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手ごわい相手だな……
「すでに欧州はイングランド王国の手に落ちたようです」
「イングランド王国だって?」
「はい、そのように呼ばれている国だそうです」
そうか、まだイギリスと言われるようになるずっと前なんだな。
「オリバー・クロムウェルと言う指揮官に率いられたイングランド王国軍は、新式火縄銃の威力を武器に、欧州を破竹の勢いで支配下におさめたそうです」
「…………!」
「さらにアジアやアメリカにも進出を始めたと聞いております」
これは一刻の猶予もならない。
「幸村、仁吉を呼べ」
「はっ」
この少し後の時代欧州では、新教徒勢力とローマ・カトリック勢力との三十年に及ぶ宗教戦争が起こるはずだった。だが新教徒側に付くと思われたイングランド王国は、なんと欧州全土を相手に侵略戦争を始めてしまったのだ。
パインは既に商人となりアジアに来ていたんだが、連絡を取りクロムウェルの事を聞いてみた。
すると返事が来た。
「クロムウェルは当初非常に若かったこともあり見習い士官だったのですが、経験を積むうちに頭角を現したようです。信仰心を軍の団結に役立たせ、敵に対する容易に屈服しない精神を育ませています。新式火縄銃の手入れを欠かさず規律を守らせるとの事。新しい戦術を実行出来る柔軟性を持った軍隊を作り上げたようです」
手ごわい相手だな……




