第七話 去年の失敗を糧に
私は4月になり、2年目のトマト作りを開始した。
肥料の作り方も学び、前回忘れていた間引きを行うことも忘れない。
トマトをよく育たせるため、水捌けのいい火山灰を撒くことを採用して、トマトの苗を植えた。
しかし、この年は雨が多くなった。
日照時間のバランスが取れないため、なかなか育たなかった。
だが私は、雨の日でもめげずに雑草を毟る。
カラスが寄ってきても追い払っていく。
全てはトマトのために、命を注ぐために。
去年より苗の数を増やした分、肥料を定期的に巻いていく。
こうしたことが功を奏したのか、日照時間が前年より少なくても、大きく伸びて行ったのだった。
実のなる量も前年より多い。
さて、ここで間引きだ。
「とりあえずこれは……6個くらい切っとくか。」
そうして私は、次々に小さい実のトマトを鋏で蒂を根元からバツンバツンと切っていく。
スパイアさんにも言われた、大きいのを作りたくば1つだけ、売りたくばできる限り間引きは少なくしろ、どうしようもないのだけは切れ、ということを教わっていたので、私は考えながら、しかし、成長を見極めて切っていく。
ただ、さっきも言ったように、日照時間が少ないので、収穫時期は少し遅れるだろうというふうに、私は踏んでいたので太陽が昇る時期が長くなるのを収穫のメドに調整することにした。
間引きを終えた夜、買ってきた紅茶を飲みながら私は椅子の背もたれにもたれかかっていた。
「はーあ、もう私も農家に染まっちゃったな〜……あっちに居たら絶対味わえなかったかもな……」
こう漏らした時、雨がザーザーと降ってきた。
しかも風も轟音が吹き荒れている。
「やっば!! トマトに布掛けなくちゃ!!」
下手をしたら全てが無駄になると思い、私は大きめの布を予め打っておいた杭に括り付けて強風を凌いだのだった。
トマトも、無事だった。
翌朝。
大雨から一夜明け、太陽光が燦々と降り注いだ。
私はもう、グッタリとして動けなかった。
土の上にゴロンと寝転がる。
「……無事でよかった……もうどうなることかと……」
と、そこに予想外の人物が訪問してきた。
「あら、ルフィア、こんなところにいたのですか。」
水色の髪に、お淑やかそうな声で私に声を掛けてきたのは……
「サ、サーリャ!? な、なんでここに!?」
そう、皇太子マシューの妃であり、私のクラスメイトだったサーリャだった。
何故ここにいるのかというのが全くわからず、とりあえず私はサーリャを家に招き入れたのだった。
次回は思い出話です。




