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錆びた秒針、逆時の梅雨  作者: 夜澄コウ
第五章 因縁
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第28話

「………でこの公式がだな……」




……んん?


なんだか長い夢をみていたような……僕は河川敷から帰って、、、、いや、夢なんかじゃない。




そうだミユが……僕の前からまた消えたんだ。


次は自ら……。


例え現実でなくても幻でもよかった、ただ会えたら……ずっと願ってきたのに。




けどミユは「あなたはあなたでいて!!自分を信じて!!きっと大丈夫。」の一言を僕に残した。




“あなたはあなたでいて”ってどういうことだよ。


自分の事なんて信じれるわけないだろ。


ただでさえ、僕のせいで大切なものがなくなってるんだ。




だから、大丈夫なんかじゃないよ……。




なんであんな事言われたんだよ。


すぐそこに、川を挟んだ先にいたのに、なんで、なんでだよ……。




「……なん、」




ガコン!!




「いっだ!!」




なんだこの机、軽すぎるでしょ。


あと両太ももに直撃だよ……。




また自分の悪い癖で周りを見ていなかった。


声に出ちゃったし。


ほんと、こういうのをいい加減に直したい。




てか自分の家の机なんて倒れないよな……これ学校の机……。


周りは黒板、山しか見えない窓、そして目の前に唖然としている先生。


まさかの……教室?




なんてややこしい場所に、状況に戻してくるかな。




最悪だよ……。




音に寄せられて、周りの視線が集まってくるし。




やらかした……しかも、倒れた机は目の前にあるし、立っている状態だからさらに分が悪い。




いつもの僕らしくない……。




「おい〜ユウト、授業中にどうしたんだ?いい夢でも観れたのか?」




「あ……いや、その……すみません。」




「そうだぞ!!ユウト!!お眠りは厳禁だぞ笑」




「瑛太、お前は人の事をおちょくる前に公式覚えろ!」




「さーせん笑」




凍りついたクラス中が和やかになった気がした。




瑛太のやつ……いや、あいつに救われたのか?




あいつには今度何か奢ってやるか。




「そうだ、ちょうどいい。ユウト、教科書二〇三ページの練習問題一を解いてくれ。」




「わかりました。」




倒れた机を戻し、教科書を拾って黒板の方へ向かう。




どうやらこのときの僕は寝るためになのか練習問題が全部解いてあった。


解説付きで。


僕ってこんな細かいことするんだな……。




瑛太の奴は、こっちみては憐れみの目を向けてくる。




あいつ、ウインクまでしてきやがった。




やっぱアイツには奢るのはやめだ。

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