第29話
「んで、ひょううんで、だてあぐったりしたんだ?」
「なんて?ちゃんと飲み込んでからしゃべれって」
あれからが大変だった。
僕が変な行動したのか、ハラセン(数学教師の原先生)は残りの授業は全部僕に当ててきた。
おかげで暇な授業中は忙しくなり、マンツーマンみたいな授業で考える暇もなかった。
その後の授業もミユのくれた一言を復唱するばかりで、まともに授業なんて聞いていられるような状態になかった。
そして、気づいたら昼休みでまた瑛太と屋上で昼メシタイムだ。
「だから、今日なんで、立ち上がったりしたんだ?」
「悪夢にもいい夢にもなる夢をみてさ、少し混乱してたのかも」
「なんだそれ笑どっちかはっきりしろよ笑」
「それはそうだけどさ、、」
「まさかそれって同級生とあんな事やこんな事の……」
「なわけないだろ!!バカにするなよ!!」
「わりーわりー、ちょっと冗談を言ってみただけだって笑」
「勘弁してくれ……」
「どーした?」
「……勘弁してくれ。」
「なになに……ってなんだこの弁当笑笑」
「僕にもわかんねーよ。親父……」
親父が今日は弁当を作ってくれたらしいけど、女もんのパンツの形で作ったデコ弁ってなんなんだよ!!
「これ親父が作ったの笑笑 傑作!!」
瑛太がお腹押さえてゲラゲラと笑ってるけど、こっちはこれを教室で開いていたら、クラスの女子に見られたらどうなったことか……考えただけでヒヤヒヤする。
「いやーお前が元気そうでよかったよ!!」
「え?」
「いやだってさ、最近不登校気味になりつつあったじゃん?」
「はぁ……」
「けど、前よりもユート元気になってルノを見れてよかったよ。まだ立ち直れてないと思うけどさ無理すんなよ。」
「そうみえるのか……なんかありがと。」
「へへっ、気にすんな。あとさ、」
「今日のどっかに渡したいもんがあるからさ、今日の放課後は時間空けててくれないか?」
「今日は暇だし、いいよ。どうしたんだ?」
「……また、話すよ。」
「あぁ、うん。」
「じゃ、先公に遅刻で呼び出し食らってるから行くわ笑」
「あぁ、またあとでな。」
瑛太のやつ、どうしたんだろうか。
いつもなら何かと素直にバラしてくれるんだけどな。
ちょっと心配だな。
「……よし。まだ時間はあるな。」
そういえば忘れてたけど、状況把握はしないと。
うんと、今日は五月十九日……?十九日!?
かなり戻ったな……。
まぁ、あの速さなら納得はいくけど。
そして、今回もミユのヘアピンを持っている。
ポケットに入っているのを授業中に発見した。
謎だよな。
戻るときは意識を失うのに、持ち物は持ってるんだもんな。
不思議なもんだ。
あとは今回は前とは違う形で戻ったこと。
けれど共通点はある、それは寝ている時ということだ。
それ以外は謎だらけだ。
何がトリガーなのか、なぜミユがいたのか?
そして、試練とはいえ、あの世界は何だったのか。
とにかく、それぐらいしか情報がないのか……。
まぁ、このあとも学校がある。
手がかりになりそうなものを探してみる……
キーンコーンカー……
「うわ、まず……次体育だった。」
考えすぎる癖、どうにかならないもんか……今日だけでも四回ぐらい思ったぐらいだし。
……今は体育最優先だ、早く行こう。




