるかもしれない!
本意ではないが…勇者ブランドを前面に押し出していけば、上手くいけばここいらの雑兵どもをコントロールできるかもしれない。考えてみれば日本だってそうだった。大したことない製品でも有名ブランドのロゴ一つ、人気キャラクターのシール一つでも貼ってあれば?明らかにステマと分かっていても有名人が推しさえすれば飛ぶ様に売れるケースは巷に溢れまくっていたではないか。
そう!日本では民衆はいつだって買う理由を探していた。
ここの奴らにしてみれば戦う理由、目標、道標みたいな物が欲しかったんじゃないのか?必要だったんじゃないのか?戦う意思の統一を欲しがっていたんじゃないのか?
そうか!
なら俺がそれを与えてやる!しかし勇者だからと言って俺にはちゅん助みたいな途轍もない能力とか必殺技の類は全く与えられていない…もらってるのは迷惑な勇者ブランドだけ…
だったら!
そのブランド!使い倒したるわ。人生ある物で勝負するしか無いのだ。
「クソ蟲ども!見てろよ!」
そう、能力なんてない!
しかし!
俺にだって元の世界で46年間生きてきた社会経験と実務担当能力というものがあるのだ。ちゅん助みたいに色々転職しての経験はないが一社懸命。社畜としてこき使われて決して楽じゃない仕事をこなしてきたのだ。
今!ここで!その経験に裏打ちされし実力を見せてやるよ!
こんばんはちゅん助です。今回もお読み頂き有難うございましたお。
ラノベのイズサンは職権乱用!?似非だろうが勇者ブランドを前面に押し出して民衆を統一し反撃の狼煙を上げようとしてますが現実のちゅん助は貴金属の値上がりが投機筋の動きが大きいと見て銀の在庫を少々ずつ売り始めました!アクリムの街でアクリムリウムを利用して悪徳商売したラノベのちゅん助にあやかれるのかお!?
であであ!




