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(ファーブラ・フィクタイズム4)【エーウェントゥス・アウディーティオ】プロローグ編  作者: 羽絶 与鎮果


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プロローグ編051/【井上 笑媛(いのうえ えひめ)サイト0】/【置換仁術(ちかんじんじゅつ)】3

 【笑媛】は、【吟侍】に【後継者/主人公権】を譲渡された時、

「お前さんは、多くの命を奪う運命にあるようだな・・・」

 と指摘されている。

 【笑媛】は、

「だから何?

 こっちにはこっちの正義があるのよ。

 貴方にとやかく言われたくないわ。

 無理にそれを欲しいとは思わない」

 と当時言っていた。

 その時、

「まぁ、聞けって。

 お前さんは確かに多くの命を奪うだろう。

 だけど、それ以上にもっと多くの命を助けな・・・

 そりゃ、偽善だと言われるかも知れない。

 だけど、それはお前さんが、【置換仁術】を持っていると言う事を無視する事にはつながらない。

 【置換仁術】はそれだけ素晴らしい力だからな。

 だから約束してくれ。

 【置換仁術】は、あんたが【不幸にした数】をあんたが【幸福にした数】を上回った時に改めて、誰かに譲渡してくれ。

 それ以外では認める訳には行かない。

 それならば、お前さんを例外的においらの後継者として認めるよ。

 出来るか?」

 と言っていた。

 【笑媛】は、

「出来るって言ったらくれるの?」

 と聞くと、

「あぁ、約束だけじゃ駄目だから、おいらの方で、譲渡の条件を設定し、その様にする。

 【答えの力】って言う、答えを余所から持ってくる力をおいらは持っている。

 その力で、強制的にさせてもらう。

 言っておくが、【不幸にした数】ってのは【殺した数】じゃねぇからな。

 【殺した相手】には仲間や家族が居るはずだ。

 少なからず、【殺した相手】を失った事で涙する者も居るだろう。

 そう言う連中もカウントされるからな。

 【幸福にした者】も同様だ。

 【幸福にした者】が嬉しいと喜ぶ者も対象になる。

 ただ、【殺した相手】の不幸を悲しむ者は多くなりがちだが、【幸福にした者】の回りの者は近しい連中以外はほとんど嬉しく思わないものだ。

 だから【不幸にした数】の方が増えやすい。

 つまり、殺す相手が多くなるほど、幸福になる者を増やすのは容易な事ではなくなっていく。

 途中で降りる事は許されない。

 【後継者】として資格が無くなれば大きな不幸がお前さんを襲う事になる。

 それは不幸の割合が多いほど、大きくなる。

 無事に引退したけりゃ、【幸福】の割合を増やしてからすること。

 そして、お前さんの【後継者】にも同様の事を伝える事。

 【置換仁術】が【希望の光】になるか?

 それとも【呪いの産物】になるか?

 それはお前さん次第だ。

 それでも出来るか?

 これは脅しじゃない。

 予告だ。

 出来なければ非情な結果が待っている。

 それでもやるか?」

「やるわ。

 やってやるわよ。

 私の復讐に貴方の【後継者】としての【力】は役に立つ。

 だからどうしても欲しい。

 そのための条件ならいくらでも飲んでやるわ。

 何か施したいのでしょ?

 やったらどう?

 やったら、私が【後継者】の1人って事で良いのよね?」

「あぁ。

 後戻りは出来ないからな」

「くどいわ。

 何度も言わせないで」

「わかった。

 【答えの力】・・・」

 と言う話になり、【笑媛】は、正式に【芦柄 吟侍】の【後継者】となっていたのである。

 【笑媛】は、

「後悔なんて無いわ。

 私が望んだ事だもの・・・」

 とその時つぶやいていた。

 【吟侍】の言葉の重さは十分に理解しているつもりだ。

 【後継者】としての資質が疑われれば、破滅の道が待っている。

 それはかまわない。

 世界で唯一愛した男性を失っている彼女にとって、それ以上の【絶望】などない。

 使えるものは何でも使う。

 それで、愛した男を殺した15名?とその関係者全てを不幸にしてやる。

 その決意だけは変わらなかったのだった。

 彼女は時々、鬼の形相になる。

 それは彼女の中に、絶対的な復讐心が渦巻いているからである。

 彼女の復讐人生は始まっている。

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