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第六話 その7 ただ一人

 今のはやばかった。まともに青大将の正面に重心を置いてしまった。危うく奴の脚に掴まれそうになった。幸いにもスピード特化型の青はその分ダイオウより掴む力が幾分弱かった様に感じた。もし脚にダイオウと同じ力があったなら、今のタイミングでは確実に大口に引き込まれて頭蓋を砕かれていたはずだ。何とか剣で脚を払いのけ再び必死で逃げに入る。

 

 だが、気が付くと混成団の連中は青大将からかなりの距離を取りビビりながら、申し訳程度に灰色を相手にしながら遠巻きにこちらを窺っているではないか!?


「なんて奴等だ!」


 核蟲を倒さなければ勝機は無いぞ。


 何度もそう言っているのに、この期に及んで他人事の様に灰色を相手にお茶を濁しているなどと!いくら灰を倒したところで全く意味はない、とにかく核蟲を、核蟲を葬らない事には事態の打開には至らないのに。

 灰色と遊んで現実逃避してるのは結構だが、核蟲を倒さなければ街の灯が消えるのは遅いか早いかだけの違いなのだ。一か八かでもコイツに挑まなければ敗北=死はもう目の前の状況、どうしてこいつらにはその程度の事が…その程度の事が分からないのか?彼らの現状把握能力に絶望たる思いを感じた。


 こんな時、ちゅん助がいてくれたらブチ切れて奴等のケツでもひっぱたいてくれただろうか?こんな烏合の衆の中でもたった一人、ただ一人くらいは状況を理解してくれる奴はいないのか!?

 皆に強く訴えてくれる奴はいないのか?一人で、一人で良いんだ。たった一人が皆を動かす、そういう奴が一人くらい居てくれたっていいんじゃないのか!?








 居た!










 たった一人!






 この状況を理解してくれている人物が。


「みんなー!勇者様を助けて~!」

「このままじゃ!街のみんなが死んでしまうんだああ~!」

「あの怪物の口の下に居る白い奴!」

「アイツを倒さない限り!みんな死んじゃうんだあ~!」

「アイツを!」

「白い奴を倒すしか、助かる方法はないんだあああああ!」


 声の主はあの少年だった。彼はちゅん助をどこかへ匿った後、勇敢にもこの戦場に舞い戻って、今ここにある危機とその打開策を周囲にふれて回ってくれたのだった。人間どことなく頭では理解していても恐怖や絶望的状況に陥ると正しい行動を取れない。所謂、正常性バイアスにかかると言う奴だ。周囲の奴等は完全にそれに陥っていた。勇敢なる少年の叫びは、周囲の奴等に今やらなければならない事を認知させた様だった。周囲に士気が戻るのを感じた。


 しかし!


 魔王がそのような危険な人物を許すはずがなかった。俺に向かっていたはずの青大将の口の下で魔王が少年の方に視線を向けた気がした。その瞬間青大将が急激に方向を変えた!


「マズイ!」


 少年は青大将が自分に向かってきた恐怖か!?突然の出来事に対応できないのか棒立ちのままであった。


 俺は必死になって少年へと疾走した。

こんばんはちゅん助です。今回もお読み頂き有難うございましたお。

ラノベのイズサンは核蟲を倒そうとなんとか団結を試みてますが現実のちゅん助は大相撲の優勝決定戦を見てました。白鳳1強時代から三竦み、そして勢いのある巨漢力士とタレントが揃ってきてるみたいですなお!人気がかなり出て来てるというのも頷けるものだお。

であであ。

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