第47話
「ミユ、待たせてごめん。」
「全然いいよ!帰ろー!」
あの時と何も変わっていない。
いい笑顔だな。
「今日はどうしよっか!」
たしか、この日は十字交差点縛りだったっけな。
「こないだはT字交差点縛りした気がするから……今日は十字交差点縛りにするか?」
「いいね!そうしよ!楽しみだね!!ユウトくん!!」
「相変わらずはしゃぎすぎだな。」
「それが私の長所だもん!!……いこっか!!」
ん?少し顔が暗かったような……。
ミユ、なんか無理してるのか……。
「ミユ、大丈夫か??」
「ん?何のこと??」
「いや、さっき暗い顔したような気がしたから。」
「気のせいだよ!!」
「ならいいんだけどさ!!」
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とうとうユウトくんと十字交差点縛りゲームが始まってしまった。
今でも恐怖しかない。
死ぬのはやっぱり怖い。
でも、私はユウトくんを救えたらもうそれでいい。
そう思ってここまで来た。
けれど、ユウトくんの様子がおかしい。
前の時のユウトくんと少し雰囲気が変わった気がする。
……少し大人びているような。
さっきも大丈夫かって心配された。
今までこんなことはなかった。
もしかしたら、私の暗い顔が出てたのかもしれない。
ユウトくんごめんね。
ミユ、気をしっかり持つんだよ!!
「こんなの帰れないじゃん!!私もう無理ーー。」
今だけなんだから!!甘えられるのは。
「ほら、頑張って。きっと大丈夫だよ。」
「ん……わかった!!がんばる!!」
ユウトくんとはこれで最後なんだから。
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「これいつまで続くのー!!やっぱ私、無理ーー!!」
やっぱりこのゲームって難しいんだな。
前の時も二十分ぐらい同じ道をぐるぐるしてたっけ。
「けれど、あとちょっとっぽいじゃん。頑張ろうよ!!」
ミユ、少し雰囲気変わったのかな。
いつもと何か違う気がする。
なるべく同じ事を話しているのに、前の時とは違う言葉がかえってくる。
けれど、起きることは一緒だった。
ミユがたくさん道を見つけてくれて……難しいところも抜け出せた。
ここまではいいんだ。
ここからさ。
「あ!!ここで最後じゃない!!」
とうとう着いてしまった……四連に続く十字交差点。
ここで、ミユとお別れになった場所だ。
「そうだな。」
「……。」
「どうしたんだ?ミユ……。」
「そっちこそ!!行かないの??」
「……いくさ。」
「じゃあ、私が先に行くー!!」
「ちょ、待てよ!!」
「やなこった笑」
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私の決戦の地、四連交差点まで来た。
あ!!ここで最後じゃない!!って言ったけど、ユウトくんとも最後になるんだ。
正直進みたくない。
ここに来るまで、ユウトくんと久々に話してやっぱり一緒にいたい、そう思った。
私ってやっぱり欲張りなんだな。
あれ……ユウトくんも進んでない。
やっぱり今日のユウトくんは前は何かが違う。
「どうしたんだ?ミユ……。」
やばい……不審がられたかな……。
どうにかしないと。
「そっちこそ!!行かないの??」
「……いくさ。」
やっぱり……何か違う。
けど、私がすることは変わらない。
「じゃあ、私が先に行くー!!」
「ちょ、待てよ!!」
「やなこった笑」
「そんな急がなくても……」
一つ目を越えた。
「やっと帰れるんだよ!!サイコーじゃん!!」
「そうだけど……」
「じゃあいいじゃん!!」
二つ目を越えた。
恐怖で手が震えるな……。
「ちょっと押すなよ!!」
「やっぱり、ユウトくんが先に行って!!先にゴールしてほしい!!」
「それはどういう、いつもならミユが先って……。」
「いいの!!先に行って!!」
よし、これで準備は整った。
ユウトくん、これで最後になるかもしれない。
ほんとに……
「……ごめんね。」
「ミユ、なんかいったか??」
「うんん、なんでもない!!」
最悪だ。
滑って口から出ちゃった。
聞かれてなかったから良かったけど……。
ここからは時間勝負だ。
必ずユウトくんを助けるんだから。
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相変わらず元気がいいな……ミユは。
「ちょっと押すなよ!!」
「やっぱり、ユウトくんが先に行って!!先にゴールしてほしい!!」
あれ、いつもなら勝負事は一番がいいミユがどうしてそんなことするんだ??
「それはどういう、いつもならミユが先って……。」
「いいの!!先に行って!!」
でもこれじゃ……死んじゃうのはミユだ。
駄目だ。
僕がうしろ行かないと。
「……ごめんね。」
……?
「ミユ、なんかいったか??」
「うんん、なんでもない!!」
今、ごめんねって言ったよな。
やっぱりそうだよな。
けれど、これから怪しまれずにするためはどうすれば……。
「ユウトくんどうしたの??」
「やっぱり一緒にゴールしたほうがいいかなって。」
「…………それがいいかもね!!そうしよう!!」
これで大丈夫だ。
最悪、僕がすぐに後ろに回ってミユを押せばミユは助かる。
これで行こう。
とうとう三つ目を越えた。
「行かないの??」
「行ったら、終わっちゃうんだなーって思うと、少ししみじみしちゃって笑」
「なにそれ笑。でもきっと大丈夫だよ。」
「そうだな、ミユもきっと大丈夫だよ。」
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とうとう三つ目を越えた。
隣りにいるって言い始めたから少しびっくりしたけど、最悪私が後ろに回って押せば大丈夫だから問題ない。
ここを越えたらとうとうお別れだ。
前みたいに先に行くねって言われなかったけれど、私も違う言動ばっかしてるから変わったのかな。
「行かないの?」
「行ったら、終わっちゃうんだなーって思うと、少ししみじみしちゃって笑」
そうだよね。私もおんなじ気持ち。
けれど、
「なにそれ笑。でもきっと大丈夫だよ。」
私がユウトくんのかわりになるから。
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「じゃあ行くか。」
「うん!!」
四つ目に入った。
となりからものすごい勢いで向かってくるトラックをみつけた。
こんなに早かったのか。
運転手は気絶してる……。
だからか。
こんな事考えてる暇はない。
僕は瞬時に後ろに回った。
「ミユ、ごめんな……。」
僕はめいいっぱいミユの背中を押した。




