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第三十一話 「私は無実です」

ルフィアが何を話すのか、ご注目ください。

 私は証言台の前に出る。


正直言って緊張する。


だがやるしかないのだ。


逆転無罪を勝ち取るためにも。


裁判長から、なぜ今回の再審に及んだかの質問が飛ぶ。


私は即座に答える。


「私は無罪を証明するために今回の再審に及びました。……ですがそれは……私の無罪を信じる人が居たから……ここまで来れた、私が言いたいのはそれだけです。」


「では……犯行を計画してはいない、と。」


「ええ。……ですがそれは……弁護士がその情報を得ているので……彼に任せたいと思います。」


私は真っ直ぐに裁判長を捉える。


「……では……被告人、一度お下がりください。」


私はそう言われ、一礼する。


ラヴィオ、あとは頼んだわよ……と目線を落とし、後を託すことにした。




 ラヴィオの話によると、検察側はエリン王女の手のものが多いとのことだ。


そこだけは用心していたし、どんなでっち上げをされるかはわからないが、ラヴィオを信じるしかない。


ラヴィオがまず証言する。


「……まず、被告人が逮捕された時のノートの筆跡なのですが……ここには愛国心が綴られておりました。……2年前、仮に国家転覆などという犯行に及んでいるのであれば……国への恨み節を記しているはずですがそれも無い。……ましてや私は彼女とは古い付き合いです。ですので……精神的な部分で未熟だった彼女がこのようなことを考えられるはずがない。徹底して私の方で調べ上げました。そして証明しました。ルフィア・ヴィスパーダが犯人では無いということに。」


だが検察側も反撃する。


「しかし彼女は2年も前に犯行を認めている。それが一転して無罪を主張だと? バカも休み休み言え。そちらの出鱈目ではないのか!!」


まったく、一国の王子になんて失礼な態度だろうか、と私は思ったが、ここでは敵同士、そうなるのも無理はない。


だがしかし、ラヴィオも怯まない。


「出鱈目もなにも……それは取調べの上で、でしょう? 嘘を自白させられていたのでは? こちらは水面下で調査を行っておりました。ルフィアの無罪を証明するために。検察側のでっち上げを鵜呑みにし、国外追放処分を下した当時の裁判長……ジャン・アルツマン。彼は賄賂を貰っていました。……それも、エリン王女に、です。……国家転覆を謀った犯人はこの時点でルフィアでは無い、そう言い切れます。」


これにざわめき出す聴衆たち。


私もその事実は知らなかったので、内心驚いていたが、これで行ける、それが見えた。


ラヴィオは尚も続けた。


「ジャン・アルツマンの裁判履歴、判決履歴も全て調べさせていただいたところ……被告人は全て女性、しかも被告人は()()()()()()()()()()……にも関わらず彼の手により有罪にされてしまった、そう私の前で証言していますし、彼女たちの再審請求を要求したのも私です。しかも……私と当時、少し話したくらいの女性ばかりでしたので、これに嫉妬して真犯人は犯行に及んだ、そう踏んでおります。そもそも()()()()()()()()()()()()()()。……全てはルフィアを陥れるために行われたもの、それが私の調査結果から出た結論です。」


一気にざわめきが強くなる聴衆ではあるが、検察側も反撃しにかかっていく。


だがもう、私でもこれだけは分かった。


流れが私たちに傾いている、と。

次回も公判。

裁判って長いイメージだから何話かに分けて書こうかと思います。

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