第24話
「あぁ!!…………はぁはぁ。」
……もう、ほんと最悪だ。
思い返せばずっと寝てなかったし、寝ることはしかたがないと思う。
でも、なんでこの夢なんだよ。
最近この夢をみなくなったのに。
なんで今さらまたこんなこと……
「……くそ。」
もうあの瞬間だけは……絶対にもう思い出したくないのに。
なんで寝ちゃったりなんかしたんだ。
…………
はぁ、次に進まないとキリがないよな。
えっと、今は……朝の5時か。
「さっきが夕方ぐらいで……今が朝、か……」
寝る前もそうだったけど、時間が戻るスピードがとてつもなく速い。
だから多分そんなには寝てはないと思う。
けれど、もういい加減法則をみつけたほうがいいよな。
いつまでこの現象が続くのかわからないわけだし。
時間は知っておきたいし。
……検証してみるか。
タイマー的なのはどっかに……キッチンにあったっけ。
重くなった体を持ち上げて2度目のキッチンへと足を運んでいく。
……たしか、これだよな。
「いつ見ても派手だな……」
見た目は金色のでタイマー表記の下には「そーちゃん焼きそば♡」って書かれてる。
そーちゃん焼きそば、限定タイマーだ。
オヤジが必死こいて当ててたなこれ。
だから食べさせられてたのか?
しかもこれ、3分しか測れないから全然便利じゃないし、見た目がやっぱり好みではない……。
「これしかないもんな……。」
やるか。
壁にある時計が見える位置に移動する。
12時の場所に小針がきたらスタートしよう。
三……二……一……
タイマーのスタートボタンを素早く押す。
…………
……ピピピピ、ピピピピ…
ピ。
……
「……はやいな。」
忘れないうちにメモしておきたいな。
近くにあった紙切れとボールペンで書き出してみる。
さっき3分で小針が24回ぐらい回った。
てことは、24分か……
計算すると……こうか。
計算通りだとこうだ。
1分で8分、60分で8時間、1日が……3時間。
馬鹿げてる……いくらなんでも速すぎる。
だからまだ2時間半ぐらいしか経ってないのか。
……短いな。
この世界、思ったよりもハードすぎるだろ。
あとは……あれか。
なんでこの現象が起きたのかのトリガーか……。
時間とセットが良かった。把握するにはもってこいだし。
って言っても調べようがないしな。
ま、今は無理だろう。
あ、そういえば。
「飯をまだ食えてねーじゃん。」
寝たのも確か”ご飯”とかいうイベントのせいだったよな。
意識したからかお腹がさっきからずっと鳴ってる。
これは……我慢もできなさそうだな。
飯を抜こうとも思ってたけど遭難の二の舞になるしな……。
さっき、タイマー探すついでにもう一度キッチンのありとあらゆる所を漁ったけどこの家には食べれるものはない。
多分だけど、この世界では水や火を使って調理はできないから、食べれるのは菓子パンやおにぎりなどだけだ。
コンビニ……近くにあったっけ?
五百羅漢駅か……田舎すぎてコンビニアクセス悪すぎるでしょ。
あそこは地味に遠いんだよな。
ご飯のためならしかたない……いくか。
体をゆっくり起こし、玄関に向かって歩きながらポケットにスマホと財布が入っていることを確認すると、目の前の靴に足を刺し込んで、出ようとしたが違和感が脳裏をよぎる。
これ……ドア戻るくね。
ドアを押すが案の定、すごいスピードでもとに戻ってくる。
家にいるだけで苦労するっていうのが不思議すぎるな。
外出る場所なんてここ以外危ないし、ないな……
「強行突破か……」
僕は戻ろうとするドアをめいいっぱい押しながら少しずつ体を外へ押し出していく。
格闘すること5分。
ようやく外へ出られた。
「はぁはぁ……ドアだけで……これか……」
壁にもたれかけながら、息を整える。
さぁ……駅近くのコンビニへいこう。




