プロローグ編063/【藤里 眞宵(ふじさと まよい)ルート/江原 薫(えはら かおる)サイト0】/【薫】のクエスト2
2人の失敗を経て、【薫】が選択したのは、(05)【大陸ランク】だった。
繰り返す様だが、これも【プロクエスター】のレベルなので彼女の死は確定的と言える。
違うのは、生きている間の秒数が、(06)【惑星ランク】の時の1分56秒よりは長いかも知れないと言う所くらいだろう。
だが、結果として死が待っているのは変わらない。
それくらい無謀な挑戦となる。
【薫】は、
「悪いけど、ついて来てくれない?」
と【眞宵】を誘った。
何と、【眞宵】を脇役として使おうと考えているのだ。
だが、【大陸ランク】は、【薫】のレベルに合わない。
【眞宵】は、
「貴女達のレベルでは【大陸ランク】までですとお伝えしたはずです。
何故、約束を破られるのですか?
私は危険だからそう申しているのです。
何も貴女方の挑戦を邪魔しようと言う気持ちでお伝えしている訳ではありませんよ。
それに私が付いていけば、【主人公権】は私に戻ってしまいます。
それでもよろしいのですか?」
と言った。
【薫】は、
「え?
そうなの?
それはやだなぁ・・・
じゃあさ、誰か良い仲間とか知らない?
その人を紹介してよ」
と言った。
【眞宵】は、
「無茶を言わないでください。
今の貴女と組みたい様な存在は居ません。
貴女達は自分が見えていません。
もう、無理です。
返していただけませんか?
これでは結果が見えてます」
と伝えたが、【薫】は、
「やだよ。
借りた以上は私のものだもん。
悪いけど、返すつもりは無いよ。
ずっと私のものにする。
って事で貴女とはここまでよ。
もう、用済みだわ。
じゃあね。
【主人公権】を【くれた】事にだけは感謝してあげるわ」
と本性を現し、彼女は逃げて行った。
取り残された【眞宵】。
ただ、呆然とする。
彼女であれば、逃げる【薫】に追いつけたはず。
だが、それを選択しなかった。
前の2人もそうだ。
止めようと思ったら止められたはず。
だが、それも選択して居ない。
何故か?
それは、彼女の身体に半分ある【アイドル・ボス】としての血がそれをさせていた。
【眞宵】の身体にはある秘密があるのだ。
ただの人間では無い秘密が。
彼女には【半身】が存在している。
双子の姉妹の様な存在が。
ただし、どちらが姉、
どちらが妹という事ではない。
なぜなら、その【半身】と【眞宵】は同時に生まれ、そして分かれた存在だからである。
つまりどちらが先に生まれたとか後に生まれたとかが無い全く同時にこの世に出た存在なのだ。
【眞宵】には、【芦柄 吟侍】の【後継者】となる【勇者】としての要素と、【ラスボス】になる要素の2つが存在していた。
【勇者】としての要素が濃くなった【眞宵】は、【吟侍】の【後継者】となり、【ラスボス】としての要素が濃くなった【眞宵の半身】は、【クアンヴェリテ】の元に居て、この世界に居る【クアンヴェリテ】以外の【ラスボス】を監督する立場に居る。
相応しくないと判断すれば、新しい【ラスボス】を手配し、【首をすげ替える】立場にあるのだ。
つまり、【眞宵】は思ったよりも凄い存在なのである。
その【半身の血】が【愚か者に罰】を与えろと彼女の善意による行動を止めるのだ。
だから、【眞宵】は、【薫】達愚か者達を見捨てると言う行動を取っていたのだった。
【眞宵】に見捨てられた【薫】は、無謀な行動を取り、死亡。
時間にして4分34秒の栄華だった。
そして、また、【主人公権】が【眞宵】に戻る。
彼女は残る1人についても同じ事をするだろう。
【眞宵】は、優しいのか?非情なのか?
それは彼女の名前【眞宵/迷い】が示している。
【眞宵】は、
「【眞夜ちゃん】・・・
もう・・・止めさせて・・・
お願い・・・
誰かが不幸になるのは見ていて・・・つらい・・・」
とつぶやいた。
【眞夜】とは【眞宵】の半身の名前だ。
《愚か者は回りを腐らせる。
そんなものは駆逐した方が良い・・・》
と言う声が彼女の脳裏に焼き付いた。
【眞宵】は、善性、【眞夜】は、悪性が強いのかも知れない。
人には善の心と悪の心がある。
【眞宵】と【眞夜】はそれが分かれているとも言えなくもない。




