第二十九話 販売、そして連行。
10/1日、一気に2話行きます。
終章ですので、最終章に繋がればいいかと思います。
翌日。
私は露天でトマトの販売を始めた。
するとまー……飛ぶように売れる売れる。
旬というのもあるけど、銀貨3枚はリーズナブルも良いところだから、経営的には少し黒字になるくらいだ。
でも私には関係ない。
明日、再審だから。
最悪死刑になるかもしれないのだから。
そうなれば稼いだお金は意味を成さなくなる。
ちなみに出発前にスパイアさんには挨拶をしてきた。
もしかしたら死んでしまって戻れなくなるかもしれない、ということを。
だから今回の売り出しは全力だ。
悔いがないように、全力で。
「こんなに艶のあるトマトは初めてだよ。また売っておくれよ、お嬢ちゃん。」
「ありがとうございます!」
オバちゃんにそう声を掛けられても、私はもしかしたらもう、売れなくなるかもしれないから。
有難いんだけど、複雑である……。
そんなこんなで、閉店の夕方にはもう、完売したのだった。
店じまいをしようとした、その時だった。
私の元に、ラヴィオ付きの近衛兵長が声を掛けてきた。
「ルフィア・ヴィスパーダ……だね?」
「……はい。」
幸いにも、軍以外で誰もいない。
秘密裏だったようで、私的には助かる。
ここまでは上手いこと作戦通りだった。
だってこれ、演技だし。
私たちが、練りに練った作戦だから。
「話は分かってるね? 宮殿まで来て欲しい。」
本来なら逃げるべきところだろうが、作戦が露呈するわけにもいかず、大人しく私は従う。
「……分かりました……」
と言い、私は馬車まで連行された。
パカラ、パカラッ、ガラガラガラ、という馬車の音が静かな街に響き渡る。
とりあえず上手くはいったが、これからどうなるのか、不安で一杯だったがそれも杞憂だった。
「『再審請求者隔離室』……ですか?」
「ああ。君は今日一日、そこで泊まることになる。勿論食事は用意されている。」
「あの、そういう問題では……」
「大丈夫だ。他の貴族や王族にバレないように連行はする。安心して良い。」
「は、はあ……」
急に不安になってきた……けれどまあ、そんなこんなで連行もスムーズに進み、私は隔離室に移送された。
特に何もすることがなく、部屋で私は座っているだけで時間は流れていった。
不思議なくらい落ち着いている。
私はもう、とっくに死は覚悟できていた。
と、ここでコンコン、というノックの音が聞こえてきた。
私は「どうぞー」と言い、ドアを開ける。
そこにはなんと。
「久しぶりだな、ルフィ。……2年前のヴァルディアの時以来……だな。」
「ら……ラヴィオ!? なんでここに!? ……と、とりあえず入って! 話は聞くわ!!」
私はまさかのラヴィオの来客に慌てていた。
とりあえずラヴィオは私のいるベッドの横に座った。
「……単刀直入に言う。今回の裁判……私が弁護士を務めることになった。」
「ホント!?」
「ああ。証拠はふんだんに用意しているからな。今回は明日への打ち合わせだ。」
と言って、ラヴィオは資料をバーっと拡げる。
明日に行われる裁判が、行われる決戦前夜。
私とラヴィオの戦いは、もう火蓋が切られていたのだった。
裁判編は9話使う予定なんで、スローライフらしく、白熱したドラマ形式でお送りします。
とはいえ裁判なんて書くの初めてなので、拙い部分は出るかもしれませんが、皆さんが納得のいく終わり方をできれば良いかなと思います。
なので、最後までお付き合いくださいませ!!!
最終回まで、よろしくお願いします!!!!




