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錆びた秒針、逆時の梅雨  作者: 夜澄コウ
終章 修復
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48/50

第48話

「いっだ!!!!」




は??地面??




あれ……僕はミユを押して、トラックに……。




どうなったんだ??


辺りを見渡して……って。




「なんだこれ……??」




周りが……ほぼ止まったぐらいに遅くなってる。




ミユは……ミユはどうなったんだ??




「ユウトくん……。」




「あれ……ミユ、無事だったの、」




右頬に強烈な一撃が走った。




「ユウトくんの、バカ!!!!!」




次の瞬間勢いよく僕に抱きついた。




「え……。」




「私が……絶対に死なせないように!!……うわぁぁぁぁん!!!!」




「いや、ちょっと落ち着けって!!」




「無理だよ……私怖かったのに!!!!」




「ちょっと……ほら、深呼吸!!」




「うう!!…………。」




「落ち着いたか……?」




「ほんとにユウトくんのバカ!!」




「それしか言ってないじゃん。」




「あとなんでこの状況で平気なの……。」




「まぁ……変な事色々起きたから、慣れたのかな。」




「バカじゃないの!!」




「そんなバカバカ言われても……。」




「ユウトくんは私が救おうとしてたのに……なんでユウトくんが私を押したりなんかしたの!!」




「それは……僕もミユを救おうとしたから……。」




「私なんか救わなくてよかったの!!私は全て失ったの!!……希望があるユウトが生き残ればって思って……。」




「それだったら僕も一緒だな。」




「嘘!!そんなわけない。ユウトくんにはたくさん希望があるでしょ!!」




「確かにあったな。けれど、なくなっちゃったんだ。大切な人が亡くなっちゃってさ。」




「そうなの……。」




「だから、ミユが言うほどそんなことないよ……ミユにだって喜んでくれたり、悲しんでくれたりする人がいるよ。それば僕が知ってる。」




「そんなわけ……。」




「僕が信じれないの?」




「ううん……けれどなんで死のうとしたの!!」




「ミユに生きてほしかったから。」




「それは私も一緒なの!!」




「困ったな……。」




「だから死ぬのは私でいいの!!もう失うものなんて何もないんだから。」




「そんなこと言わないでくれよ……。」




「……ごめん。」


「死なせたくないってもしかして僕死んじゃったの?」




「うん……。」




そうだったのか……。


僕死んだんだな。




「てことは私も……。」




「そう……死んじゃったんだ。」




「もしかして……神社行った??」




「嘘……ミユも行ったのか??」




「うん……。」




「じゃあ巻き戻る世界で……あったミユは……。」




「それ……私なの。」




「あの時、どうして……。」




「だってユウトくんにあったら死ぬ勇気なんてなくなっちゃうじゃん。あと、あの世界にいたいって思っちゃうし!!」




「確かに……それはそうだな。」




「あと!!私の忠告無視したでしょ!!心配だったから、一応って思ってやったのに案の定じゃん!!」




「それは……ごめん。」




「ほんとに!!もっと謝ったっていいんだからね!!」




「……」




「……ふっ。」




なんでかわからない。


けど、大笑いしてしまった。




「じゃあ、一緒だね色々。」




「ほんとにね。」




「私がいなくて寂しかった??」




「からかうなよ!!……寂しかったけど。」




「正直でよろしい!!私も寂しかったもん!!」




「ちょ……いたいって笑」




「ねぇ……よしよしして。」




「……わかった。」




「……落ち着くな。」




「ならよかった。」




「ミユ。」




「どうしたの??」




「これからどうする?」




「どうしよう。たぶんずっとこのままじゃないよね。」




「たぶん。」




「……どっちかしか生き残れないの??」




「そうかもしれない。起きることは変わらないからさ。たぶんこのまま、二人で避けてもトラックが曲がってくるとか、何かしらでどっちかが命を落とすと思う。」




「……やっぱりさ、ユウトが生き残ってよ!!私生きててもいいことないしさ、さっきも言ったけど何もなくなっちゃったんだ……だからユウトくんが、」




「………え、」




「ミユには……生きててほしい。」




「え、ちょ……ユウトくん……今、キスし、」




「好きだ、ミユのことが好きなんだ。」




「うえ!?」




「だから、僕は生きていてほしい。一緒に生きたいんだ。」




「え……嘘……ほんとに。」




「……ほんとだよ。二度も言わせるなよ……。」




ミユが顔をうずめてきた。




「ユウトくんの……バカ。バカバカバカ!!」




「ごめんよ……どう伝えていいかわからなくて……。」




「ずるい、ずるいよ……。」




「そんなことないよ。だからさ、僕のために生きてほしい。そんな悲しいこと言わないでほしい。」




「……バカ。」




「一緒に生きよう。明日も明後日もその先も一緒にいたい。」




「うん……。」




「だから片方なんて嫌だ。」




「……方法あるの……?」




「一か八かだけど、二人でこのトラックに轢かれるんだ。絶対に片方を失うなら賭けてみる価値はあるだろ。」




「ユウトくんが言うなら……そうする。」




ガチガチガチガチ。




「なんの音?」




「もう止めるのが限界なんだ。たぶんこの状況は走馬灯だと思う。伝えること伝えちゃったから。」




「どうしよう……怖いよ……。」




「大丈夫。今度は上手くいく。きっと上手くいく。」




「ユウト……。」




「ミユ。」




ギギギ……ガチャン。 




周りから見れば一瞬で何が起こったのかも分からなかったと思う。




一秒で二分のキスだった。




…………ボン。

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