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錆びた秒針、逆時の梅雨  作者: 夜澄コウ
第六章 想いのパズルをはめて。
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第39話

「夜中にハンバーグとか贅沢だな笑」




「そうだな。」




「まじで俺たち不良じゃん笑」




「確かにな。」




「あのさ、無理に気遣わなくていいからな。」




「……。」




「つらいのは……一緒だしさ。」




「でも……こうでもしないと立ち直れない気がしてさ……ほんと俺ってダメダメだよな。」




「そんなことない。お前は良いやつさ、こんな時にも僕のことを気遣ってくれるぐらいなんだから。」




「……ありがどな……。」




「冷めないうちに食べよーぜ。」




「ああ……。」




その後はほぼ黙食だった。


僕は瑛太に……何も言ってあげられなかった。


何を言っていいのかわからなかった。


どちらも失った気持ちは変わらない。


僕は時が経っているからまだ考えようがある。


けれど、瑛太はさっきぐらいのレベルでミユを失ったんだ。




僕は残業していた親父に電話して、迎えに来てもらった。




親父はちょうど終わったとこらしく、テンションが上がっていた。




瑛太を自宅に送り届けた後、僕と親父は遅めの自宅帰りとなった。




自宅に帰った後に何があったのかを詳しくちゃんとまた説明した。




親父は僕のことを精一杯抱きしめてくれた。


やっぱり、気持ちがブレちゃうのか泣いてしまった。




親父の前で久々に泣いたよ。




その後も眠れなかった。


夢の中でミユと約束したこと、想像以上に苦しく、辛い。


向き合うって痛いんだな。




ピーンポーン。




「迎えに来たぞ。」




今日、僕のクラスだけ学校がお休みになった。


ミユの葬式が開かれるからだ。




僕は学ランに着替えて玄関の前にいる瑛太のもとに向かった。




「昨日は寝れたか。」




「全然、寝れるわけないや。」




「だよな、俺たち徹夜したのか……。」




「……。」




これからが本番だ。


ミユの葬式……いきたくなくて前はいかなかった葬式。




きっと想像以上に苦しく、悲しく辛いものだろう。


今でも手が震えるぐらい、もう一人の自分が辞めようと囁くぐらい怖い。




……怖いよ。




葬式会場にはクラスの人以外にもたくさんの人が訪れていた。


ミユはすごいな。


こんなにたくさんの人に愛されていたんだな。


尊敬しかないよ。




受付には父親と弟らしき姿が見えた。




「こんにちは。」




「こんにちは、君がユウトくんかい。」




「そうです。」




「隣は?」




「瑛太と申します。」




「瑛太くんね、二人とも来てくれてありがとう。きっとミユは嬉しく思ってるよ。」




「……。」




「ユウトくん、葬式が終わったら少し時間あるかい?」




「大丈夫です。」




「じゃあまた呼ぶから。」




「わかりました。改めて、呼んでいただきありがとうございます。」




「どうか娘の最後を見届けてやってくれ。」




そして、葬式が開始した。




気づけば一日目が終わっていた。




すごく、複雑だった。


なんとも言えないし、何も言えない。


死の前では誰もが非力なんだと実感した。




僕はこんなにたくさんの人の想いを背負ってミユを助けに行くのか。


……本当に、僕でいいのかな。




二日目の葬式が始まった。


昨日も寝れなかった。


ひたすら、ミユをどう救うか考えていた。


何かないか、一緒に生きる方法はないかって。


悩みに悩み、気づけば朝になっていた。




そして、これから告別式だ。




僕はミユが大好きだった百合の花を選んだ。


花を入れる時、ミユの顔は見えないようになっていた。


事故のあの日、顔は原型はのこっていたが、けしてきれいではなかった。




あの日、絶句したのを覚えている。


僕はそのことを忘れることはないだろう。




「今時間空いているかい?」




「大丈夫です。」




葬式の後、約束通りミユの父に呼ばれ、近くのカフェへと向かった。

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