第六話 その5 一瞬にして散る
人間が潰され噛み砕かれるのはこんな気色の悪い音がするのか。そう思い知らされる程の鼓膜にこびりつくような音を発して隊員二人の命が一瞬にして弾け飛んだ。
(やはり速い!)
二人には気の毒だったが青の巨体の速度を確かめずして近付いたなら、ああなっていたのは俺の方だ。
大きさではダイオウに劣るようだがスピードと小回りが利く分、逆に対人戦での凶悪さは比べ物にならないのではないだろうか。
(あの時仕留めておけば!)
勝負にタラレバは無い。あの障壁を砕いた一瞬が文字通り千載一遇のチャンスだった事を思い知り、激しく後悔した。しかし、もしあのまま攻撃を続けていれば、それはちゅん助と少年を見捨てることになっていたはずだ。それは出来ない。それをしていたらその時の後悔は今とは比べ物にならないはずだ。
俺は、俺達は生きている!生きている限り勝機はある!
そう言い聞かせながら剣を握り直す。
だが問題はその勝機がどこにあるのか?
考えもつかず、考える余裕すらない事だった。
(ちゅん助が居れば…)
今さらながら参謀を失った影響の大きさを思い知る。あいつはふざけている様で色々考えてくれてる奴だったのだ。くだらないギャグ一つでもどれほど俺の精神的余裕を作ってくれていた事か…
「た、隊長の言った通り!時計塔広場が大変な事になってる!」
「本当だああ!」
「でもデカい奴は勇者様がやっつけてくれたはずじゃあ!?」
「まさか!2匹居るのか!?」
「!」
恐らくガレッタの情報を聞きつけて来たのだろうか?
正規兵と傭兵の混成と思われる一団が広場へと入って来る。
有り難い!ここに来ての増援!直ちに情報を伝えなければ!
「おい!絶対に正面から近付くな!」
「体はデカくてもコイツは想像以上に速いぞ!」
「側面に付いても油断するな!脇に居ても二人が一瞬でやられた!」
「後方に付いた奴以外は絶対攻撃するな!」
「正面に付いた奴は逃げと躱しに徹するんだ!」
先程の二人の様に一瞬でやられたら元も子も無い!俺は矢継ぎ早に指示を飛ばした。
「は、はい!」
「分かりました!」
混成団は何とか状況を理解して広場は一転、またも青大将と灰色と俺と混成団とで大混戦となった。
ダイオウならば脇に付けばなんとか剣撃を叩き込めたが青大将となると脇からの一撃はこちらの命と引き換えになる可能性があった。
移動速度も厄介であったが何より小回りが利く事が恐ろしい。
ダイオウならば躱して一撃!ヒットアンドアウェイの戦法をどうにか取れたが青大将相手にそれをやろうものなら剣を振りかざした瞬間に目の前に奴の大きな口があった。俺の警告を理解しなかった3、4人がもう既にそれでやられているのだ。
そしてまた一人!
「この間抜け!」
間抜けな増援、混成団にはあの少女でなくともそう言葉が出てしまう。
おはようございます、ちゅん助ですお。今回もお読み頂き有難うございました。
ラノベのイズサンは何か光明を見出そうと頑張ってますが現実のちゅん助は今年一番の雪と寒さに震えております。炬燵に居ても寒いおwww
であまた次回。




