第三十五話 棄却
ザマアな展開〜♪
はあ、楽しみw
その頃、フェミータ王国では。
検察から、今回の判決に対しての上告が行われていた。
ルフィが忙しいので来れないため、私が出席して判断を傍聴することに。
さて、ウィリアムズ裁判長の判断は、というところだが……。
頼む、受諾とかいう面倒くさい事は辞めてくれ、できればここで棄却になれ……そう思わざるを得ない。
さて、その判断は如何に……。
「今回の検察の上告ですが……判断材料が不透明なため、棄却とさせていただきます。」
私はよしっ!! と言わんばかりにガッツポーズを心の中で取った。
さて、ここからは軍の仕事に戻らねば……。
今日の本来の目的はこれじゃないのだから。
私は自分の部屋に集められている軍に命令を下した。
「……これよりエリン王女を……国家転覆扇動罪で逮捕に追い込む!! 良いな!! 関係者を全員逃がすな!! 冤罪の償いは王族が担うのだ!!」
「ハッ!!!!」
大号令と共に、エリン逮捕に出陣していく私と軍。
数分後、エリンの部屋に到着し、エリンの部屋に入ると……。
「な……なに!? なんで軍が!?」
エリンは案の定慌てていた。
それもそうだろう、王族がこういった罪状で逮捕された前例がないのだから。
だが、このまま野放しにしておけばルフィがまた冤罪を押しつけられる、それだけは避けねばいけなかった。
「エリン王女……貴女を国家転覆扇動罪、及びラヴィオ様への殺人未遂……そしてルフィア・ヴィスパーダの事件での偽証罪、以上の3点で逮捕、立件いたします。」
近衛兵長が、複雑な表情のままエリンに告げる。
「な……なんで……!! やめて……!! 私はまだ……!!」
後退りしながら訴えかけるエリンだが、取り押さえるしかない。
「オイ、何をしている! 早く……」
私は行け、と命じられない。
私は愚かだ。
身内相手に甘くなってしまうのが、この土壇場で出てしまった。
涙目で護身用のナイフを持っているエリン、下手したら立場が悪くなるのは私だ。
私が躊躇っていると、そこに意外な人物が。
「ラヴィオ……エリンを捕らえるんじゃなかったのか?」
「マシュー!? なんでお前、ここに……!?」
まさかのマシューだった。
しかもまー……能天気そうな顔で。
だが、こういう時アイツは洞察力が鋭い。
「なーるほどね……身内相手に甘くなってるな、さては。」
図星だ。
何故こうも妥協してしまうのか、私が優しすぎるのか、というのはあるが。
「……すまないな。手間取ってしまって……」
「いいよ、ラヴィオ。お前はこういう奴なのは分かってる。だからここは俺に任せとけ。」
「!? マシュー、オイ!!」
突然飛び出したマシューを、私は止めることが出来なかった。
次の瞬間。
マシューはエリンの首筋に手刀を打ち込んで、倒れさせた。
「……これでいいだろ? あとはラヴィオ……お前に任せると父上が。」
「分かってる……オイ、尋問室まで連行しろ。」
「ハッ!!!」
私は意識を失ったエリンを軍で連行し、エリンは無事、地下の拘置所へと入っていった。
その夜。
私は階段を降り、エリンの元へ向かった。
ドアをノックし、独房の中へ入った。
手錠をかけられ、エリンはただ佇んでいるだけだった。
「明日の裁判だが……私がエリンの弁護士に就くことになった。」
「従兄様……が……?? 何故です……?」
まあ、そうだろう。
一度殺されかけた相手に弁護人に就くなど普通は考えられないから。
……これも私の優しさなのだが。
「……出来心だ。手っ取り早く面倒事は片付けたい性分なのでな。」
本音だ。
建前もへったくれもない、何せ従妹とはいえ、身内だから。
私はエリンに今後のことを話すことになるが、選択が正しかったのかどうかは今も分からないままだった。
次回もラヴィオパート。
ラストスパート、かけますよ、ここから。




