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錆びた秒針、逆時の梅雨  作者: 夜澄コウ
第六章 想いのパズルをはめて。
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第38話

「なんでしゃべれって……大きくなって……は?」




「あはははは笑ユウトくん動揺しすぎだよ笑」




「いやだってさっきまでは何もできなかったじゃん。」




「頭が硬いな〜笑 とらわれるとそうなっちゃうよ笑」




「お前は誰なんだ??きっとミユじゃないだろ。」




「えーー笑私はミユだよ!!確かにユウトくんの知ってるミユじゃないけどね笑」




「どういうことだよ。」




「私はユウトの心の底の理想のミユなの。だってここは夢の中だよ。ホンモノが出てくるわけないじゃん笑」




「それはどういう……。」




「だから!!ここにいる私はユウトが作り出したの!!」




「はぁ……。」




「だからね、あんな事やこんな事も、」




「やめろ!!」




「ジョーダンだって笑」




「でいきなり現れてなんなんだよ。現実とこんがらがりそうになるし。」




「だって……私の言うこと聞いてくれなかったんだもん!!」




「忘れてって言ったことか?」




「きゃーー!!覚えてくれてる笑。うれしいな!!」




「いい加減にしろよ。」




「わかったよ!!私が言いたかったのはね本当にその決断でよかったの?っていう事。これはユウトが心の底で思ってることを代弁してるだけなんだけどね笑」




「……よかったさ、この決断をして。」




「けど、これから戻る場所も分かってるでしょ。私の葬式だよ……。」




「それでも大丈夫。見なくて後悔したんだ、行かなくて後悔したんだ。なのにまた逃げる選択はしないよ。」




「それで本当にいいの?」




「目を背けて、逃げることばかりしてきたんだ。ちゃんと向き合わないと。」




「ならいいんだ。私はユウトが作り出した存在だけど、きっとホンモノのミユも同じようにユウトには幸せになってほしいって思ってると思うんだ。だからその気持ちもくみ取ってあげて。」




「大丈夫、今度は僕とミユ、一緒に幸せになるんだ。片方なんて許さない。」




「なら大丈夫そうだね笑」




「ああ。」




「必ずうまくいってみせる。」




………カチン。





「……ウト。」




「おい、ユウト。起きろ……!!」




「……瑛太?」




「もう……葬式場へ運ばれるらしいから。」




「……え?」




「だから……一旦病院から出るぞ。」




ここは総合病院……目の前にミユ。


ああ、ここまで戻っちゃったか。


心の準備をしていても、きつい。




「……ああ、わかったよ。」




僕は戻る前に睡眠をとった。


夢の中でたくさん会話した気がする。


不思議な感覚だった。


けれど自然と受け入れる自分もいて正直恐怖でもあった。




どうやら葬式のあった日の本当に朝の零時ぐらいに戻ったらしい。




そういえば、瑛太と僕だけだったな。


最後までずっと最後までここにいたのは。




あいつ、ほんとに好きだったんだな。


すげーよ。ほんと感心するよ。




「おい、大丈夫か??」




本来、前の僕はここで逃げ出して、河川敷で今日一日ずっとぼーっとして現実逃避してた。




今回はそうもいかない。




「僕より、ミユだろ。」




「悲しいこと言うなよ……。」




「なぁ、ユウト。遅めの夜ご飯行かないか?」




「そうするか……。」




「ココスでいいよな。多分今の時間帯でもやってると思うし。」




「ああ。」




「行くか……。」




「そうだな。」




やっぱり、辛さは消えないんだな。


今までこのために時を戻る現象を使って戻ってきたとはいえ、やっぱりこの心に空いた穴を埋めることはできないのか……。




けど、逃げずに向き合うんだ。


そう決めたんだ。

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