第42話
「とうとう最後か……。」
父親にまで頼まれてしまう僕は一体何なんだろうな……。
なんだか気難しいな。
僕はファミレスを出て、とりあえず自宅へ向かった。
これまで自分は不幸者だと、勝手に一人で思い込んで、周りを見ようとしてこなかった。
“自分だけ”を見ていたんだと思う。
この不思議な経験をしたことでたくさん気づくことができた。
僕以上にお人好しな人もいれば、守ってくれるような人もいた。
今まで関わっていたのに気づけなかった部分、見ようとしなかった部分も。
僕自身の視野が狭かった。
僕が思っている以上に周りの人は温かい。
ミユ……一人だけでいいと思っていた。
それは違った。
僕は一人なんかじゃなかった。
みんなに支えられてきたから、こうしてここまでこれた。
立ち直れたのも、気づけたのも託されたのも。
全てこんな出来事がなければ気づけなかった。
「みんな……ありがとう。」
僕は心からそう思えた気がした。
もう一人の自分も僕が心配だったんだろう。
最後まで寄り添ってくれた。
ーーもうきっと大丈夫だ。
そして、そんな僕は気づいてしまった。
最悪のことを。
時が戻るこの現象を僕は「後悔した所へ戻る」と思っていた。
これは半分あっていて、半分は違ったみたい。
本当は「過去を変えたい強い気持ち」だったんだと思う。
僕はミユを救いたいとここまでずっと思っていた。
自分が犠牲になってでも。
けど、それは違った。
僕が犠牲になれば、また誰かが悲しんでしまう……ミユももちろん悲しむ。
それはここに来るまでではっきりとわかった。
葬式でのあの光景、ミユですらあれだけの人が悲しんでくれたんだ。
僕はもっと少ないかもしれないけど、それでも悲しんでくれる人がいる。
そして、僕は託されたんだ。
ミユの父親に、瑛太に……ミユを想う人たちに。
そんな気持ちを、状況を作るわけにはいかない。
だから、一緒に生きる方法を。
片方じゃなくて、両方を。
犠牲がない方法を、
ミユと一緒に生還できる方法を探った。
その事で、ずっと考えていた。
けれど思いつかなかった。
だって、これまでのを踏まえると多分”運命は変えることは結果としてできるけど起きることは変えられない。”という感じだ。
僕は時を戻ってから前とは違う行動をたくさんした。
あの時はこうしたってなんとなくだけど覚えていたから。
そうしても、起きたことは変わらなかった。
むしろ、場所なんて関係なくその事が起こったりした。
けれど、結果として変えてきたのは事実としてある。
「起きることは変わらない、運命は変えられるか……。」
この現象はスーパーヒーローでもない限り解決しない。
僕では手で負えない事だった。
どうしようもなかった。
それでも考えた。
何か方法はあるんじゃないか、できる方法はあるんじゃないかって。
けれど、何もなかった。
時間が少なかったのかもしれない。
けど、ますますその日まで近づいていくし、僕自身どうしようもなかった。
「……はぁ……どうしてこうなっちゃうかな……。」
だから……ミユのお父さん、僕は約束を守れないかもしれない。
最後まで考えて粘ってみるけど、最悪はそうしようと思っている。
「僕がミユの代わりになるんだ。」




