プロローグ編050/【井上 笑媛(いのうえ えひめ)サイト0】/【置換仁術(ちかんじんじゅつ)】2
マネージャーの【本田 由希子】が、
「【笑媛ちゃん】、【笑媛ちゃん】」
と声を掛けてきた。
メイク中の【笑媛】は、
「何ですか?」
と聞く。
【由希子】は、
「【笑媛ちゃん】ってさ、【奇跡の左手を持つ女優】って呼ばれてるじゃない?
あれ、何で?」
と聞いた。
「あぁ、それですか・・・
私がたまたま患部に手を当てた所、たまたま治った人が何人か居てそれで呼ばれているだけですよ。
あくまでも偶然。
何でも治ったら医者いらないでしょ」
「だよね~。
たまたまだよねぇ~。
治る訳ないよねぇ~」
「何ですか?
治して欲しい人でも居るんですか?」
「え、あ、うん・・・
まぁ・・・
居るって言えば、居るって言うか・・・」
「・・・良いですよ・・・」
「え?」
「マネージャーにはお世話になっているし、1回だけなら・・・
治るかどうかは知りませんけどね」
ととぼけた。
【病や怪我】の状態によっては、【置換仁術】で【ギャンブル】などを選択し、勝敗がどちらにでも転ぶ様にしておこうかなとちょっと思っていた。
なぜなら、この力は余り、回りに広めて欲しく無かったからだ。
治療したく無い相手も圧力で治療しなくてはならなくなる事を避けるためにだ。
彼女は治したい相手にだけ【治療仁術】を使い、後は見捨てると言う事を選択したいのだ。
【由希子】は、
「1回って言うのは、1つだけって事?
3箇所なんだけど・・・」
と言った。
【笑媛】は、
(なるほど・・・
3箇所って事は3対1になるわね。
どうしようかな・・・
まぁ、いっか)
と思いつつ、
「良いですよ。
全部まとめて1回って事で。
それで何処と何処と何処なんですか?」
と言った。
「その子、【病気】持ってるのよね。
その子が、【肺炎】起こしてて、苦しんでちょっと腕を怪我したんだけど・・・
駄目かな・・・
何だか可哀想で・・・」
「【病気】は何ですか?」
「わかんない。
教えてくんないから・・・」
「(【癌】か何かかしらね・・・
参ったわね。
何の【病気】かわからないと敵が強くなっちゃうし・・・
腕の【怪我】と【肺炎】は、何とかなりそうだけど・・・
3対1になっちゃうけど、【プロレス】にしようかしら?
とりあえず、1体を【3カウント】取れれば、まとめて倒せるし・・・
いや、3対1はやっぱり危ないかも知れないわね。
3人くらい余裕で倒す自信はあるけど、【プロレス】のルールでやるとわかんないし、3対1でも勝負しやすい【競技】を選択した方が良いかな?
【ゴルフ】か何かにして、いっぺんに倒すか?
それとも、【100メートル走】辺りにして・・・
まぁ、どれでも良いか。
とりあえず、【フィギュア・スケート】で良いか。
【自分】との戦いになるから、【金メダル】とれば勝てるし・・・)
わかったわ。
その子を紹介して貰える?
言っておくけど、治るかどうかは保証出来ないわよ。
あくまでも見るだけだから」
と言って、【由希子】の知り合いの【男の子】に会い、結局、【置換仁術】で治してしまったのだった。
何だかんだで、お人好しの部分がある【笑媛】だった。




